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子宮内膜症・子宮筋腫

病気そのものについてより、生理に伴うつらい症状を当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) で緩和

子宮内膜症は、子宮内膜の組織やそれに似た組織が子宮腔内外の卵巣などの場所に増殖する病気です。20~40代の女性に多く見られますが、最近は特に低年齢化しています。
症状としては

  • 強い生理痛
  • 過多月経などの月経困難症
  • 不正出血
  • 性交痛

などがあり、これらは不妊の原因にもなります。特に年々生理痛がひどくなるようだと子宮内膜症が疑われます。排卵や生理があるということが子宮内膜症になるおおもとの原因ですが、以前にくらべ子宮内膜症の人が増えている理由として、一般に結婚する時期が遅くなってきたことが挙げられます。

昔の人は18~19才で結婚して、その後7人も8人も出産していて、妊娠中や授乳中は生理はないわけですから、今の女性に比べると生理の回数が少なかったのです。
ところが、現代では初潮が11才くらいと低年齢化している上に、晩婚でおまけに出産する子供の数も1人~2人くらいです。つまり、昔の人に比べて生理の回数が多いわけで、それが大きな原因となっているのです。
言い方をかえれば、昔の人は子宮内膜症になっている暇がなかったといえます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) は子宮内膜症そのものの改善にも

西洋医学の一般的な治療方法としては、女性ホルモンの分泌を抑制し、一時的に生理を止めるホルモン療法を行います。しかし、副作用などもあり、長期的に使用するのはあまりオススメできません。
また、症状がひどい場合には手術をすることもありますが、将来、妊娠を希望する場合には子宮や卵巣は残さなければなりません。こういったことからも根治療法が難しくなっているのが現状ではあります。

子宮内膜症は西洋医学的な治療を第一選択としますが、生理痛や過多月経などの月経困難症の症状の改善には、漢方を使用します。これらの症状は漢方医学的みると『瘀血』(おけつ)によるものです。
瘀血(おけつ)とは血が滞っている状態ですが、極端な場合には、腹腔鏡でみることができます。
瘀血(おけつ)を診断するには、

  • 下腹に圧痛点がある
  • 舌が紫色
  • 唇が紫色
  • 舌の静脈が怒張

などである程度までは診断できます。
投薬は、年齢によっても変えていきます。10代~20代の若い人の場合には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、30代~40代ぐらいで中間証の人には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 温清飲(うんせいいん)を、実証の人には、冷えや腹部の痛みが強い場合によく用いるもので桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は症状を軽減させるばかりでなく、子宮内膜症そのものの改善にも効果があります。中高年の女性に多いのぼせや発汗、不定愁訴、また下腹部が強く痛む場合には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)が効果的です。
子宮内膜症の人のおよそ50%以上が、これで症状が改善しています。
さらに、強い生理痛があるときには、30代以降の人でもこれらの駆瘀血(くおけつ)剤に加えて芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などを生理のはじまる4~5日前から飲み始め、生理の2日前ぐらいまで続けると効果が増します。

漢方では子宮筋腫はつらい症状をとることを目的に

子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の潰瘍で30才以上の女性4人に1人にあるといわれています。大きさやできる部位によって症状は異なりますが、過多月経、下腹腹痛、便秘、不妊などがあらわれます。子宮筋腫は、それそのものは良性のものですから、基本的にはつらい症状だけ抑えるようにします。閉経すれば症状がなくなるため、年齢によっても治療が違ってきます。

漢方薬は何年飲み続けても害になりませんが、20年以上も続けるのは大変ですから手術を考えるのもひとつの方法です。閉経が近い人は無理に手術をせずに漢方薬で症状をとるのがいいでしょう。
漢方でも根治療法はなかなか困難なので、症状を緩和させ、日常生活が送れるように処置します。