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蓄膿症(ちくのうしょう)

蓄膿症(ちくのうしょう)は、正式には慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)といわれる鼻の病気の俗称です。老若男女を問わず、発症します。

鼻の周辺には「副鼻腔(ふくびくう)」という骨に囲まれた4つの空洞があって、これらの中で炎症が起きている状態を「副鼻腔炎」といいます。副鼻腔炎には急性のものと慢性のものがあり、原因や治療法は違います。急性の副鼻腔炎では主に細菌感染が原因ですが、慢性の副鼻腔炎は鼻腔と副鼻腔の間にある自然孔(しぜんこう)という孔(あな)が何かの原因によって狭くなり、副鼻腔内の空気循環が悪くなっていることが主な原因です。

副鼻腔炎の自覚症状としては、鼻水や鼻づまり、もののにおいがわからない、鼻水がのどの方に垂れてくる、鼻の周りや顔面、目や歯が痛む、などが挙げられます。鼻水や鼻づまりの症状は風邪や花粉症などでも起こりますが、副鼻腔炎の場合は症状がひどかったり長引くことが特徴です。鼻水には粘り気や嫌なにおいがあり、色は黄色っぽくなります。

副鼻腔炎を風邪や花粉症だと思って放っておくと、慢性化して治療に時間がかかるようになってしまいます。薬での治療が難しくなると手術が必要になることもあるし、まれに重大な合併症を起こすこともあるといいます。

慢性副鼻腔炎の場合は、頭が重く感じたり、疲労感や集中力の低下などの症状が現れることがあります。慢性化している場合には、鼻の奥深くの副鼻腔だけが炎症を起こしていて、鼻炎のような症状は全く無く、頭痛の原因が副鼻腔炎だと気づきにくいことがあるのです。

鼻のあたりに嫌なにおいがするというのはよく知られている症状の1つですが、このにおいの大きな原因は、炎症が悪化してたまった膿(うみ)によるものです。粘膜が腫れて鼻腔と副鼻腔をつなぐ部分がふさがり、副鼻腔に膿がたまって鼻水に膿が混ざります。副鼻腔にある膿(うみ)自体がにおって口臭のように感じることもあるし、鼻水がのどに垂れてくること=後鼻漏(こうびろう)によって、膿混じりの鼻水がのどのあたりからにおいを発することもあります。

漢方薬で蓄膿症を改善する

蓄膿症は慢性化した状態なので、なかなか治りにくいものです。耳鼻科の専門医の診察を受け、気長に治療することが必要となります。その際に、症状や体質の改善をめざし、漢方薬を利用すると良いでしょう。

鼻炎

鼻の粘膜が炎症を起こして、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状があらわれるのが、鼻炎(びえん)です。鼻炎には、風邪などの感染症によって起こる急性鼻炎と、アレルギー物質が原因となって起こるアレルギー性鼻炎があります。

私たちの体には、ウイルスや、花粉やハウスダスト・ダニといったアレルギー症状を引き起こす原因となる物質(アレルゲン)が体に入ると、これらを排除しようとする働きがあり、その時に、ヒスタミンなどの化学伝達物質が遊離します。そして、この化学伝達物質によって、鼻の粘膜の知覚神経が刺激されると、くしゃみが出るのです。また、炎症を起こした粘膜が充血すると水様性の分泌物である鼻水が出てきます。

鼻がつまると息苦しいし、食べものの味がわからなかったりして、違和感があります。ですから、つい、鼻を強くかんでしまう人は多いと思うのですが、鼻づまりのときに注意したいのは、勢い良く鼻をかまないことです。それはなぜかというと、中耳炎のページにも記しましたが、化膿菌を含んだ鼻水が、鼻を強くかむことによって耳管を通って中耳へ入り込み、中耳炎の原因となるためです。

急性鼻炎は「鼻風邪」ともいわれるもので、ウイルスや細菌の感染が原因で炎症が起きている状態です。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。せきや熱が出ることもあります。風邪のウイルスに対して効果的な薬というのは無く、鼻炎の症状を和らげていくことが治療となります。

一方のアレルギー性鼻炎では、風邪をひいていないのに、発作的に鼻に炎症が起こります。アレルギーの原因となるのは、春先のスギなどの花粉のほか、ハウスダストといわれるホコリやダニ、カビ、ペットの毛などです。こちらの症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、目の周辺のかゆみ、のどの痛み、頭痛や皮膚の炎症が起こることもあります。アレルギー性鼻炎の治療には、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、点鼻薬などが用いられます。

アレルギー性の場合、症状の種類や重さによって治療法に違いがありますが、症状を軽減するためには、根気よく長期にわたって治療する必要があると考えられています。上記のような薬物療法のほか、アレルゲンが特定されている場合の免疫療法、鼻の粘膜を焼くなどの手術療法もあります。

漢方薬で鼻炎を改善する

漢方では次のような薬がありますが、慢性的なものや体質的なものは治りにくいため、根気よく服用し続けることが大切です。

  • 葛根湯(かっこんとう)
    これは風邪の初期症状によく使われる薬です。急性鼻炎は風邪の症状として最もよく起こります。風邪をひきやすい人の慢性鼻炎の予防にも良いです。
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
    水っぽい痰(たん)や鼻水がでるときに使われる薬です。鼻風邪をひきやすく、いつも鼻をかんでいるような人に適します。くしゃみや湿った感じのせきがでるときにも良いです。

外耳炎

中耳炎のページにあるように、耳は入り口のほうから外耳、中耳、内耳と分けられていて、耳の穴の入り口から鼓膜までのことを外耳道(がいじどう)いいます。

皮膚の下が軟骨組織でできている、外耳道の入り口から手前の半分くらいのところには、上皮に毳毛(ぜいもう)といわれるとても細い毛が生えていて、耳垢腺(じこうせん)や脂腺があります。耳垢腺は汗腺の一種なのですが、ここから耳垢(みみあか)が産生されます。

外耳道には皮膚の自浄作用があって、食べものを噛んだりする顎(あご)の運動によって、耳垢は自然に入り口のほうへ移動していくような仕組みになっています。ところが、不適切に耳掃除することで、入り口から半分くらいまでにしかないはずの耳垢が綿棒で奥へと押し込まれてしまったり、耳かきなどで薄い皮膚をひっかいて傷つけてしまうと、化膿菌が入り込んだりして、外耳炎が起こってしまうのです。

なんとなくかゆいような症状から始まって、数日経過すると強い痛みが出てきます。こうなると、食べものを噛んだり、耳に軽く触れるくらいでも痛みます。さらにひどくなると、耳から膿のような液体(耳だれ)が出たり、耳鳴りがしたり、音が聞こえにくくなったりもします。

外耳道の皮膚はもともと薄くて、外からの刺激に対して弱いのです。耳がかゆくなったからといって耳掃除をしすぎると、外耳道が傷つき、かゆみを生じることになるので注意しましょう。

外耳炎は、耳掃除がクセになっている人ほど治りが悪く、再発もしやすい傾向にあります。耳に触りすぎないことが大切です。

漢方薬で外耳炎を改善する

細菌の感染によるものですから、普段から清潔にしておき、汚れた爪でひっかいたりしないように注意しましょう。

漢方薬では、次のような処方が考えられます。

中耳炎

私たち人間の耳は、耳の入り口から顔の中心のほうへ向かって外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)、内耳(ないじ)の3つに大きく分かれています。外耳道から続く鼓膜から鼓室、耳小骨(じしょうこつ)の部分が中耳で、この部分に化膿菌が侵入して炎症が起きる病気を中耳炎(ちゅうじえん)といいます。

中耳炎にはいくつか種類がありますが、代表的なものは急性中耳炎です。また、急性中耳炎がきちんと治りきらないまま、中耳に膿(うみ)が滲出液(しんしゅつえき)として溜まってしまう滲出性中耳炎があります。

中耳は耳管(じかん)という管で鼻の奥とつながっていて、中耳炎と鼻は密接な関係にあります。急性中耳炎で多いのは風邪をひいたあとに合併して起こるもので、細菌やウイルスが鼻の奥で増殖し、耳管を通して感染が中耳にまで及びます。風邪をひいて鼻炎が起こると鼻水が増えますが、鼻づまりがあるときに無理に強く鼻をかもうとすると鼻水に含まれる化膿菌が耳管から中耳に押し込まれるので、鼻がつまっているときには、強くかまないように気をつけましょう。

一般的には、中耳炎にかかるのは成人よりも乳幼児や小児のほうが多いといわれていますが、これは、子供の耳管のほうが太くて短いこと、また、角度が水平に近いことから、細菌やウイルスが中耳に入りやすいためだといわれています。

急性中耳炎になると、発熱や脈を打つような耳の痛みがあったり、耳がふさがったような感じがして、音が聞こえにくくなったり(難聴)、耳だれといって臭いのある分泌物が出たりもします。乳幼児の場合、高熱が出てけいれんを起こすこともあるので注意しましょう。

急性中耳炎を放っておくと、ほかの中耳炎へ移行したり、まれに重症化して意識障害などの脳症状を起こすことも考えられますので、早めに耳鼻科を受診し治療して、完治させることが大切です。

漢方薬で中耳炎を改善する

まずは、専門医の診察を受けましょう。中耳炎が慢性化してしまった場合には、漢方薬の使用で良い結果を得られることがあるので、医師に相談するとよいでしょう。風邪のひきはじめに利用して、中耳炎の防止に役立ててもよいです。

アレルギー性鼻炎・花粉症

花粉の時期の少し前から飲みはじめる

日本では、3000万人以上もの人が花粉症で苦しんでいるといいます。まさに国民病です。花粉症はアレルギー性鼻炎の一種です。主にスギ花粉が体内に入ったときに、免疫系統が過剰な反応を示し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目やのどのかゆみなどの症状が発生します。
最近は、ブタクサの花粉に反応する人も増加しています。

花粉以外では、ダニやほこりなどのハウスダスト、ネコや鳥などの動物、で寒冷刺激などに反応して症状が出る人もおり、これらを総称してアレルギー性鼻炎と呼んでいます。

漢方は、長期間飲んで、体質改善する薬だというイメージをもっている人も多いのですが、対症療法的に症状を抑える目的で使うことも可能です。

まず、鼻水の症状がひどい場合には、小青竜湯(しょうせいりゅうとう) または、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)がよいでしょう。
これは、慢性鼻炎や蓄膿など鼻の疾患によく用いられる漢方薬です。

花粉症の人は、花粉が飛びはじめる前の1月下旬から2月上旬を目安に、飲み始めると効果的です。症状が軽くすんだり、花粉の季節も比較的楽に過ごすことができるはずです。

成人であれば冷えや胃腸に効果的な漢方薬を使って体質改善を

本腰を入れて、体質改善をすれば、アレルギー性鼻炎や花粉から開放されます。うっとおしいくしゃみや鼻水からも開放されます。
体質改善を目的に治療する場合は、こまかい診察で問診が必要になりますので専門医を受診します。

エアコンなどの冷気刺激だけでアレルギー症状が出てしまう場合には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)が有効です。
こういった冷えが強い人は、体質のベースにある冷えがさまざまな不調の引き金になっているケースが多いのです。当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、末梢血管を拡張する働きがあり、温める作用が強い漢方薬です。

冷えが改善されると鼻炎症状も軽減し、全身状態も改善されていきます。胃腸虚弱な人は脾の状態を改善すると、アレルギー症状が緩和します。
腸が弱い人は、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、胃が弱い人は、六君子湯(りっくんしとう)を服用します。

小児は小建中湯(しょうけんちゅうとう)で体質改善

中学生くらいまでのお子さんであれば、大人に比べて比較的薬効が出やすく、症状の軽減も体質改善も比較的楽にできます。早めに漢方治療をおこなったほうがいいでしょう。
胃腸の弱いお子さんであれば、小建中湯(しょうけんちゅうとう)黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)が有効です。お腹が弱いと栄養吸収が正常にできずに成長も遅れる場合があります。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)と黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)は、胃腸を丈夫にする働きのある漢方薬です。

小学校高学年~中学生くらいまでのお子さんの慢性化してしまったアレルギー症状には、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を試すといいでしょう。

漢方薬による体質改善もとても大切ですが、くしゃみ、鼻水、などのアレルギー症状は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンとなる物質が体内に入らなければ、症状はでません。花粉が飛ぶ時期には、マスクをしたり、外出を控える、こまめに清掃するなども忘れてはなりません。

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