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貧血

貧血とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンが不足することで起きる症状です。貧血は、特定の栄養素が不足することで症状が出る場合や、なんらかの病気が原因となって症状が出る場合があります。貧血になると疲労や動悸、息切れ、頭痛、目まい、粘膜からの出血などの症状があらわれます。しかし、原因によっては緩やかに進行するものもあるので自覚症状がわかりにくいことがあります。

ヘモグロビンは、赤血球の中にある成分のひとつで、鉄分が主要な成分です。このヘモグロビンには全身に酸素を運ぶ大切な働きがあるのですが、なんらかの病気によってこれが減ることで、細胞に行き渡る酸素が減ってしまい、目まいや動悸、息切れなどが症状としてあらわれるといわれています。

貧血にはいくつかの種類がありますが、その中でも多いのは、ヘモグロビンの重要な材料のひとつである鉄分が不足することによる、鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血は体内の鉄分が不足することで起こるので、生理や出産時の出血、妊娠・授乳期に増える鉄の必要量などがあるため、女性に多く見られます。また、ダイエットをおこなって栄養バランスが乱れることもあり、女性には、成長期から更年期まで貧血になりやすい条件が揃っているのです。

そのほか、血液をつくる過程に不具合をきたす再生不良性貧血や、血液を過剰に壊してしまう溶血性貧血などがあります。さらに、癌や肝硬変などほかの病気の影響で貧血になってしまう二次性貧血もあります。

私たちの血液は骨髄(こつずい)でつくられますが、骨髄に存在し血液のもととなる細胞が減少することによって、再生不良性貧血が起こります。赤血球や白血球、血小板も減少するため、免疫力が低下したり、出血しやすくなったり、出血した血液が固まりにくくなります。この再生不良性貧血は100万人に数人がかかるというまれな病気で、国の難病に指定されています。

溶血性貧血というのは、血液を生成する赤血球の膜が通常よりも早く壊れ、ヘモグロビンが流れ出てしまうことが原因で起こります。赤血球にも寿命があるのですが、それが通常の10分の1程度に短くなってしまうのです。特徴として、一般的な貧血の症状のほかに、黄疸がみられます。これは、「ビリルビン」という黄色い色素の増加による影響です。

漢方薬で貧血を改善する

動悸(どうき)

動悸(どうき)とは、心臓の拍動を自覚すること、あるいは心臓の拍動を強く意識することをいいます。動悸は心悸亢進ともいわれます。緊張したり激しい運動をしたわけでもないのに動悸が頻繁に起こったり長く続いたりすると、不安な気持ちも強くなります。

心臓は全身へ血液を送り出すポンプの役割をしていて、健康な成人の心臓では、普通1分間に60~80回ほどの拍動があります。この拍動が首や手首などの動脈に伝わって、脈拍として感じられます。普段は心臓の拍動は気にならないものですが、おもに循環器系の病気があったり、体の状態によってもドキドキと自覚することがあります。

動悸には、狭心症や心臓弁膜症、不整脈などの心臓疾患によるものと、自律神経や貧血など心臓疾患以外が原因のものがあります。心臓疾患以外の原因で起こる動悸は、20代~50代くらいの人でみられ、女性だと更年期や妊娠中に多くて、ホルモンの分泌や鉄分不足なども関係しているようです。

お茶やコーヒーに含まれるカフェイン、アルコール類、たばこのニコチンなどには、自律神経を刺激して血圧を変化させ脈拍を速める作用があります。これらの摂取量が多過ぎると、胸の苦しさや不整脈、動悸を引き起こす可能性がありますから、カフェインやアルコールはほどほどに、たばこはやめましょう。

東洋医学では動悸の改善には、「気」を増やして全身をめぐらせ、「血」や「水」の流れを整えると良いと考えられています。

漢方薬で動悸を改善する

動悸というのはひとつの症状ですから、これを治していくには原因となる病気があるかを正しく判断する必要があります。専門医に相談したうえで、次のような漢方薬を試してみるとよいでしょう。

めまい

めまいは、いろいろな原因で起こります。立ちくらみ程度の軽いものから視界がグルグルと大きく回転してしまうものまで程度もさまざまです。例えば、低血圧気味の人や脳貧血を起こしやすい人はめまいが起きやすいですが、こうした軽いめまいでは病的な原因は少ないと考えられます。

めまいを大きく分けると、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまいがあり、さらに特に老人に多いめまいに分けることができます。

耳から生じるめまいでは、難聴や耳鳴り、耳がふさがった感じがめまいと同時に並行してあらわれます。内耳(ないじ)や前庭神経(ぜんていしんけい)などの障害によって起こるメニエール病などが考えられ、身体の平衡感覚をつかさどる三半規管(さんはんきかん)の機能が乱れるために起こるといわれています。メニエール病の発作は30分以上続いたり、一度おさまっても繰り返し起きたりします。そして、めまいがおさまっても難聴や耳鳴りが残ってしまう場合もあるので、早めに専門医を受診すると良いでしょう。

脳が原因で起こるめまいは、難聴や耳鳴り、耳がふさがった感じをともないませんが、脳の障害による特徴的な症状があらわれます。例えば、物が二重に見えたり、顔や手足がしびれる、力が入らない、手がふるえる、激しい頭痛がするなどがあります。脳の異常が原因でめまいが生じている場合は命の危険にかかわりますから、こうした症状のサインに注意しましょう。

高齢者のめまいに関しては、原因が多様とされていて、不明な部分が多いといわれています。めまいを訴える高齢者は、耳鼻科や神経内科を受診しても異常なしと診断されることが多く、それでも症状が改善しないことが多いようです。こちらも、脳の障害が原因なことも考えられますので、気をつけなければなりません。

何にしろめまいが起こったら、その場の安全を確認し、まずはできる限り安静にしましょう。目を閉じて、座ったり横になるなどして、転倒しないようにします。必要に応じて、病院へ行く、救急車を呼ぶことが大切です。

漢方薬でめまいを改善する

肩こり

なかなかよくならない肩こり。西洋医学の限界を感じたら…

血(けつ)のめぐりが悪い状態を、淤血(おけつ)といいます。まず、女性の場合は淤血(おけつ)が原因で肩こりになる場合があるので、このことを念頭に入れておきます。

肩こりは西洋医学では、改善しにくい症状のひとつといえるでしょう。一般的に治療には、鎮痛剤、消炎剤、筋弛緩剤などが使われ、一時的に症状が改善したかのように感じますが、数日後には、また調子がよくない、ということの繰り返しです。

漢方の場合、個人個人の体質や精神状況などと合わせトータルで診断します。また、漢方医学的な原因を突き止め、そのあとに処方をします。肩こりは淤血(おけつ)、ほかの気の流れの乱れから起きることが多いと報告されています。

女性の場合は淤血(おけつ)が多く、生理中に骨盤内で血液がうっ滞しやすく、生理痛のほかに肩こり、頭痛、冷え症などの症状もあらわれます。
普段は頭痛の症状はなくても、生理中には頭痛がするという人は多いのです。

生理不順、月経困難症がある場合、皮膚、唇、歯肉、舌などが紫色になる、目の下にクマができる、下肢に紫色の毛細血管がみえる、静脈瘤や痔があるといった人の場合、淤血(おけつ)タイプになります。

淤血(おけつ)からくる肩こりは、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが効果的です。
この3つは淤血(おけつ)の治療に使われる駆淤血剤の中でも代表的な処方になります。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう) は、体力がある人に適します。足先は冷えるのに頭はのぼせるといった症状、さらに生理前になるとイライラするなどの症状が目安となります。
大黄(だいおう)という生薬が含まれますが、これは便秘にも効果があるので女性には喜ばれています。

体力は、普通並の人であれば、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) を選びます。体格が比較的しっかりしていて、下腹部に抵抗がある人に適しています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、体力がなく疲れやすいなどの症状がある人向けです。疲れやすい、足腰が冷える、めまいや立ちくらみなどの症状がある場合に適します。
体力がない虚証の人で、不定愁訴や情緒不安定などの、精神面の症状が気になる場合は、
加味逍遥散(かみしょうようさん)を使うといいでしょう。
これは、更年期障害による不定愁訴を改善する際にも効果的です。

冷え症がひどく、夜布団に入ってもなかなか眠れない人で強い冷え症、しもやけができやすい、手足や足腰、お腹がよく痛くなるというには、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)がおすすめです。

イライラがひどい場合は、柴胡剤(さいこざい)、落ち込みがひどい人は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が効果的です。

男女を問わず過剰に気を使い、イライラしたり、感情の起伏が激しいなどの人は、精神面を強化すると効果的です。
柴胡(さいこ)という生薬を含む柴胡剤が適用となります。
体力、腹力、胸脇苦満(肋骨の下あたりの抵抗と圧痛)、舌苔(舌の苔)などを診断して、次のように使い分けます。

体力があり、腹力も胸脇苦満も強く、便秘傾向の人、舌苔が厚く黄色い人は、大柴胡湯(だいさいことう)、体力と腹力が普通程度で胸脇苦満があり、不眠、イライラが強い人は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、体力も胸脇苦満も普通程度、舌にやや厚めの白い苔がある人は、小柴胡湯(しょうさいことう)、体力、腹力ともに低下し胸脇苦満腹直筋に突っ張りがある人、舌苔が白い人には、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が有効となります。

疲労倦怠

胃腸虚弱には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を

15歳~65歳までの3人に1人が慢性的な疲労を自覚しているといいます。
重大な疾患がある場合は別として、西洋医学では単なる疲労や倦怠を病気とは見なしません。
そのため、「だるい」「体が重い」といった症状は、なまけている、などと誤解されることもしばしばです。

漢方では、こうした症状は次のような要因から起こるものだと考えられています。
ひとつは脾虚。これは、胃腸が虚弱で食べ物がエネルギーに転換されにくいため疲れるというケースです。もうひとつは気虚。これは、気力が足りなくなって疲れがでてしまうケースです。

何かが虚している(足りない)場合は、それを補って改善に導く、これが漢方の考え方です。西洋医学では無視されがちな症状でも、漢方では原因が特定できるケースが多いのです。
女性の場合で多いのは、気虚と血虚を伴うケースです。気と血が虚している場合には、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)という漢方薬が効果的です。
血虚は血が不足している症状ですが、貧血症状がなくても、皮膚がカサカサする、爪が割れやすい、髪の毛にツヤがなく抜けやすいといった症状は、血虚が疑われます。

ストレス性の疲労にも

水分代謝の異常により、疲労感が出る場合もあります。漢方では、「水毒」と呼び、体内に流れる水の調節が機能しない場合です。水毒の目安は、尿量や発汗の異常がポイントです。水分摂取が十分に行われているのに排尿回数が少ない、または、ほとんど出ない、といったケースも水毒です。

また、むくみ、立ちくらみ、起床時の手のこわばり、車酔いなども水毒です。水毒がある場合は、五苓散(ごれいさん)半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などを用いて、体内の水の循環を改善すると、疲労や倦怠感も改善していきます。

ストレスが原因の疲労感については、漢方では「気鬱」の一種と考えます。学校に行きたくない、会社に行きたくない、といったケースです。
ストレス性の疲労感には、香蘇散(こうそさん)半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを処方します。香蘇散(こうそさん) は、胃腸虚弱で抑うつ傾向の人に向きます。半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、神経質な性格で、のどのつかえ感がある人に。
疲れやすい人はふだんから規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとり、食事では、刺激物や冷たいものの摂りすぎに注意します。冷たいものの摂りすぎは、むくみなどの原因にもなるため、真夏でも少し気を付けるようにするといいでしょう。

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基本的には、胃腸の状態が悪化すると、気が乱れ倦怠感を引き起こします。休養しているのに疲労が取れない場合には、悪性疾患などの病が隠れているケースもあるので、検査を受けましょう。