アロエの育て方

アロエを育てるのは難しくない

手をかければかけるほどいいアロエになる

アロエは、もともと非常に強い植物です。いろいろな植物を育てていて、たまたま何かの事情で水をやれないといった日が続くと、ほかの植物は枯れてしまいますが、アロエだけは生き残るというような話をよく耳にします。

こうしたことから、アロエは水や肥料がほとんどいらず、ほうっておいてもだいじょうぶと言われるようになったのだと思います。

確かに、アロエはかなりの悪条件でも生き残る力を持っている強い植物です。しかし、アロエも植物である以上は、水も肥料も太陽光線もほしいのです。それらが満たされない状態や非常に乏しい状態でも、アロエはほかの植物と違い、枯れることが少ないのですが、しかし、当然ですがそれでもほうっておくと枯れてしまいます。

枯れてしまわないまでも生長はしません。それでは育てる楽しさもありませんし、第一、健康のために利用しょうと思ってもできません。ですから、アロエにも適当な水や肥料を与え、太陽光線を当ててそれなりに手をかけると生長も早いので育て甲斐があります。

アロエを育てるポイント

日当たりのいい場所に置く

アロエは、もともとサボテンなどと同じく、乾燥して太陽光線の強い砂漠のような場所でも育つ植物ですから人工的に育てる場合も、太陽光線をたっぶり当ててやることが基本です。しかし、入手してすぐ太陽光線をいっぱいに当ててよいかどうかは、入手の時期とそれまでの状態を考慮しなければなりません。

天然もので、それまで1日中日の当たるところにおかれていたものなら、入手してすぐ1日中、日に当て続けてもかまいません。しかし、温室ものを真夏に買った場合は、最初のうちは、午前10時ごろまで日が当たるだけの場所、いわゆる半日陰におくことが必要です。温室育ちのアロエは、いわば都会育ちの人間と同じで、それまでは強い紫外線に当たっていないわけです。

ですから、急に強い紫外線にささらすと日の光が強すぎてしまいます。それを防ぐためには、日に当てる時間を徐々に延ばしていくことが必要です。10日~2週間後には、棄の色は黄ばんで、見た目には悪くなります。

しかし、これはアロエが太陽光線になじみ、強くなってきた証拠ですから、心配することはありません。

なお、真夏に植木屋、花屋から買った温室ものでも、入手するまで1ヶ月以上も店頭で日に当たっていたものなら、最初から1日中、日に当ててもだいじょうぶです。買うとき、それまでどんな状態におかれていたか、お店の人に尋ねてみましょう。

素焼きの鉢を使う

アロエを育てる際には出きれば、素焼きの大きな鉢が最適です。素焼きのものは、プラスチック製のものや上薬をかけた瀬戸鉢に比べると、空気の流通がよいと同時に、鉢の表面から水が蒸発するので、中の植物のためには条件がよいのです。

しかし、アロエは強い植物なので、素焼きの鉢でなくてはならないということはありません。わぎわぎ素焼きの鉢を求める必要はなく、あればそれを使うという程度です。

素焼きの鉢 はこちら。

酸性用土は避ける

アロエを直接地面に植えて育てる場合は、それほど気を追わなくてもいいのですが、鉢植えの土は、自然の状態にある土と比べると注意しなければならない点がいくつかあります。、土の性質に応じて、適宜工夫しなくてはなりません。育てる植物鉢植え用土の標準的なものとして、次の3つがあげられます。

  1. 培養土50% ピートモス 25% 砂 25%
  2. 腐葉土70% ピートモス 15% 砂 15%
  3. 培養土75% ピートモスか腐葉土 25%

1 は水分を少なめにしたほうがよく育つ植物のためのもの、2 は一般的なもの、3 はベゴニアなど水分、養分とも多くなくては育たない植物のためのものです。

アロエを育てるには、1か2の用土が通しています。2 を用いる場合には、腐葉土を50%くらいに減らし、そのかわりに鹿沼土や赤玉土を加えるようにします。

さて、土の酸性が強くなってくると、植物は養分を吸収しにくくなるため、生育が悪くなってきます。さらに強酸性の土だと、枯れてしまうこともあります。土中の有機分が水にとけると酸性になりやすく、鉢植えの場合は酸性になるのが早くなります。このため、ときどき植えかえてやらなければならないのです。

用土の中に石灰や貝殻粉を少量まぜると、土が酸性に傾くのを遅らせることができます。貝殻粉は小鳥屋で、石灰は植木屋、花屋で売っていますので、求めてきて土の中に少量まぜ込むようにします。

貝殻粉の場合はそのまま土の中にまぜ込みますが、石灰の場合は、水にとかしてから土にかけるようにします。なお、石灰については、水にとかさず、直接土に施す方法もあります。すなわち、鉢の中の、茎から離れた部分4カ所ほどに、石灰をそのままおきます。こうすると毎日水をやるたびに、少しずつ石灰がとけ出してしみ込みますから、効果としては水にとかして施した場合と同じになるわけです。

また、石灰をわざわざ買わなくても、どこの家庭にもある廃物の利用で、酸性土壌を中和することができます。それは、お菓子やのりのカンに入っている乾燥剤を利用する方法です。乾燥剤には石灰が利用されているので、5分の1程度(約1g) を1.8Lの水にとかし、これをかけてやるとよいのです。そのほか、食事に使ったハマグリの貝殻をそのまま、土の流れ止めとして鉢の中に入れる方法、さらには煉炭(もみガラを蒸し焼きにしたもの) を土の中にまぜ込むという方法もあります。

水やりは量に注意

アロエの水やりは、冬場は5~6日に1回、春と秋は4~5日に一1回、夏場は毎日とされています。

確かにこれが水やりの基本で間違いないのですが、それをうのみにして、アロエのおかれている条件を無視して行うと大変です。

たとえば、春や秋でも、いつも日の当たるよいところにおいているアロエには、もっと頻繁に、毎日やってもかまわないのです。

一方、夏場であっても、何日も雨の日が続いている場合は毎日やる必要はないし、反対にカンカン照りの乾燥した日が続いている場合は、1日2回でもやらなくてはならないことがあります。要は、土の状態を見ながら、水やりをすることです。手でさわってみて、十分に湿っているようなら、水やりの回数を減らすか、水の量を減らします。

土がパサパサしている感じであれば、水をもっとふやさなければなりません。土が心もちしっとりとした感じであれば、水の量がちょうどよい状態です。

以上は、鉢で育てる場合も露地の場合も同じです。露地の場合は土自体に水の調節力があるので、多少やりすぎても、足りなくても心配ありませんが、鉢の場合は、水の量に気をくばる必要があります。

肥料を使いすぎると根腐れを起こす

肥料を与える時期

アロエの場合、肥料を全然やらないことよりやりすぎのほうがNGです。アロエは強い植物ですから、肥料をやらなくても、多少生長が遅くなるだけで、伸び ることは伸びます。しかし肥料をやりすぎると、根腐れを起こして枯らすことになってしま います。もちろん、肥料をやるのと、全然やらないのとでは、生長率が追ってくることは言 うまでもありません。

たいせつなのは、適切な肥料を、適切な時期に、適当な量だけ施すということです。

まず、肥料を施す時期ですが、植えかえて間もないうちは、肥料をやる必要はありません。 用土の中に必要なだけの有機質の腐植が含まれているはずなので、そのうえ肥料を施すと、 やりすぎということになる場合が多いのです。

生長期を過ぎて、秋口の9月~10月ごろになりますと、用土中の栄養分がなくなってくる ので、適当に肥料を施すことが必要になってきます。この場合も、肥料のやりすぎにはくれぐれも注意してください。 施す肥料は、市販の発酵油カスとか乾燥鶏糞が適当ですが、乾燥鶏糞はリン酸分がかなり濃厚なのでやめてください。

肥料を与える量
鉢の大きさによって違いますが、だいたい小指の先ぐらいのものを2~3個、鉢の端の土の中に埋め込んでおきます。こうすると、水やりのたびに、養分が土中にとけ出すわけです。もっと簡単な方法として、お茶ガラを鉢の中側にグルリとおいておくやり方があります。

鉢のおかれている状況にもよりますが、数ヶ月たつと腐植して栄養分となります。これは効きめがゆるやかで、十分な栄養分を含んだ肥料です。

なお、腐ってきたとき、虫のわくことがありますが、その場合は、鉢植え用の殺虫剤を使ってください。しかし、なんといってもアロエにとって最もよいのは、台所の生ゴミを使って自分でつ〈った肥料です。「うちでは化学肥料を十分やっているので、腐植肥料などを加える必要はない」と言う人がよくいます。しかし、化学肥料は一時的には効いたように見えますが、これを与え続けていると、やがて土が自ら植物を育てる力を失ってきます。すなわち、土中から有機分がなくなり、土がただの鉱物質の集まりという状態になってしまうのです。

こういう土で育ったアロエは、病気になりやすく、寒さにも弱いし、人体に有用な成分の含有度も低くなってくるのです。

自家製肥料のつくり方
粉石けんのカンとか乳児用ミルクのカンなど、ピッチリふたの閉められる器を用意します。ふたがピッチリ閉まるものであれば、ポリバケツでもかまいません。器の大ききは、必要とする肥料の量によって違ってきます。アロエをいっぱい育てていて、大量の肥料を必要とする場合は、大きい器のほうがいいでしょう。

これらの器の底の部分を切りとります。この場合、底のまわりに嫁が3~4cmつくようにして切りとれば、鉢の受け皿として利用できます。さて、底を切り除いた本体は、適当な場所に穴を掘り、切りとった底のほうを下にして、即スッポリ埋め込みます。この中に、毎日台所から出る生ゴミをためていきます。生ゴミは、野菜の切りクズ、卵の殻、魚の骨、お茶ガラなどなんでもかまいません。もちろん、ビニールなどは避けなくてはなりません。生ゴミは、腐ってくるにつれて臭気を発しますが、ふたをピッタリ閉めておけば、外にいやなにおいが漏れることはないし、ハエも入りません。

生ゴミがいっぱいになったら、容器をスッポリ抜きとります。そうすると、穴の中には生ゴミだけが残りますから、その上から土をかけておきます。1~2ヶ月ほどすると、すっかり腐ってすばらしい腐植肥料ができます。そのあいだ、庭の別の場所に穴を掘り、同じように生ゴミをためれば、いくらでも養分たっぶりの有機質肥料ができます。

庭がない場合

団地住まいなどで庭がない場合は、どうしたらよいのでしょうか。まず、直径30cm程度の菌栽培用の鉢を望思し、底に厚さ10~15cm程度の度乾いた土を入れます。この上に前と同じように生ゴミをためていくわけですが、ゴミの水がしみ出てくる場合があるので下には受け皿をおいてください。生ゴミが十分たまるまでの間、いやなにおいが生じたり、ハエがたかったりするおそれがあるので、何か適当なふたを用意してください。ふたをしてもなおにおいが漏れるような場合には、上から薄く土をかけておけば、土が吸収するため、においは薄くなります。

生ゴミが鉢に8分目程度たまったら、上から厚さ2cm程度に土をかぶせ、1ヶ月程度放置します。そうすると、ゴミの部分が腐り、圧縮されてすばらしい肥料となります。

上下に入れた土も、養分を吸収して、黒っぼい腐植土になるはずですから、アロエに施す際は、いっしょにやってください。あるいは、土の部分だけとっておいて、春の植えかえの時期に利用するのもよいでしょう。以上のようにしてつくった肥料は、鉢の土の表面に薄くまいておきます。

そうすると水やりのたびに土の中に養分がしみ込んでいきます。

自家製肥料づくりはめんどうなようですが、台所の生ゴミを利用するということで、一種の廃物利用になるし、わずかながら自治体の清掃業務の軽減につながるし、もちろんアロエの生長のためには最高というわけで、一石三鳥の価値があります。

アロエを育てるうえでは、市販の肥料を買ってきたほうが楽なことは確かですが、やはりある程度は自分の手をかけたほうが、育てたという満足感を味わえると思います。

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