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シミ・ソバカス

シミは、皮膚内で生成される「メラニン」という色素が色素沈着を起こしたものをいいます。紫外線によるダメージの蓄積や加齢などがおもな原因ですが、ニキビの跡が原因となることもあります。シミの中でも一般的に知られているのは、ホルモンのバランスが乱れることによって発生する肝斑(かんぱん)や、老化現象のひとつである老人性色素斑などです。

シミが加齢と共に多くできるようになるのに対し、ソバカスは小学校低学年くらいからできはじめ、思春期になると目立つようになりますが、シミとは逆に加齢とともに薄くなることもあります。シミよりも小さな斑点が、鼻のまわりや頬に出やすいのが特徴です。顔のほか、腕や背中などにも現れます。また、ソバカスは遺伝性のものが多く、紫外線を浴びることで濃くなる性質があります。

シミとソバカスの引き金となるのは、どちらもメラニン色素です。かゆみなどの症状はありませんが、体の調子によってシミや斑点の濃淡が変化することがあります。紫外線のほか、過労や睡眠不足、精神的ストレスなどによって濃くなるので、注意が必要です。

紫外線と肌への刺激はできるだけ避ける

ソバカスをそれ以上濃くしないためのケアをすることは、シミを防ぐためのケアにも繋がります。そして、シミを消したりソバカスを薄くするためには、毎日のお手入れが重要なのです。自分でできるケアとして、まず、紫外線対策をしっかり行い、必要以上に紫外線を浴びないようにすることが大切です。

シミのもととなるメラニンは、本来は刺激から肌を守るためにつくり出される物質です。過剰にメラニンを生成しないために、肌への刺激はできるだけ避けましょう。洗顔などの時には力を入れ過ぎず、優しく洗うのがポイントです。

食事ではビタミンを積極的に摂る

ビタミンCは、メラニンの定着を防ぐ効果が期待できます。また、ビタミンEには新陳代謝を活発にして、肌のターンオーバーを促進する作用があります。さらに、ビタミンAには活性酸素を除去し、肌の老化を防ぐ効果があります。このように、ビタミン類は、シミやソバカスだけでなく美肌を維持するために欠かせない栄養素なのです。

漢方薬でシミ・ソバカスの症状を改善する

漢方では、皮膚に血液と栄養を補う補血薬や、末梢までじゅうぶんに血液を流す活血薬を用いますが、原因がストレスにある場合には、気の巡りを良くする薬も必要です。また、昔から、はとむぎエキスの薏苡仁(ヨクイニン)が肌をきれいにするといわれ、これらに加えて用いると良いです。

皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)

皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)は、皮膚に発疹などの目立った異常が見られないのに、強いかゆみがあらわれるのが特徴の皮膚の病気です。かゆみがとても強いために爪でひっかいたりすると、そこが炎症を起こして、二次的に湿疹ができることがあります。

大きく分けると、体のどこにでもあらわれる全身性の皮膚掻痒症と、外陰部や肛門部周辺、頭部など体の一部分にあらわれる限局性の皮膚掻痒症の2つがあります。

全身に起こる皮膚掻痒症では、皮脂が欠乏するために起こる肌の乾燥が最も多い原因と考えられます。特に空気が乾燥する冬の季節などは、入浴時の肌の洗い過ぎに注意しましょう。クリームなどを使用して保湿することが大切です。

高齢者の体のかゆみの多くは、年齢的な皮膚の衰えによって、皮膚が乾燥して皮脂が足りなくなるためだと考えられます(老人性乾皮症)。カサカサに肌が乾き、かくと粉が出たりして、かゆみがひどいためにかき壊してしまうことも少なくありません。

しかし、ただの乾燥肌と思い込んでしまうのは危険なこともあり、糖尿病や肝臓障害などの基礎疾患や薬剤を服用することの影響などが潜んでいる可能性がありますから、皮膚科を受診するのがいちばん良いでしょう。

ほかに、ストレスや精神的な不安などからも皮膚がかゆくなったりします。この場合、ストレスが解消されると軽減したり、治ることもあります。

限局性皮膚掻痒症では、かゆみは、女性の場合、外陰部に起きることが多く、男性の場合だと肛門周囲に起きることが多いです。女性に多い外陰部掻痒症の原因は、乾燥や、外部刺激による皮膚過敏、膣炎や感染症などが考えられます。また、男性に多い肛門掻痒症の原因は、排尿障害や便秘、下痢、痔、脱肛、前立腺肥大といった病気から引き起こされることが多いと考えられます。いずれにしても、清潔にしておくことが大切です。

漢方薬で皮膚掻痒症の症状を改善する

皮膚にかゆみが起こる原因はさまざまで、医師の診察を受けても原因がはっきりしないものもあります。漢方では、かゆみをしずめることのほか、長期に渡り飲み続けることで、皮膚が乾燥しにくいような体質への改善をめざします。

  • 当帰飲子(とうきいんし)
    血流を改善し、症状を緩和する薬です。皮膚がカサカサした状態の皮膚掻痒症に効果的です。普段から冷え性、貧血気味で、顔色が悪いような人に向いています。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
    体力が普通にあって、のぼせぎみで顔色が赤く、イライラしやすくて落ち着かない傾向のある人の皮膚掻痒症、湿疹・皮膚炎に用います。
  • 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
    のぼせや熱、発汗のある人で、食欲不振や慢性胃腸病がある人の皮膚掻痒症に向いています。

しもやけ

しもやけは、皮膚に対する寒冷刺激によって起こります。手や足などが冷えることで末端の血管の拡張・収縮がうまくできなくなり、血行が悪くなることで発症するのです。ですから、しもやけを改善するには、なにより手足の先などの血行を良くすることが重要になります。

医学的には「凍瘡(とうそう)」といわれ、手や足にできることが多いしもやけですが、ほかにも、耳たぶや鼻、頰などにできて、かゆみや痛みを伴ったりします。外見的には、患部が赤紫や赤黒く変色し、腫れあがります。症状が悪化すると水ぶくれができたり、それが破れて、ただれたりします。冬の寒さによる血行不良で、気温が5度前後になると発症しやすくなるとされています。
冬山登山などの人に起こることがある「凍傷(とうしょう)」とは別の病気です。

しもやけになるのは、血液循環が悪くなりやすい、子供や女性が多いです。しもやけという病気の背景には、冷えやのぼせといった血液循環障害があり、体質的なものが原因になっていることも少なくありません。寒い時期には、普段から自分でできる予防をしておくとよいでしょう。手袋、あたたかい靴下、耳あてなどを身につけ防寒する、皮膚をマッサージして血行を良くする、濡れた手はしっかりと拭きとる、などです。

冬が過ぎて暖かくなると自然に治ることも多かったりして、きちんと治療する必要がないと思われがちですが、放っておくと重症化する可能性もありますので、早めに対処したほうがよいでしょう。

漢方薬でしもやけの症状を改善する

漢方薬では、その人の体質や症状から判断した処方がおこなわれます。何度も繰り返し起きるようなら、次のような漢方薬を試してみるとよいでしょう。

水虫(みずむし)

水虫(みずむし)は、白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に繁殖して起こる病気です。この白癬菌は手や体のほかの部分にも感染しますが、90パーセント近くは足で、特に足の指に発生します。菌が足に繁殖しやすいのは、靴や靴下をはいて足がむれ、菌にとって過ごしやすい環境になるからです。最近では、女性も仕事などで一日中、靴をはいたまま過ごす人が増えたために、男性に限らず女性も水虫に悩む人が多くなっています。

足にできる水虫には、赤くジュクジュクしたり白くふやけたりが足の指と指の間にできる趾間型(しかんがた)や、強いかゆみを伴って土踏まずのあたりに小さな水疱ができる小水疱型(しょうすいほうがた)、かかとが乾燥して角質が厚く硬くなる角質増殖型があります。また、爪に感染して水虫になる爪白癬(つめはくせん)もあります。

白癬菌は高温多湿を好み、皮膚に汚れや汗が残った状態だと菌が繁殖しやすいので、足や体をいつも清潔に保っていることが大切です。

水虫は接触することで感染します。例えば、家族の中に水虫の人がいる場合には、水虫の人と同じバスマットやタオルを使ったり、スリッパを履いたりすることで白癬菌が付着します。また、プールや温泉、銭湯といった不特定多数の人が素足で利用する施設では、白癬菌が足に付着しやすくなります。ただし、白癬菌が付着したからといって、すぐに感染するわけでありません。皮膚に入り込んでから感染するまでには一日ぐらいかかるともいわれているので、毎日、清潔を保ちましょう。傷口があったり免疫力が落ちていたりすると感染する可能性があるので、よく洗い流し、菌が繁殖しないよう気をつけましょう。

漢方薬で水虫(みずむし)の症状を改善する

水虫に一番良くないのは、むれることだと考えられています。夏の間などには、できるだけ裸足で過ごしたほうが良いでしょう。そして、きれいに洗って乾かし、清潔にしておきましょう。
症状が治ったと思っていても白癬菌は残っていることが多いので、すぐに治療を止めずに、根気よく継続したほうがよいです。

漢方薬では次のような処方が考えられます。

  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
    湿潤性の水虫に用います。水ぶくれが破れて皮がむけているとき、炎症があって化膿しかけているときに使います。急性の湿疹やじんましんなどの皮膚疾患に広く用いられる漢方薬です。
  • 温清飲(うんせいいん)
    乾燥性の水虫に用います。皮膚の色ツヤが悪い人の月経困難、更年期障害、血の道症などの婦人科疾患にも効果的な漢方薬です。

じんましん

じんましんでは、強いかゆみが起こり赤い発疹ができます。発疹は、赤みを伴って扁平(へんぺい)に隆起した円形や楕円形、地図状などに見えます。かゆいところをかくと、ミミズ腫れのようになります。こうした症状の多くは一過性のもので、数時間ほどで、痕が残らずに消えます。しかし、なかには慢性化するものもあります。皮膚に生じるアレルギー反応のひとつで、皮膚の中の細胞からヒスタミンという物質が出るために起こります。慢性じんましんは、原因がはっきりしない場合がほとんどです。

原因については、食べものや薬剤、細菌・ウイルスの感染、血液疾患、物理的刺激、精神的ストレスなどいろいろなものが考えられます。食べものや薬剤が原因となる場合はアレルギー性のことが多く、原因となる食べものを食べたり、薬剤を服用することで、繰り返し症状があらわれます。物理的刺激が原因となる場合は、軽度の圧迫、機械的刺激、温熱または寒冷、日光にあたることや発汗することなどによって起こります。しかし、それ以外の場合は、じんましんが出るしくみははっきりとわかってはいません。

急性じんましんは、発疹が一過性のもので、痕を残さず消えることが診断のポイントとなりますが、原因を調べるためには血液検査や皮膚テストがおこなわれます。物理的な刺激が原因のじんましんは、例えば腕時計や下着のゴムの締め付けといった機械的な外部からの刺激、温度変化や日光などによって誘発されるので、何が原因なのかを確認します。

症状に対しては抗ヒスタミン薬が用いられます。通常は内服薬を服用するのですが、抗ヒスタミン薬で効果がでない場合には、少量のステロイド薬を服用することもあります。

かゆみを伴う赤い発疹がある場合、虫刺されや湿疹である可能性もあります。じんましんは、虫刺されや湿疹とは治療法が異なるので、きちんと専門医の診断を受けましょう。

漢方薬でじんましんの症状を改善する

じんましんは、原因がわからないことも少なくありません。漢方では、次のような薬が考えられます。

  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
    急性や初期の皮膚疾患に広く用いられる薬です。よくじんましんができる人のアレルギー体質の改善にも使われます。
  • 葛根湯(かっこんとう)
    風邪のひき始めや筋肉痛など広く使われる薬です。初期のじんましんで、強いかゆみや赤い腫れがあり、体全体が熱っぽくて寒気があるときに効果的です。
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
    高齢者によく発症する乾燥性の蕁麻疹に用いられます。のどが渇く、トイレが近いといったタイプの人に向いています。