メール共有
1. 既存のメールサービスとオンラインストレージを組み合わせる方法
多くの人が使っているGmail、Outlook.comなどの無料メールサービスと、Google Drive、Dropbox、OneDriveなどのオンラインストレージを連携させるのが、最も手軽で一般的な方法です。
メリット:
手軽さ: 新しい設定や専門知識はほとんど必要ありません。
アクセス性: インターネットに繋がっていれば、どのデバイスからでもアクセスできます。
管理の楽さ: サービスの提供者がサーバー管理やセキュリティ対策を行うため、手間がかかりません。
バックアップ: データはプロバイダーによってバックアップされるため、データ損失のリスクが低い傾向にあります。
具体的な共有方法:
ファイルを共有する場合: メールでファイルを直接送るのではなく、オンラインストレージにファイルをアップロードし、その共有リンクをメールで送ります。こうすることで、大容量ファイルも簡単に共有でき、受け取った側もダウンロードせずにプレビューできることが多いです。また、共有リンクのアクセス権限(閲覧のみ、編集可能など)を設定できます。
メール自体を共有する場合: 特定のメールを共有したい場合は、メールクライアントの機能で「転送」したり、PDFとして保存してオンラインストレージにアップロードし、共有リンクを送る方法があります。
チームや家族でメールアドレスを共有する場合: 家族やプロジェクトチームで一つのメールアドレスを共有したい場合は、Gmailなどのサービスでエイリアス設定や共有受信トレイ機能(Google Workspaceなど有料サービスで提供されることが多い)を利用すると便利です。
デメリット:
プライバシーの懸念: データが第三者のサーバーに保存されるため、プライバシーに対する懸念を持つ人もいます。
容量制限と費用: 無料プランでは容量に制限があり、大量に利用する場合は追加費用がかかります。
2. 自分でメールサーバーを構築する方法(プライベートクラウド)
自宅のNAS(Network Attached Storage)や専用サーバーにメールサーバーソフトウェアを導入し、自分専用のメール環境を構築する方法です。
メリット:
高いプライバシーとセキュリティ: メールデータが自分の管理下にあるため、第三者に依存せず、高いプライバシーを確保できます。
完全なカスタマイズ性: メールの機能や容量、セキュリティ設定などを自由にカスタマイズできます。
長期的なコスト抑制: 初期費用はかかりますが、月額利用料は不要です。
デメリット:
専門知識と手間: サーバー構築、設定、セキュリティ対策、メンテナンスには専門的な知識と時間が必要です。初心者には非常にハードルが高いです。
安定性: 自宅のインターネット回線や電力供給に安定性が左右され、停電などでメールサービスが停止するリスクがあります。
外部からのアクセス設定: 外部からメールを送受信するには、ルーターの設定やドメイン名の取得、DNS設定など、複雑な作業が必要です。
スパム対策: スパムメールのブロックや、自分のサーバーがスパム送信元と誤認されないための対策も自分で行う必要があります。
どちらを選ぶべきか?
ほとんどの人にとって: 既存のメールサービスとオンラインストレージを組み合わせる方法が、手軽さ、コスト、管理の手間、安定性の面で最も現実的でおすすめです。特に、ファイル共有がメインであればオンラインストレージの共有リンク機能が非常に便利です。
よほどの専門知識と強いプライバシー志向を持つ方: 自宅でのメールサーバー構築も可能ですが、その複雑さと管理の手間から、一般的な個人利用にはあまり向きません。
メールの共有をしたい具体的な目的(ファイルを送りたいのか、過去のやり取りを見せたいのか、一つのメールアドレスを複数人で管理したいのかなど)を明確にすると、より最適な方法が見つかりやすくなります。
個人クラウドでメール共有を考える場合、主に二つのアプローチがあります。一つは既存のメールサービスとオンラインストレージを組み合わせて使う方法、もう一つは自分でメールサーバーを構築する方法です。
メール共有
IMAPとGmailの活用でどこでもメールの送受信ができる
ファイル共有の次に重要なのが、複数パソコンでのメールの共有です。一般的なメールのやり取りで多く用ポップいられているのはPOP」(Post Office Protool)という方式です。
POP は、メールサーバーに届いたメールをメールソフトでダウンロードするための仕組みです。ただ、POPでメールを受信すると、通常はサーバー上からメールは消去されます。もちろん、サーバーから消去されない設定も可能ですが、その場合はサーバーにメールがたまり続けるので、メールボックスが容量オーバーしないように管理する手間が発生します。
加えてPOP は、各パソコンのメールソフトでメールを管理することが前提なので、送信したメールが各パソコンにしか保存されません。
自分が送信したメールをあとから確認したいケースは少なくありませんが、POPを利用していると、メール送信に使ったパソコンでしか内容を確認できません。外出時に送信したパソコンがなければ確認できません。自宅でデスクトップパソコンなどを使用している場合には、外出先でメールを確認することができないということです。これは非常に不便です。
POPをやめて「IMAP」にする
そこでおすすめしたいのが「IMAP」(Internet Message Access Protool)という方式です。POPと異なりIMAP では、メールをすべてサーバー上で管理し、サーバーに保存されているメールをメールソフトで見に行くだけです。メールはすべてサーバー上にあるので、どのパソコンでもメールボックスの内容は同じに見えます。インターネットに接続できているPCがあればどんなパソコンでも閲覧可能です。
しかも、メールソフトで行った操作は、サーバー上のメールにも反映されます。たとえば、あるメールを読んで既読になると、別のパソコンで見ても既読と表示されます。さらに送信したメールもサーバー上に保存されるので、送信メールを別のパソコンでも惟認できます。 ただ、IMAPにも弱点はあります。それはプロバイダーが提供するメールサービスは、IMAPに対応していない場合が多いことです。ただしこれは、Googleが提供しているGmailを使うことで解決できます。
GmailはIMAP に対応しており、他のメールアカウントに送信されたメールを取り込む機能も備えています。そのため、自分が普段使っていみメールサービスで受け取ったメールをGmailに取り込み、IMAP方式でメールソフトからGメールを見に行けば、 普段使っているメールアドレスのままIMAP でメールが読み書きできます。このように、Gmailを利用することで複数台のパソコンでメールを使うときの悩みが解決できるのです。
メールはGmailに一本化
メールアカウントを取り込み、複数のメールを集約する方法です。今回はヤフーメールを例に手順紹介しますが、他のプロバイダーのメールアカウントでも操作は同じです。考え方としては、Gmailでプロバイダーのメールサーバーに「POP」でメールを取りに行き、そのGmailにパソコンから「IMAP」でつなぐというものです。
まずはGmailにメールを取り込む設定を行います。Gmailにログインしたら設定画面を開き、POP3 のメールアカウントを追加﹈ を選びます【続いてGGmail取り込みたいメールアドレスを入力して、ユーザー名やパスワード、POP サーバーのアドレスなどを入力します。POP サーバーのアドレスやポート番号は、今使っているメールソフトの「メールアカウント」の「受信メールサーバー」の情報を見ながら転記すれば、間違いありません。
なお設定画面の中でとくに注目したいのは「受信したメッセージにラベルを付ける」の部分です。ここにチェックを入れてラベルを付けておけば、あとで「どのアドレスで受信したメールなのか」がひと目でわかります。 ヤフーメールとプロバイダーのメールなど、複数のメールアカウントをGメールに集約するのであれば、必ず設定しましょう。
メール送信もGmailを使う
次は、Gmailからヤフーメールのサーバーを経由してメールを送信信) できるように設定します。こうすれば、ヤフーのアドレスで送信したメールの送信履歴がGmailの「送信済みメール」に残ります。なお、入力する「SMTPサーバー」は、参照したメールアカウント情報の「送信メールサーバー」の部分を転記します。この設定を終えると、ヤフーメールのアドレス宛に、「ヤフーのメールサーバーを経由したメール送信を許可するかどうか」の確認メールが届きます。メールに書かれている確認コードを入力すれば設定完了です。
設定が簡単なライブメール
次は、GmailルにメールソフトからIMAPで接続するための設定を行います。なお、Windows 7には標準でメールソフトがインストールされていないので、「ウインドウズライブメール」(以下、ライブメール)
もインストールします。
ライブメールは、Gmailのアカウント情報を入力するだけで、その他の設定を自動で行ってくれるため、とても楽です。
まずは、Gmailにログインします。そして設定画面の「メール転送とPOP/MAP」から、GmailヘのIMAP接続を有効にします。。次に「スタート」メニューからライブメールを起動します。初回起動時は「自分の電子メールアカウントを追加する」という画面が開きます。この画面にGmailアドレスとパスワードを入力します。ただ、このままで作業を終わらせてしまうとライブメールを起動するたびにIDとパスワードを入力するようになってしまいます。[パスワードを保存する]にチェックを付けておけば1回の入力ですみます。
他のメールソフトだと手動設定する
ライブメールではほとんどの設定が自動で行われますが、すべてのメールソフトがそうとは限りません。たとえば、WindowsXP に標準搭載されている「アウトルックエクスプレス」は、手動で設定を行う必要があります。基本は通常のメールアカウントの追加と同じ作業で、特別な設定は不要です。まずは同様にGmailヘのIMAP接続を有効にしておきましょう。
次に「スタートメニュー」からアウトルックエクスプレスを起動し、アカウントの設定画面を開きます。そして、アカウントの追加作業に入ります。アウトルックエクスプレスの場合、アカウントの追加はウイザード画面にしたがっていきます。ここで大切なことは、受信メールサーバーの種類に「IMAP」を選択することです。
また、IMAP接続を行う場合、受信メールサーバーに入力するアドレスがPOPと異なります。IMAP
の場合は、サーバーのアドレスにimap」という文字が含まれているので、確認しましましょう。
最後にセキュリティの設定
アカウントの追加が完了したら、今度はアカウントのプロパティ画面を開きます。そして、サーバーにアクセスする際は暗号化通信を行う設定と、メールを送信するときにアカウントの認証を行うように設定します。Gmailは暗号化通信とアカウントの設定をしないとメールの送受信ができないからです。最後にアウトルックエクスプレスのメイン画面を開き、Gmailのアカウントが追加され、正常にメールを受信できていることを確認しましょう。これでGmailのメールを送受信できるようになります。
Gmailの活用方法は