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気管支ぜんそく

ぜんそくは、吸い込んだ空気が肺に入るまでの道である「気道」が狭くなるために、呼吸することが苦しくなる病気です。特に、吐くときのほうが苦しくなります。気道が狭くなるのは、外気に含まれるアレルゲン(原因物質)によって、気道の粘膜が腫れたり、粘液の分泌が過剰になって気道がふさがれてしまうからだといわれています。

ぜんそくの症状は、まず、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどから始まります。そして、せきが出て息苦しくなり、ゼーゼー、ヒューヒューとなったり、痰(たん)がからんだりします。これらは、ぜんそくの発作です。夜間から朝方にかけて発作が起こることが多く、眠れないこともあります。睡眠中は昼間よりも呼吸する量が少なくてもいいので自然の気道は狭くなりますが、そこに朝方の冷たい空気を吸い込むことで、気道はいっそう狭くなります。また冷たい空気に刺激されて、発作が起こりやすくなるのです。

小さな子供から年配の人までぜんそくにかかりますが、子供のぜんそく(小児ぜんそく)は、アレルギーが原因であることがほとんどだとされています。幼児のうちに始まり小学校高学年ぐらいから発作がなくなる時期がありますが、20歳を過ぎて再発することもあります。一方、大人のぜんそくは、大半が大人になって初めて発症することが多く、男女比は同じくらいです。子供のぜんそくに比べて、確かな原因が特定できない場合が多いようです。

ぜんそくの主な原因には次のようなものがあります。アレルゲンとなるものは、ダニ、カビ、ハウスダスト、ペット、花粉などです。また、アレルゲン以外の誘因では、タバコ、過労、ストレス、天候や気温の変化などがあります。

漢方薬で気管支ぜんそくを改善する

ぜんそくは、西洋医学でも根本的な治療法がありません。西洋医学でも漢方でも、根気よく体質改善を目指していくことになります。

発作が起きたときには

  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
    発作のとき、顔を真っ赤にして激しくせき込み顔から汗が出る、黄色くて濃い痰が出る、という症状に用います。胃の弱い人は、長期服用すると食欲が無くなることもあるので注意が必要です。
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
    発作とともに鼻水やくしゃみがあり、泡や水っぽい痰が出る、ゼーゼー、ヒューヒューと喘鳴(ぜんめい)がある、といった症状に用います。
  • 麻黄湯(まおうとう)
    汗が出にくい人で、比較的体力のある人に用います。熱がある、関節が痛むといった風邪に対しても使える薬です。

体質を改善するには

  • 柴朴湯(さいぼくとう)
    小児の虚弱体質の改善に使われる薬ですから、あまり体力が無く疲れやすい、胃が弱いといった症状に適しています。長期に服用することで風邪をひかなくなり、発作も起こりにくくなります。
  • 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
    とても激しくせき込む、乾いたせきが出る、口が渇く、食欲不振などの症状に用います。

肺炎

肺炎は、肺に炎症を起こす病気で、風邪や気管支炎に続いて発病したり、直接細菌におかされて起こったりします。

昔は死亡率の高い病気として恐れられていましたが、現在では抗生物質を投与した治療で、患者の死亡率は減少しているといいます。しかし、日本人の死因としてはまだ上位のほうで、特に老衰している人、病み上がりの老人にとっては致命的になることもあるのです。また、中年を過ぎてからの風邪が重症化すると、肺炎に移行することもあるので、注意が必要です。

老人の肺炎では、発熱しないことがあり、呼吸困難に陥るまでわからないことも少なくありません。体のだるさや食欲不振を訴え、咳(せき)が出るようなら、肺炎を疑ってみるべきでしょう。

子供の肺炎の場合、顔面は赤くなるよりもむしろ白っぽくなるほうが重症だといえます。乳児なら、呼吸が苦しいため、小鼻を動かして息をするのでわかるでしょう。

細菌性肺炎では、40℃以上の高熱が出て、激しい頭痛や胸痛があり、ひどいときには呼吸困難に陥ることもあります。咳をすると、ピンク色や緑黄色で血や膿の混ざったような痰(たん)が出ます。

漢方薬で肺炎を改善する

適切な抗生物質での治療により死亡率が低くなった肺炎ですが、ほかの呼吸器の病気と同様に、有効な漢方薬があります。ただ、肺炎が重大な病気であることに変わりはないので、専門の医者の診察が必要です。

  • 真武湯(しんぶとう)
    肺炎で体力が衰えていて、元気の無いときに用います。悪寒や動悸に対しての効果が期待できます。そのほかに、めまいや冷え症、下痢などにも効果的です。
  • 竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
    慢性的に発熱が続き、尿量が少なく、のどの渇きがあったりせきが出るとき、声が枯れているときなどに用います。インフルエンザや風邪、その他の熱性の病気が改善したあとに、全身の疲労や微熱などが治まらないときにも、これを使用します。
  • 小柴胡湯(しょうさいことう)
    口の中が苦く感じ、舌に白いコケがみられる、食欲不振、みぞおちから脇腹にかけて圧迫されうような痛みがある、などの症状のときに用います。風邪のあと、こういった症状があらわれたときに有効です。
  • 竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)
    風邪が長引いていて、なかなか熱が下がらない、せきやたんが出るときに用います。肺炎では息苦しくなるため、精神的な不安が伴って眠れないこともあります。そういうときにも効果的です。
  • 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)+ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
    疲れやすく、あまり体力のない人や高齢者で、悪寒や食欲不振があるときに用います。

気管支炎

ウイルスや細菌や有毒ガスなどによって気管支の表面を覆う上皮細胞がおかされ、炎症を起こした状態を気管支炎といいます。おもな症状は咳(せき)とたんで、微熱をともなうこともあります。小児の場合では、40℃近くの高熱を出すこともあります。

咳が出るのは、炎症によって気管支にたまった分泌物(たん)を体外に出そうとするためです。始めのうちは量が少なくネバネバしたたんですが、治りかけると、気管支の上皮細胞が戦死した白血球と混ざるので、膿のような多量のたんが出るようになります。この細胞の死骸を体外に排出させるために咳が続きます。

咳と共に起こる症状には、胸の痛みや息苦しさ、頭痛、全身の倦怠感、食欲不振などがあります。

こうした急性の気管支炎が治りきらずに繰り返すと、やがては慢性の気管支炎になります。慢性の気管支炎を患っている人は風邪をひきやすくなります。

漢方薬で気管支炎を改善する

気管支炎は、慢性化してしまうと簡単には治すことができません。治療は日常的に、毎日の生活リズムの中に取り入れておこなうことが必要です。

漢方療法では、急性と慢性の気管支炎に分けて、その人の体質や症状などをよく吟味したうえで処方がおこなわれます。

急性気管支炎に

  • 麻黄湯(まおうとう)
    急性気管支炎の初期で、発熱や寒気などの風邪に似た症状があるときに用います。小児が風邪をこじらせ気管支炎を起こしたときにも良いです。ゼーゼーと苦しそうな場合にも良いでしょう。
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
    激しい咳が出て、薄い泡のような「たん」がたくさん出るときに用います。熱はあっても無くても使えます。くしゃみ、鼻水、むくみなどの症状にも効果が期待できます。慢性化している場合でも、服用を続けることによって良くなってくるでしょう。
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
    これは、濃い「たん」に対して用います。また、発作時の頓服薬として使いますが、慢性化したものにも効果的です。ただし、胃が弱い人の場合、のみ続けることで食欲がおちることもあるので注意が必要です。

慢性気管支炎に