腎炎 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する

腎炎 漢方薬 で改善 症状を軽減改善するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。腎臓が悪く、尿の出が悪いときには 越婢加朮湯 ( えっぴかじゅつとう ) 五苓散 ( ごれいさん ) 血尿、タンパク尿には 猪苓湯 ( ちょれいとう)を服用します。腎臓は体内の水分の質や量のバランスを整えている臓器で、腎臓の濾過(ろか)装置である糸球体という部分が感染によって炎症を起こす病気を腎炎といいます。
腎炎の種類には多くのものがありますが、最も一般的なものの1つは腎盂腎炎です。腎盂腎炎は、細菌やウイルスなどの感染が原因で起こります。その他の種類の腎炎には、自己免疫疾患に関連するものや、薬物や毒素によるものなどがあります。発病は細菌の感染によるもので、風邪や急性扁桃炎にかかってこれらが治る頃に腎炎の症状があらわれます。
腎炎 症状
腎炎の症状としては、まず、顔にむくみがでます。腎炎によるむくみの原因は、主に以下の2つが挙げられます。
- 腎臓機能の低下
- 尿蛋白の漏出
腎機能の低下については、腎炎は、腎臓の炎症によって腎臓機能が低下する病気です。この状態で、体内に余分な水分やナトリウムなどの塩分がたまってしまうことで、むくみが発生することがあります。
尿蛋白の漏出については、腎炎の症状として、尿蛋白が漏出することがあります。この状態では、尿中のたんぱく質が減少し、血液中のたんぱく質が増加することで、血液中の水分量が増加し、むくみが発生することがあります。
そのため、腎炎によるむくみを改善するためには、まずは腎臓の炎症を抑え、腎臓機能を回復させることが重要です。また、塩分や水分の制限、利尿剤の使用など、適切な治療を受けることで、むくみの改善が期待できます。ただし、個人差がありますので、医師の指示に従い適切な治療を行うことが大切です。
しかし、急性腎炎の場合はむくみが無いこともありますから、これだけでの判断はできません。
体がむくむというのは尿が出にくいために起こるものですから、尿量が少ないというのも特徴的な症状のひとつです。さらに、血圧が上昇したり、口の渇きがあらわれることもあります。そして、尿検査をすると、目には見えない血液やタンパク質が認められます。
急性腎炎では、発病してから一週間くらいは、絶対安静が必要です。急性腎炎が生命の危険にかかわるようなことはほぼありませんが、繰り返したり、早めに対応しておかないと慢性化してしまい、非常に治りにくくなるのです。また、血圧の上昇や尿量の減少から急性尿毒症が引き起こされると危ないので、専門医の治療を受けましょう。
腎臓の病気である腎炎はいくつかの種類があり、それぞれの症状も異なりますが、以下は一般的な腎炎の症状の例です
- 腰部痛:腎臓が炎症を起こすと、腰の下あたりに痛みが生じることがあります。
- 血尿:尿の中に血液が混じることがあります。
- 尿量の変化:尿の量が減ったり、増えたりすることがあります。
- 発熱:炎症がある場合は発熱が起こることがあります。
- むくみ:手足や顔などに水分がたまってむくむことがあります。
- 食欲不振:食欲が減退することがあります。
腎炎 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する
腎臓が悪く、尿の出が悪いときには 越婢加朮湯 ( えっぴかじゅつとう ) 五苓散 ( ごれいさん ) 血尿、タンパク尿には 猪苓湯 ( ちょれいとう)を服用します。
むくみと尿の出の悪さに対する漢方薬
腎炎によるむくみや尿量の減少は、体内の水分代謝の異常が原因であることが多い。以下の漢方薬は、この状態の改善を目指す。
- 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
- 構成生薬: 麻黄(まおう)、石膏(せっこう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、白朮(びゃくじゅつ)
- 特徴と作用: 体の熱を取り除き、発汗を促すことで余分な水分を体外に出す働きがある。また、白朮が加わることで、胃腸の働きを整え、体内の水分の巡りを改善する。特に、熱感やのどの渇きを伴うむくみ、尿量が少ない場合に用いられることが多い。腎炎の急性期で炎症による熱がこもり、むくみが生じている状態に適用されることがある。
- 五苓散(ごれいさん)
- 構成生薬: 沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)または蒼朮(そうじゅつ)、桂皮(けいひ)
- 特徴と作用: 体内の水分バランスを調整し、余分な水分を排出する利水作用が非常に強い。むくみ、尿量減少、口の渇き、めまい、下痢など、水分の偏りによって生じる症状に幅広く用いられる。腎炎によるむくみだけでなく、二日酔いや乗り物酔いなど、さまざまな「水毒(すいどく)」の状態に効果が期待できる。
血尿・タンパク尿に対する漢方薬
血尿やタンパク尿は、腎臓のフィルター機能に異常が生じていることを示す。これらに対する漢方薬は、腎臓の炎症を鎮めたり、機能をサポートしたりする目的で用いられる。
- 猪苓湯(ちょれいとう)
- 構成生薬: 猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、阿膠(あきょ)、滑石(かっせき)
- 特徴と作用: 強い利水作用を持ちながら、排尿時の痛みや血尿など、尿路の炎症を伴う症状に特に有効とされている。阿膠が配合されているため、炎症を鎮め、潤いを与える作用も期待できる。腎炎で尿路に炎症が起き、血尿が出ている場合に選択肢となる。
- 柴苓湯(さいれいとう)
- 構成生薬: 小柴胡湯(しょうさいことう)と五苓散(ごれいさん)を合わせた処方。柴胡(さいこ)、黄芩(おうごん)、半夏(はんげ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、人参(にんじん)、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)または蒼朮(そうじゅつ)、桂皮(けいひ)
- 特徴と作用: 小柴胡湯が持つ炎症を抑え、免疫を調整する作用と、五苓散が持つ体内の水分バランスを整え、むくみを改善する作用を兼ね備えている。そのため、炎症を伴う腎炎で、むくみや吐き気などの消化器症状も見られる場合に用いられることがある。自己免疫性の腎炎などにも検討される場合がある。
むくみがある、尿の出が悪いときには
- 越婢加朮湯 ( えっぴかじゅつとう ) 「越婢加朮湯」は、漢方薬の一つで、腎臓の機能改善や尿路感染症などに用いられることがありますが、腎炎の治療には一般的には漢方薬のみで治療することはできません。腎炎は、炎症を起こしている原因や進行の程度に応じて、適切な治療が必要です。むくみがあって、尿量の減少、のどや口の渇きがある、初期の症状に用います。
- 五苓散 ( ごれいさん ) 五苓散(ごりょうさん)は、漢方薬の一つで、腎臓や尿路の機能改善、むくみや下痢、胃腸の不快感などに用いられることがあります。五苓散は、体内の水分バランスを整え、体内の余分な水分を排出することによって、むくみや下痢、胃腸の不快感などを改善するとされています。また、腎臓や尿路の機能改善にも効果があります。のどの渇きがあり尿量が少なく、むくみなどの症状に用います。下痢や嘔吐などにも効果的です。
血尿、タンパク尿には
- 猪苓湯 ( ちょれいとう ) 猪苓湯(ちょりょうとう)は、漢方薬の一つで、腎臓や尿路の機能改善に用いられることがあります。猪苓湯は、尿の量を増やすことによって、体内に余分な水分を排出することができます。そのため、むくみや水分貯留による腎臓や尿路の不調に効果があります。また、尿路感染症の症状緩和にも使用されることがあります。尿意はあるけれど尿が出にくい、排尿痛や血尿があるときに用います。
- 柴苓湯 ( さいれいとう ) むくみがあり、吐き気や食欲不振、発熱などがあるときに効果的です。のどの渇きや、みぞおちから脇腹にかけての圧迫痛にも良いです。
腎臓が悪いときに注意したい生活習慣や食習慣
腎臓の機能が低下している場合の生活習慣と食習慣の見直し
腎臓の機能が低下している場合、日々の生活習慣や食習慣を見直すことは、病気の進行を抑え、全身の健康を維持するために非常に重要です。以下に注意すべき点をまとめました。
食習慣で気をつけたいこと
腎臓は体内の老廃物をろ過し、水分やミネラルのバランスを保つ重要な臓器です。機能が低下すると、これらの調整がうまくいかなくなるため、食事内容に特に注意が必要となります。
- 塩分制限:
- 塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度が高まり、それを排泄するために腎臓に大きな負担がかかります。また、高血圧を引き起こし、腎機能の低下を加速させる原因にもなります。
- 目標は1日6g未満とされている場合が多いです。
- 加工食品(インスタント食品、レトルト食品、ハム、ソーセージなど)や麺類の汁、漬物、佃煮は塩分が多いため注意が必要です。
- 減塩醤油やだしを上手に使い、香辛料やハーブで風味を補う工夫が有効です。割り醤油 作り方 減塩に大事な調味料
- タンパク質制限:
- タンパク質が体内で分解されると老廃物が生じ、腎臓に負担がかかります。腎機能の進行度合いによって制限の程度は異なりますが、過剰な摂取は避けるべきです。
- 年齢や体格、腎機能の状態に応じて医師や管理栄養士と相談し、適切な量を摂取することが大切です。
- 加工肉や赤身肉の摂りすぎは避け、植物性タンパク質(豆腐、納豆など)を適度に取り入れると良い場合があります。
リンク - カリウム制限:
- 腎機能が低下すると、カリウムの排出がうまくいかず、高カリウム血症を引き起こすリスクがあります。高カリウム血症は不整脈など命に関わる場合もあるため注意が必要です。
- 生野菜、果物、海藻類、芋類、豆類などに多く含まれています。
- 野菜は茹でこぼす、果物は缶詰のシロップ漬けを選ぶなどの工夫で、カリウム量を減らすことができます。
- リン制限:
- リンも腎機能が低下すると体内に蓄積しやすくなり、骨の病気や動脈硬化のリスクを高めます。
- 肉、魚、卵、乳製品、豆類、加工食品(特に食品添加物に含まれる無機リンは吸収率が高い)に多く含まれています。
- 加工食品や清涼飲料水は控えめにしましょう。
リンク - エネルギー(カロリー)摂取:
- 食事制限によってエネルギーが不足すると、体内のタンパク質が分解され、かえって腎臓に負担をかける老廃物が増えてしまいます。
- 適正なエネルギー量を確保し、低栄養状態にならないように注意が必要です。
生活習慣で気をつけたいこと
食事だけでなく、日々の生活習慣も腎臓の健康に大きく影響します。
- 適度な運動:
- 以前は安静が勧められることもありましたが、現在では適度な運動が腎機能の低下を抑え、進行を遅らせる効果があることがわかっています。
- ウォーキングなどの有酸素運動を中心に、無理のない範囲で継続することが大切です。
- 運動の強度や種類は、必ず医師に相談して決めましょう。
- 禁煙・節酒:
- 喫煙は慢性腎臓病の発症や進行のリスクを高めます。禁煙は腎臓病予防・悪化防止の第一歩です。
- 過度な飲酒も腎臓に負担をかける可能性があるため、適量を心がけ、休肝日を設けましょう。
- 体重管理:
- 肥満は高血圧や糖尿病のリスクを高め、これらは腎臓病の主要な原因となります。適正体重を維持することが大切です。
- 血圧・血糖・脂質の管理:
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症は「腎臓の三大合併症」とも呼ばれ、腎機能悪化の大きな要因となります。これらを適切にコントロールすることが不可欠です。
- 適切な水分摂取:
- 腎臓病の進行度合いによって、適切な水分量は大きく異なります。
- 透析治療を受けている場合は厳格な水分制限が必要ですが、保存期腎臓病の段階では、過度な水分制限が逆効果となることもあります。
- 脱水は腎機能に悪影響を与えるため、医師の指示に従い、適切な水分量を摂取することが大切です。
- 喉が渇いたときに少しずつ飲むといった工夫も有効です。
- 十分な睡眠とストレス管理:
- 睡眠不足や過度のストレスは、血圧や血糖値の上昇を招き、結果として腎臓に負担をかける可能性があります。
- 十分な睡眠をとり、趣味やリラックスできる時間を見つけるなど、ストレスを軽減する工夫が必要です。
- 薬の服用:
- 医師から処方された薬は、指示通りに正しく服用することが極めて重要です。
- 自己判断で服用を中止したり、量を変更したりしてはいけません。
- サプリメントや市販薬も、腎臓に影響を与えるものがあるため、使用前に必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
腎臓病の食事療法や生活習慣の改善は、一人ひとりの病状や腎機能の段階によって細かく調整する必要があります。必ず主治医や管理栄養士と密に連携を取りながら、自分に合った計画を立て、継続的に実践していくことが最も大切です。