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男性に急増中の前立腺肥大を改善する漢方活用

注目があつまる高い効果

前立腺は男性のみが持つ器官で、排尿や生殖にかかわる働きを担っています。膀胱の出口に位置して、中を尿の通り道である尿道と、精液の通り道である精管が前立腺内で合流しています。大きさはクリの実くらいで、加齢に伴って肥大することがあります。

肥大自体は加齢による変化であり、老化現象で病気ではありません。尿が出にくくなるなどの排尿障害が見られる場合には、「前立腺肥大症」と呼びます。50歳以上の男性が排尿障害を訴えたら、まずは前立腺肥大を疑えといわれるほどポピュラーな病気ですが、前立腺肥大に対する考え方は、最近、変わってきています。
以前は、肥大した前立腺が尿道を圧迫することが排尿障害の原因だとされていました。しかし、現在では異なっていて、前立腺の機能による影響だと考えられています。

症状は3期に分かれて生じます。まず、症状の第1期には、排尿の回数が増えます(頻尿)。尿の勢いが低下したり、排尿開始までに時間がかかったりすることもあります。第2期は、いきまないと尿が出なくなります(排尿困難)。尿が出切らず膀胱に残り、残尿感のためにさらに頻尿になったり、尿が出なくなったりすることもあります(尿閉)。第3期には、排尿困難が進みます。膀胱内にいつも多量の尿が残って、ダラダラ漏れてくることもあります。

1期と2期では、ほとんどのケースで、薬で症状を改善することができます。3期でも薬が有効で、今は、あまり手術を行うことはありません。手術は、尿道から内視鏡を入れ、高周波電流で患部を取り除く方法が主流です。痛みが少なく出血もわずか。性的能力が損なわれる心配もありません。なお、排尿障害は前立腺肥大によってのみ起こるわけではありません。

前立腺ガンが原因で起こることもあります。「尿が出にくい=前立腺肥大」と自己判断して放置することなく、きちんと検査を受けましょう。

漢方では、頻尿や尿が出にくいなどといった排尿障害を、体内の水分の流れが悪くなっているせいだと考えて治療します。そこで、まずは水分の流れをよくする作用を持つ漢方薬(利水剤)を選ぶのです。前立腺肥大は加齢によって起こるので、衰えた体力や気力を補うために、血の巡りを良くする駆瘀血剤や、気(一種の生命エネルギー) の流れを整える気剤も必要になってきます。
この3つがバランスよく配合されているのが、八味丸(八味地黄丸)です。

前立腺肥大に用いる漢方薬として最適で、実際に高い治療効果を上げています。
強力な利尿作用(尿の出をよくする働き)を求めるときは牛車腎気丸が適しています。排尿時にしみる、痛む、血尿が出るなど膀胱炎の症状もあるなら、猪苓湯がいいでしょう。胃腸が弱い人には、八味丸よりも胃腸への刺激が少ない、六味丸を使います。いずれも前立腺や膀胱の機能を高め、排尿障害を改善する効果に優れています。