データファイルは HDD に保存する
PCのストレージにSSDとHDDを併用し、データファイルをHDDに保存するメリットとデメリットについて
HDD の容量分気兼ねなく保存できる
SSD の増設によって、「高速な起動や動作」を手に入れることができました。体感速度だけでなく高速にWindowsが動くととにかく気持ちがいいものです。
しかし、このままの状態では、欲しいデータがHDD内にあり、データへのアクセスがよくありません。そんなときは、SSD の「マイドキュメント」フォルダーをHDDの「マイドキュメント」の場所へ移動します。この設定を行えば、SSDから起動しても、これまで利用していたHDD のマイドキュメントに直接アクセスが可能です。
さらに、データを保存する際にマイドキュメントを選ぶだけで、HDD に保存されるので、データ保フォルダとしての役割も果たせ便利です。7 とvistaの場合、スタートメニューから個人用フォルダーを開き、「マイドキュメント」を移動します。移動先はHDD のシステムドライブの「ユーザー」フォルダー内の「個人用フォルダー」にあるマイドキュメントを選択します。同様の手順で「マイピクチャ」や「マイミュージック」もHDD の同種のフォルダーを選択して移動すればいいでしょう。XPの場合は、マイドキュメントの移動だけでOKです。
データファイルをHDD領域に保存するメリット
- 大容量を安価に確保できる:
- HDDはSSDに比べて、ギガバイトあたりの単価が圧倒的に安いです。写真、動画、ゲーム、バックアップファイルなど、大容量のデータを大量に保存する場合、HDDを利用することでコストを大幅に抑えられます。
- 例えば、数TBといった大容量のストレージが必要な場合、SSDで同容量を揃えるのは非常に高価になります。
- SSDの寿命を延ばせる:
- SSDは書き込み回数に寿命があります(TLCやQLCなどのNANDフラッシュメモリの特性)。頻繁に書き換えが発生するデータ(ログファイル、一時ファイル、頻繁に更新されるドキュメントなど)をHDDに保存することで、SSDへの書き込み量を減らし、SSDの寿命を延ばすことができます。
- OSやアプリケーションは読み込みが主なので、SSDの特性を活かしつつ、寿命への影響を最小限に抑えられます。
- データ管理の明確化:
- OSやアプリケーションはSSD、データはHDDと役割を分けることで、どこに何を保存したかという管理がしやすくなります。
- 例えば、「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」などのユーザーフォルダの保存先をHDDに変更することで、意識せずともデータはHDDに保存されるよう設定できます。
- バックアップのしやすさ:
- データが特定のHDDに集中しているため、バックアップの対象が明確になり、管理がしやすくなります。
データファイルをHDD領域に保存するデメリット
- データアクセス速度の限界:
- データファイルがHDDにある限り、そのデータへのアクセス速度はHDDの性能(読み書き速度)に依存します。
- 例えば、HDD上の大容量の動画ファイルを編集する際や、巨大なゲームのロード時間など、データへの頻繁なアクセスや大量の読み込みが必要な作業では、SSDに比べて速度が遅く感じられることがあります。
- 特に、ランダムアクセス性能がSSDと比較して格段に劣るため、小さなファイルを大量に扱う作業(プログラミングのコンパイル、多数の画像ファイルのサムネイル生成など)では顕著な差が出ます。
- 物理的な駆動音と振動:
- HDDは内部にプラッタとヘッドが物理的に動作するため、アクセス時に「カリカリ」といった音や振動が発生します。SSDのみのPCに比べると、静音性が劣ります。
- 耐衝撃性の低さ(特にノートPC):
- HDDは物理的な駆動部分があるため、動作中に衝撃が加わるとデータが破損するリスクがあります。ノートPCで持ち運びが多い場合、このリスクは無視できません。
- PC全体のボトルネックになる可能性:
- OSやアプリケーションはSSDで高速化されても、頻繁にアクセスするデータがHDDにある場合、そのデータの読み書きがPC全体の処理速度のボトルネックとなることがあります。