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バセドウ病

バセドウ病というのは、甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気で、自己免疫疾患のひとつです。患者は男性よりも女性に多く、年代別では20歳代~40歳代の人に多くみられます。日本でのバセドウ病という病名は、19世紀にこの病気を発表したとされるドイツ人医師の名にちなんでつけられたといわれています。

甲状腺の病気といわれても、あまりピンとこない人が多いと思いますが、甲状腺とは、体の新陳代謝を盛んにするホルモンをつくる臓器です。甲状腺はくびの前方の、のど仏の下にあって、羽をひろげた蝶のような形をしています。

甲状腺ホルモンが必要な量よりも大量に産生され、血液中に多く流れて新陳代謝を活発にさせるため、全身にさまざまな症状が現れます。まず、甲状腺の腫れです。甲状腺は普通、とても薄くてやわらかいので、何ともなければ手でくびに触れてもわからないのですが、ある程度大きくなると外見だけでも腫れがわかるようになります。ほかには疲れやすくなり、微熱や発汗があります。食欲の亢進または低下があり、精神的にも落ち着かず、眠れなかったりもします。

甲状腺の機能が亢進するという異常が起こるのには、免疫が関係しています。免疫は外敵が侵入した場合にそれを攻撃して体を守るという大切なしくみなのですが、自分自身をまれに攻撃する抗体をつくってしまう病気(自己免疫疾患)があるのです。

バセドウ病の根本的な治療は難しいともいわれていますが、血液中の過剰な甲状腺ホルモンによって特有の症状が起こっているので、その甲状腺ホルモンの量を正常にコントロールすることができていれば、健康な人とほとんど変わらない生活ができるようです。ただし、甲状腺機能が正常になっても再発の恐れの可能性もありますので、定期的な通院は必要になります。

漢方薬でバセドウ病を改善する

現代医学の専門医の診療を受け、その治療をふまえたうえで、さまざまな症状に対し、漢方薬を用いると良いでしょう。

  • 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
    疲れやすい、汗が多い、寒気や動悸がする、眠れないといった症状があるときに使います。風邪や女性の更年期障害などにも使用される薬です。
  • 痛風

    痛風(つうふう)は関節炎の一種ですが、肉類やアルコールの摂り過ぎによる代謝障害から起こり、激しい痛みのある病気です。その痛みは強烈で、風が吹くだけで痛いということが名前の由来ともいわれています。

    痛風が発病しやすいのは圧倒的に男性で、がっちりした体格で、いかにも肉類が大好物というようなタイプの人に多いようです。女性に少ないのは、女性ホルモンに尿酸の排泄を促すはたらきがあるからだといいます。

    この病気は、たいてい、足の親指のつけ根が急に痛みだすのが始まりで、歩くこともままならなくなり、さらには38度くらいの発熱もあります。

    治療によってこうした発作症状はいったん治まりますが、これは完治したわけではなく、何度も発作があらわれます。はじめのうちは一定の時間をおいていますが、進行すると時間の間隔が短くなり、痛む箇所も、足の甲やアキレス腱、手の指や手首、ひじへと増えていきます。尿路結石など腎障害が起こることもありますので、放っておくのは危険です。

    痛風の原因となるのは、血液中の尿酸の増加です。肉類の食べ過ぎで痛風が引き起こされるというのは、プリン体というタンパク質が体内で分解され、血液中に尿酸が増えるからです。レバーやモツといった内臓系は特に良くないので控えたほうが良いでしょう。プリン体というのはビールに含まれることでもよく知られていて、現在ではプリン体オフなどの商品も販売されています。

    痛風は、変形性関節症関節リウマチなどの痛みと間違えられることもありますので、専門医に検査してもらうとよいでしょう。痛風と診断された場合には、食事療法が必要になります。

    漢方薬で痛風を改善する

    痛風の治療は、食事療法が基本です。そのうえで、血液中の過剰な尿酸をじゅうぶんに排泄するために、尿量を多くしていきます。

    漢方薬では、腎臓の機能を正常化することによって、治療の期待がもてます。体内の新陳代謝を促進し、血流や便通を良くして、全身の調子を整えていきます。次のような処方があります。

    • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
      太鼓腹の肥満型の人に使います。これは体内の毒を出す薬として、いろいろな病気に応用されます。宿便を出したり、生活習慣病を防ぐための痩せ薬としても用いられます。
    • 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
      体力がそこそこある人で、汗が多くのどが渇き、尿量が少なくて、むくみがあるときに使います。発作時の痛みや発熱に効果的です。