膀胱炎の漢方 五淋散 猪苓湯 違い を徹底比較選び方と症状別の使い分け

五淋散 猪苓湯 違い
五淋散 猪苓湯 違い

膀胱炎の症状に用いられる漢方薬である五淋散(ごりんさん)と猪苓湯(ちょれいとう)は、それぞれ異なる特徴と適応する症状があります。

主な違いと使い分けを以下にまとめます。五淋散と猪苓湯は、どちらも頻尿や排尿痛などの泌尿器系のトラブルに使われる漢方薬ですが、主に以下のような違いがあります。

五淋散 猪苓湯 違い

膀胱炎は、頻尿や排尿時の痛み、残尿感など不快な症状を伴う、特に女性にとって身近な病気です。西洋薬による治療が一般的ですが、再発予防や症状の緩和には漢方薬が用いられることも多く、中でも「五淋散(ごりんさん)」と「猪苓湯(ちょれいとう)」は代表的な処方です。

しかし、「どちらを選べば良いのか」「自分の症状にはどちらが適しているのか」と迷う方も少なくありません。

本記事では、膀胱炎に用いられる二大漢方薬、五淋散と猪苓湯について、それぞれの作用の違い、適応する症状、体質を徹底的に比較し、あなたの症状に合わせた適切な選び方と使い分けを分かりやすく解説します。

漢方薬 特徴・適した症状
五淋散 ・比較的体力中等度の方に用いられる。・排尿時の痛み(特に軽度~中程度)や残尿感、頻尿など、泌尿器の炎症による症状に広く使われる。・湿熱(しつねつ)(体内の余分な水分と熱がこもった状態)を取り除く作用がある。
猪苓湯 ・体力に関わらず服用できる。・尿の出が悪い、尿量が少ない、排尿時の不快感(痛み、残尿感、頻尿など)が中心で、尿がスムーズに出ない状態に適している。・利水(りすい)作用(体内の水分代謝を調節する作用)が主で、体内の余分な水分を尿として出すことを助ける。

症状別の使い分けの目安

  1. 排尿時の痛みが強い場合・炎症が主の場合
    • 五淋散:強い排尿痛や、炎症の熱感が強い場合に適しています。五淋散には、炎症を鎮める生薬が多く含まれています。
  2. 尿が出にくい・残尿感が主の場合
    • 猪苓湯:尿の出が悪い、尿量が少ない、スッキリしない感じが強い場合に、利尿作用で改善を図ります。
  3. 慢性化している・繰り返す場合
    • 猪苓湯:猪苓湯は排尿トラブルの漢方として広く用いられ、繰り返す膀胱炎や慢性的な症状に長期的に服用されることもあります。
    • 猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう):猪苓湯に、体力を補う四物湯を加えたもので、特に膀胱炎が長引き、体力の低下や貧血傾向がある場合に用いられます。

【重要】

漢方薬を選ぶ際は、症状だけでなく、体質(虚実・寒熱など)も考慮する必要があります。自己判断せずに、症状が続く場合や悪化する場合は、医療機関(泌尿器科や漢方を専門とする医師・薬剤師など)に相談し、適切な診断と処方を受けてください。また、急性膀胱炎の場合、漢方薬だけでは不十分で、抗生物質による治療が必要なこともあります。

泌尿器系の病気

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