個人クラウド

複数のパソコンでデータやファイルを共有できる

パソコンが公私ともに欠かせないツールとなり会社での仕事はもちろん、自宅に帰宅してからもパソコンやスマホンを操作している時間が長くなっています。

多くの人が使用用途別に複数のパソコンを所有しています。しかしそうなると悩ましいのが、それぞれのパソコンの設定やメールがバラバラになってしまうこと。

パソコンごとに用途を分ける方法もありますが、多くの場合は同じソフトを入れて同じように使いたいもの。

しかし、データファイルはファイルを作成したパソコンのハードディスク内にしか保存されません。同じデータを扱いたいのであれば、外付けのHDDやUSBメモリにファイルを保存して、必要に応じて別のパソコンに移動します。 しかし、この方法には3つの問題点があります。
1つ目は、HDDもUS Bメモリも小型化が進んでいるので「紛失」の危険性があること。

2つ目は、「ファイルのコピーを忘れる」可能性があること。仕事の資料を外出先で見ようとしたらUSBメモリに入っていなかった、ではすまされません。

3つ目は、どのファイルが最新版なのか管理しなければならないことです。

自宅のpcに会社の最新版のデータを移動しようとしたら自宅のデータが最新版でせっかくのデータを古いデータで上書きしてしまった経験がある人も多いはずです。

これらの問題を同時に解決するのが、「個人クラウド」の活用です。クラウドというと企業向けのイメージがありますが、決してそのようなことはありません。たとえば、マイクロソフトの「オフィスウェブアップス」や「スカイドライブ」、グーグルの「Gmail」や「グーグルドックス」などは、個人で利用できるクラウドサービスです。

クラウドサービスの強みは、インターネットにつながれば保存したファイルをどこからでも参照できること。サービスを利用するための「ユーザーID」と「パスワード」を覚えておけば、自宅のパソコンから保存したファイルを、外出先でも開けます。 メールも同様に、プロバイダーのメールアドレスに届くメールは、特定のパソコンで読み書きするのが普通ですが、メールのクラウドサービスを使えば、どのパソコンからでも読み書きができます。ウェブブラウザーのお気に入りや、ウェブブラウザーが記憶しているパスワードも、クラウドサービスで共有できます。

個人クラウドの種類と特徴

個人クラウドには、大きく分けて2つのタイプがあります。

1. オンラインストレージサービスを利用する個人クラウド

これは最も手軽に始められる方法です。

  • 特徴:
    • 手軽さ: 登録するだけですぐに利用を開始できます。
    • アクセス性: インターネット環境があれば、PC、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからでもアクセスできます。
    • 管理の手間が少ない: サービスの提供者がインフラの管理やメンテナンスを行うため、ユーザーはほとんど手間をかける必要がありません。
    • バックアップ: データはサービス提供者のデータセンターに保存されるため、災害などによるデータ損失のリスクが低い傾向にあります(ただし、サービス障害のリスクがゼロとは限りません)。
  • デメリット:
    • プライバシーとセキュリティ: データが第三者のサーバーに保存されるため、プライバシーやセキュリティに不安を感じる方もいらっしゃいます。
    • 費用: 無料プランには容量制限があり、大容量を使用するには月額または年額の費用がかかります。
    • サービス依存: サービスが終了したり、利用規約が変更されたりすると、影響を受ける可能性があります。

2. 自宅のデバイスを利用して構築する個人クラウド(プライベートクラウド)

これは、より高い自由度とセキュリティを求める方に向いている選択肢です。

  • 特徴:
    • 高いプライバシーとセキュリティ: データは自分の管理下にあるため、プライバシーやセキュリティの面で安心できます。
    • コスト効率: 初期費用はかかりますが、一度構築すればランニングコストを抑えることができます(ただし、電気代は発生します)。
    • カスタマイズ性: 自分のニーズに合わせて、ストレージ容量や機能を自由に拡張・設定できます。
    • インターネット接続不要な利用: ローカルネットワーク内であれば、インターネットに接続していなくてもデータにアクセスできます。
  • デメリット:
    • 構築と管理の手間: サーバーやNASの選定、設定、メンテナンス、トラブル対応など、ある程度のIT知識と手間が必要です。
    • 初期費用: NASデバイスやハードディスク、必要に応じてルーターなどの購入費用がかかります。
    • 安定性: インターネット回線の速度や自宅のネットワーク環境により、安定性が左右されます。
    • 外部からのアクセス設定: 自宅の外からアクセスするには、ルーターの設定(ポート開放など)が必要になる場合があり、セキュリティリスクも考慮する必要があります。

個人クラウドでできること

個人クラウドを構築することで、以下のようなことが可能になります。

  • ファイルの保存と共有: 写真、動画、ドキュメントなど、あらゆるファイルを保存し、複数のデバイスからアクセスしたり、家族や友人と共有したりできます。
  • データのバックアップ: パソコンやスマートフォンのデータを自動的にクラウドにバックアップし、万が一のデータ損失に備えることができます。
  • メディアサーバー: 保存した写真や動画、音楽などを、家中のデバイス(スマートテレビ、メディアプレイヤーなど)でストリーミング再生できます。
  • ウェブサイトのホスティング: 自宅サーバーを利用して、個人のウェブサイトやブログを公開することが可能です。
  • リモートアクセス: 外出先から自宅のファイルにアクセスしたり、監視カメラの映像を確認したりできます。

どちらの個人クラウドを選ぶべきか

どちらのタイプを選ぶかは、ニーズやITスキルによって異なります。

  • 手軽に利用したい、専門知識はあまりない: オンラインストレージサービスの利用をおすすめします。
  • データのプライバシーを重視したい、自分で設定・管理することに抵抗がない: 自宅でNASなどを活用してプライベートクラウドを構築することを検討する価値があります。

個人クラウドの導入を検討する際には、「何をしたいか」「どのくらいの容量が必要か」「予算はいくらか」などを具体的に考えることで、最適な選択肢が見つけやすくなるでしょう。

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