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アトピー性皮膚炎

重症であれば黄連解毒湯(おうれんげどくとう)で抑える

小さなお子さんのアトピーで悩んでいるお母さん達も非常に増えています。調査によれば、乳幼児の3人に1人が、3歳までにごく軽症のものを含めたアトピーを経験するといいます。
近年では、成人になって突然発症したり、就職後に再発するなど大人のアトピーも増加しています。

根拠のない治療情報も氾濫してしまっているのが現状です。安易に「治る」という情報に飛びつくのはやめたほうがいいでしょう。

アトピー性皮膚炎の漢方治療は、対処療法と体質改善の2本立てで行うのが効果をもたらします。かゆみ、ジクジク、痛みなどのひどい時期には、症状を抑えることを優先した対処療法寄りの漢方薬を使用。症状が落ち着いてきたら体質改善の薬を優先的に使用し、アトピー体質を根本的に改善します。

対処療法では、2~3歳までの乳幼児で、顔から頭にかけて赤みの強い湿疹が出ている場合、は治頭瘡一方(ぢずそういっぽう)を用います。
患部がジクジクして真っ赤になっているときには、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を処方します主成分の石膏には、乾かして熱をとるという効能があり、早い人では、1~2日程度で症状がとれる場合もあります。
石膏は、胃腸が弱い人には、あまりよくないので、その場合には、服用量を減らすなどします。

じっとしていることも難しいほど、かゆみが強く、熱感もある場合には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を使います。
虫さされなどの症状に古来から用いられてきた漢方薬でかゆに対しての効果に優れています。

体質改善のための処方

体質改善や症状、性格や性癖など患者さんのあらゆる情報(証)を元に処方します。
胃腸が弱い幼児には、小建中湯(しょうけんちゅうとう)黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を用います。これらは、胃腸を改善する漢方薬ですが、気力の低下、腹痛などがみられる場合は、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、寝汗などがある場合には、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を用います。

学童期の子供であれば、免疫調整作用のある漢方薬で体質改善をはかります。薬物、食物アレルギーがある、化膿しやすいなどの体質であれば、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) を使用。扁桃腺も弱く、風邪をひくとまずは喉が痛くなる場合には、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)が効果的です。

年齢に関係なくイライラしがちな人は、抑肝散(よくかんさん) を用います。感情を抑制する薬ですので、すぐ怒る、短気、こめかみが痛い人などに適した処方です。

成人の場合は、血と気の乱れを整える

近年は、成人の方のアトピーも増加していますが、原因は未だに不明です。
東洋医学的に見ると、女性は、淤血(おけつ)、男性はストレスによる気虚が関係しているようです。淤血(おけつ)以外に血の乱れによる血虚という状態があります。
疲れやすい、肌が乾燥する、爪がもろい、髪の毛が抜ける、不眠…といった症状が血虚の徴候です。血虚の改善には、温清飲(うんせいいん)が効果的です。

気虚を改善したい場合には、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)が有効です。十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)は、心身疲労状態に効果があります。

アトピー性皮膚炎の症状は、悪化する時期とやや落ち着く時期とがあります。極端に重症な状態の時期は、かきむしって悪化させないためにもステロイド剤を使うほうがよいでしょう。ステロイド剤も節度を守って使用するのであれば、副作用も心配いりません。
少し落ち着いてきたら使用をやめ、肌にうるおいを与える尿素やワセリンに切り替えるといいでしょう。
その後に、漢方薬を使って体質改善するのが一番よい方法です。