穀物を食べる体の仕組みになっていない
糖質は万病のもと
イギリスで出版されている書物に「ヒューマン・ニュートリション」という栄養学の専門書があります。この本は信頼できる書物ですが、そこに次のような意味の記述が見られます。「現代の食事は糖窯を大量に摂取するスタイルになっている。こうした食事内容は、血糖およびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病・冠状動脈疾患・がん・老化など多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている」。その理由として、同書は「人類は農業の発明以来、穀物をベースとした食生活を送るようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、人類の消化器官はまだ穀物ベースの食物に適応していない」ことを挙げています。
今までふれてきたように、人間のからだは糖質の大量摂取に対応していないため、そのような事態が続くとさまざまな害をこうむるのです。ストレートにいってしまえば「過剰の糖質lま万病のもと」ということです。糖質が主食だと思い込んで毎日毎日食べ続けるうちに、病気へと近づいているということです。
なぜ、過剰糖質がからだによくないのか? まず、糖質をとると一時的に高血糖になるため、「インスリン」というホルモンが分泌されます。それによって血糖は筋肉細胞にとり込まれてエネルギー源になったあとグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)として蓄えられるのですが、その量には限界があります。余った血糖はどうなるのでしょうか?インスリンによって脂肪に変えられるのです。この脂肪がたまった状態が、「太る」ということですね。インスリンは食橿が少なかった時代に、飢餓に備えて脂肪をため込むための必須アイテムでした。ところが現代人にとっては「肥満ホルモン」ともいうべき存在になっています。
また、高血糖がくり返されると血管も傷つけられます。長期的に見ると血管が弱って、動脈硬化などを引き起こすのです。つまり、糖質が体内に入ると肥満や動脈硬化を招くことになります。これだけで糖質オフの重要性を感じるには十分です。