アロエの越冬法
アロエを育てる上で大事な冬を乗り越える栽培方法について
冬はどうやって越す
温度差をできるだけなくし、アロエへのストレスがない環境を
アロエの栽培で最も注意を要するのは、越冬法です。アロエは、原産地が熱帯であるだけに、うまく越冬させないと、枯らしてしまうことになります。
ただ、アロエは、一般に思われているより寒さには強く、マイナス2度くらいまでなら耐えることができます。
アロエの大敵は、寒さ自体よりも、むしろ寒暖の温度差です。もちろん、零下の気温が続く寒い場所に放置しておくと枯れてしまいますが、「このくらいあたたかければだいじょうぶ」だと思うような場所でも、夜、急に温度が下がるところだと、枯れる心配があります。ですから、室内で越冬させる場合には、できるだけ温度差の少ない場所におくことがたいせつです。たとえば、1中日の当たる窓ぎわとか玄関などが適当で、ストーブのそばなどは禁物です。
玄関におく場合、たればなおよいのですが、当たらなくても心配ありません。春先朋に外に出す際には、急に長時間日にさらすことを避け、徐々に太陽光線になじませるようにすることが大事です。
冬期の水やりにも注意してください。冬期には、アロエは生長しないので、水はほとんど不要です。やりすぎて土がビンョビンョになった状態が続きますと、根腐れの原因となります。
5~6日から1週間に1回程度、晴れた日の朝にやるのが原則ですが、1週間たっても土に多少湿りけがあるようなら、もっと時間をあけるようにしてください。
露地植えは、関東以北ではまず無理です。関東の南部から南の地域では、日当たりがよいなどの条件に恵まれていれば、露地植えのままの越冬はそうむずかしいことではありません。ただ、そういう地域でも、北側に風よけをすることが必要です。
いちばん簡単な乾燥越冬法
最も簡単な越冬法は、乾燥越冬法です。まず、冬に入る前に、挿し木の場合と同じようにしてアロエの根元を切り離し、そのままぁまり寒くならない家の中の温度差の少ないところに、逆さまにつるしておきます。寒い地城などでは、ビニール袋に入れてつるしておくと、安全です。アロエの切り口は乾燥し、葉先も赤くなって、一見枯れてしまったかのように見えますが、翌春になって挿し木と同じ方法で土に戻してやると、また根が出てきます。
この方法だと、根が出るまでに時間がかなりかかりますから、もうダメだと思って捨ててしまわないように注意してください。植えたあと、日に当てるわけですが、植えかえなどの場合以上に、慎重に太陽光線に慣らしていく必要があります。最初のうちは、せいぜい朝の8時ぐらいまで日に当てる程度がいいでしょう。そしてその時間をだんだんに延ばしていくようにしなくてはなりません。
ビニールハウスで越冬
アロエの越冬法のうち、最も理想的なのは、ビニールハウスや温室で越冬させるやり方です。庭先やバルコニーなどを利用して、冬場だけビニールハウスや温室をつくり、その中で冬を越させる方法は、最も安全な越冬法としておすすめできます。
ただ、ビニールハウスなどを利用する場合、特に注意しなければならないのは、日中、閉めきったままにして、日に当てないということです。閉めきったままだと、晴天の日などには、ビニールハウス内の室温は50~60にも達することがあります。夜には当然、外の気温とともに温度が下がるわけですから、昼夜の温度差が非常に大きくなってしまい、これが原因でアロエを枯らしてしまった人も少なくありません。
ですから、この方法で越冬させる場合は、昼間日の当たっているときは必ずふたや戸をあけ、夕方は早めに閉めるようにすることがたいせつです。そうしないと、アロエを枯らしてしまうばかりか、せっかく高いお金を出して買ったビニールハウスや温室がムダになってしまいます。こまめに世話をして、霜のおりないうちに準備を始めましょう。