うつ病

私たち人間は誰でも憂鬱(ゆううつ)になることがありますが、それが病的に激しくなってしまうのが「うつ病」です。

うつの状態になると、特に原因もないのに物事に対してのやる気がなくなり、気分が落ち込み、何をしても楽しめなくて次第にいきいきとした感じがなくなってしまいます。食欲もわかないようになり、やがては劣等感や絶望感におそわれるようになります。そこに、不安や不眠、便秘などの症状も加わって、1日中ぼんやり過ごすことも多くなったりします。さらにひどくなると、極端に虚無的な感情に支配されてしまい、真剣に自殺を考えるようになります。

脳の機能に障害が起きていることから、さまざまな事を否定的に考えるようになり、自分はダメな人間なんだと思ってしまうのです。

うつ病になりやすいのは、融通がきかないほど真面目過ぎで律儀で、少しのことも妥協できないようなタイプの人ですが、一方では、優しく温和で他人とのつき合いも良いという社交的な面があります。また、遺伝的な素質も関係しています。

厚生労働省がおこなっている調査では、日本ではうつ病を含む気分障害のある人が、近年急速に増えているといいます。特に中年の社会人にうつ病にかかる人が増えていて、自殺の大きな原因にもなっているようです。

朝の目覚めが悪くて午前中は何もやる気になれないけれど、午後になると調子が良くなって、夕方から夜になるとすごく元気になる、というような人は、うつ病の初期と考えられます。

漢方薬でうつ病の症状を改善する

神経症の場合、心に何か痛みとなる原因がありますが、真性のうつ病でははっきりとした原因がわかりません。漢方では症状をみるので、この2つを区別して考えません。次のような処方が考えられます。

  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
    神経質で生真面目な人で、神経症や不安感、不眠症に使用します。胸部の圧迫感、動悸、めまい、のどが詰まったような感じがして声が出にくいなどの症状を伴うときに向いています。
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
    せっかちで気分の変動が多い人で、イライラや頭痛、便秘気味、不眠、肩こり、冷え症、更年期障害などのある女性に多く処方される漢方薬です。
  • 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
    体格がよくて体力のある人に向いています。みぞおちの辺りの張りを伴う様々な精神神経症状、精神不安、不眠、高血圧、のぼせ、イライラ、動悸などがある人に使用します。

貧血

貧血とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンが不足することで起きる症状です。貧血は、特定の栄養素が不足することで症状が出る場合や、なんらかの病気が原因となって症状が出る場合があります。貧血になると疲労や動悸、息切れ、頭痛、目まい、粘膜からの出血などの症状があらわれます。しかし、原因によっては緩やかに進行するものもあるので自覚症状がわかりにくいことがあります。

ヘモグロビンは、赤血球の中にある成分のひとつで、鉄分が主要な成分です。このヘモグロビンには全身に酸素を運ぶ大切な働きがあるのですが、なんらかの病気によってこれが減ることで、細胞に行き渡る酸素が減ってしまい、目まいや動悸、息切れなどが症状としてあらわれるといわれています。

貧血にはいくつかの種類がありますが、その中でも多いのは、ヘモグロビンの重要な材料のひとつである鉄分が不足することによる、鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血は体内の鉄分が不足することで起こるので、生理や出産時の出血、妊娠・授乳期に増える鉄の必要量などがあるため、女性に多く見られます。また、ダイエットをおこなって栄養バランスが乱れることもあり、女性には、成長期から更年期まで貧血になりやすい条件が揃っているのです。

そのほか、血液をつくる過程に不具合をきたす再生不良性貧血や、血液を過剰に壊してしまう溶血性貧血などがあります。さらに、癌や肝硬変などほかの病気の影響で貧血になってしまう二次性貧血もあります。

私たちの血液は骨髄(こつずい)でつくられますが、骨髄に存在し血液のもととなる細胞が減少することによって、再生不良性貧血が起こります。赤血球や白血球、血小板も減少するため、免疫力が低下したり、出血しやすくなったり、出血した血液が固まりにくくなります。この再生不良性貧血は100万人に数人がかかるというまれな病気で、国の難病に指定されています。

溶血性貧血というのは、血液を生成する赤血球の膜が通常よりも早く壊れ、ヘモグロビンが流れ出てしまうことが原因で起こります。赤血球にも寿命があるのですが、それが通常の10分の1程度に短くなってしまうのです。特徴として、一般的な貧血の症状のほかに、黄疸がみられます。これは、「ビリルビン」という黄色い色素の増加による影響です。

漢方薬で貧血を改善する

動悸(どうき)

動悸(どうき)とは、心臓の拍動を自覚すること、あるいは心臓の拍動を強く意識することをいいます。動悸は心悸亢進ともいわれます。緊張したり激しい運動をしたわけでもないのに動悸が頻繁に起こったり長く続いたりすると、不安な気持ちも強くなります。

心臓は全身へ血液を送り出すポンプの役割をしていて、健康な成人の心臓では、普通1分間に60~80回ほどの拍動があります。この拍動が首や手首などの動脈に伝わって、脈拍として感じられます。普段は心臓の拍動は気にならないものですが、おもに循環器系の病気があったり、体の状態によってもドキドキと自覚することがあります。

動悸には、狭心症や心臓弁膜症、不整脈などの心臓疾患によるものと、自律神経や貧血など心臓疾患以外が原因のものがあります。心臓疾患以外の原因で起こる動悸は、20代~50代くらいの人でみられ、女性だと更年期や妊娠中に多くて、ホルモンの分泌や鉄分不足なども関係しているようです。

お茶やコーヒーに含まれるカフェイン、アルコール類、たばこのニコチンなどには、自律神経を刺激して血圧を変化させ脈拍を速める作用があります。これらの摂取量が多過ぎると、胸の苦しさや不整脈、動悸を引き起こす可能性がありますから、カフェインやアルコールはほどほどに、たばこはやめましょう。

東洋医学では動悸の改善には、「気」を増やして全身をめぐらせ、「血」や「水」の流れを整えると良いと考えられています。

漢方薬で動悸を改善する

動悸というのはひとつの症状ですから、これを治していくには原因となる病気があるかを正しく判断する必要があります。専門医に相談したうえで、次のような漢方薬を試してみるとよいでしょう。

めまい

めまいは、いろいろな原因で起こります。立ちくらみ程度の軽いものから視界がグルグルと大きく回転してしまうものまで程度もさまざまです。例えば、低血圧気味の人や脳貧血を起こしやすい人はめまいが起きやすいですが、こうした軽いめまいでは病的な原因は少ないと考えられます。

めまいを大きく分けると、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまいがあり、さらに特に老人に多いめまいに分けることができます。

耳から生じるめまいでは、難聴や耳鳴り、耳がふさがった感じがめまいと同時に並行してあらわれます。内耳(ないじ)や前庭神経(ぜんていしんけい)などの障害によって起こるメニエール病などが考えられ、身体の平衡感覚をつかさどる三半規管(さんはんきかん)の機能が乱れるために起こるといわれています。メニエール病の発作は30分以上続いたり、一度おさまっても繰り返し起きたりします。そして、めまいがおさまっても難聴や耳鳴りが残ってしまう場合もあるので、早めに専門医を受診すると良いでしょう。

脳が原因で起こるめまいは、難聴や耳鳴り、耳がふさがった感じをともないませんが、脳の障害による特徴的な症状があらわれます。例えば、物が二重に見えたり、顔や手足がしびれる、力が入らない、手がふるえる、激しい頭痛がするなどがあります。脳の異常が原因でめまいが生じている場合は命の危険にかかわりますから、こうした症状のサインに注意しましょう。

高齢者のめまいに関しては、原因が多様とされていて、不明な部分が多いといわれています。めまいを訴える高齢者は、耳鼻科や神経内科を受診しても異常なしと診断されることが多く、それでも症状が改善しないことが多いようです。こちらも、脳の障害が原因なことも考えられますので、気をつけなければなりません。

何にしろめまいが起こったら、その場の安全を確認し、まずはできる限り安静にしましょう。目を閉じて、座ったり横になるなどして、転倒しないようにします。必要に応じて、病院へ行く、救急車を呼ぶことが大切です。

漢方薬でめまいを改善する

漢方薬一覧

症状別に使用する最適な漢方薬の一覧。それぞれ症状の改善方法のページを参照してください。

薏苡仁(よくいにん)

ヨクイニンは、ハトムギの種皮を取り除いた種子のことで、デンプン、タンパク質、脂肪油、ミネラルなどが豊富に含まれた栄養価の高いものです。古くから、イボ取りや肌荒れに効く生薬とされてきました。水分などの巡りを良くする働きによって代謝を促進させ、肌の生まれ変わりを正常にします。

漢方では、肌がふさがれ、水(すい)と熱が正常に排泄されないと肌トラブルが起こると考えます。肌がふさがれる原因には、ホコリなどによる汚れや不十分なメイク落とし、雑菌や毒素などがあります。

さらに、水(すい)や熱が同じ場所だけに留まり続けると、それが引き金となって体の中をめぐっている「血(けつ)」が滞ってしまいます。こうなると、肌に栄養分が行き渡らなくなって、さらにほかの肌トラブルも招くことになるのです。特に、シミは血(けつ)が滞ったサインだと考えられます。

ヨクイニンは、単味の漢方薬です。「ヨクイニンエキス」や「ヨクイニン顆粒」、または「ヨクイニン末」などとして販売されています。

また、漢方薬には「薏苡仁湯」(よくいにんとう)という処方もあります。こちらは、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂枝(ケイシ)、当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、薏苡仁(ヨクイニン)、蒼朮(ソウジュツ)の7種類の生薬で構成された漢方処方で、関節痛や筋肉痛に対し用いられます。同じ薏苡仁(よくいにん)でも、目的が違うので、購入する際には注意しましょう。

クラシエのヨクイニンエキス顆粒には、ヨクイニンエキスが含まれています。

効能・効果

皮膚のあれ、イボ

用法・用量

次の量を、1日に3回、食前または食間に、水または白湯で服用します。

  • 成人(15歳以上)・・・1回1包
  • 15歳未満7歳以上・・・1回2/3包
  • 7歳未満4歳以上・・・1回1/2包
  • 4歳未満2歳以上・・・1回1/3包
  • 2歳未満・・・服用しないこと

※ 2歳未満の幼児には服用させないでください。なお、小児に服用させる場合には、保護者の指導・監督のもとに服用させましょう。

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シミ・ソバカス

シミは、皮膚内で生成される「メラニン」という色素が色素沈着を起こしたものをいいます。紫外線によるダメージの蓄積や加齢などがおもな原因ですが、ニキビの跡が原因となることもあります。シミの中でも一般的に知られているのは、ホルモンのバランスが乱れることによって発生する肝斑(かんぱん)や、老化現象のひとつである老人性色素斑などです。

シミが加齢と共に多くできるようになるのに対し、ソバカスは小学校低学年くらいからできはじめ、思春期になると目立つようになりますが、シミとは逆に加齢とともに薄くなることもあります。シミよりも小さな斑点が、鼻のまわりや頬に出やすいのが特徴です。顔のほか、腕や背中などにも現れます。また、ソバカスは遺伝性のものが多く、紫外線を浴びることで濃くなる性質があります。

シミとソバカスの引き金となるのは、どちらもメラニン色素です。かゆみなどの症状はありませんが、体の調子によってシミや斑点の濃淡が変化することがあります。紫外線のほか、過労や睡眠不足、精神的ストレスなどによって濃くなるので、注意が必要です。

紫外線と肌への刺激はできるだけ避ける

ソバカスをそれ以上濃くしないためのケアをすることは、シミを防ぐためのケアにも繋がります。そして、シミを消したりソバカスを薄くするためには、毎日のお手入れが重要なのです。自分でできるケアとして、まず、紫外線対策をしっかり行い、必要以上に紫外線を浴びないようにすることが大切です。

シミのもととなるメラニンは、本来は刺激から肌を守るためにつくり出される物質です。過剰にメラニンを生成しないために、肌への刺激はできるだけ避けましょう。洗顔などの時には力を入れ過ぎず、優しく洗うのがポイントです。

食事ではビタミンを積極的に摂る

ビタミンCは、メラニンの定着を防ぐ効果が期待できます。また、ビタミンEには新陳代謝を活発にして、肌のターンオーバーを促進する作用があります。さらに、ビタミンAには活性酸素を除去し、肌の老化を防ぐ効果があります。このように、ビタミン類は、シミやソバカスだけでなく美肌を維持するために欠かせない栄養素なのです。

漢方薬でシミ・ソバカスの症状を改善する

漢方では、皮膚に血液と栄養を補う補血薬や、末梢までじゅうぶんに血液を流す活血薬を用いますが、原因がストレスにある場合には、気の巡りを良くする薬も必要です。また、昔から、はとむぎエキスの薏苡仁(ヨクイニン)が肌をきれいにするといわれ、これらに加えて用いると良いです。

桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)

桂枝加黄耆湯(ケイシカオウギトウ)は、文字どおり桂枝湯(ケイシトウ)に黄耆(オウギ)を加えたものです。風邪、寒冷蕁麻疹、皮膚掻痒症、体が衰えている人の寝汗、多汗症、あせも、皮膚疾患などに用います。

桂枝湯は、高齢者や、体力がなかったり、胃腸が弱かったり、日頃から疲れやすいといった「虚証」タイプの人の初期の風邪に用いられ、ベースとなる薬です。黄耆は皮膚の栄養を高め、汗を調節するもので、汗かきや寝汗が多い場合になくてはならない生薬です。

高齢者や、日頃から疲れやすく風邪をひきやすいといった虚弱体質で、体力・気力は衰えているけれど、冷え症ではない人に向いています。

桂枝加黄耆湯には、次の6つの生薬のエキスが含まれています。
桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)、黄耆(オウギ)

肌の弱い人は、夏に汗をかくとあせもができやすく、夜中の睡眠中にもよく汗をかくなど、肌に湿疹や炎症を引き起こしやすくなります。

小太郎漢方の桂枝加黄耆湯 エキス細粒G「コタロー」は、体に化膿性あるいは湿性の湿疹ができ、治ったと思ったらまたできるというような人に適した、皮膚病の漢方薬です。このような状態を繰り返す人の体質を改善していきます。

桂皮と甘草の組み合わせはのぼせにも効果的です。

効能・効果

体力虚弱なものの次の諸症:湿疹・皮膚炎、あせも、寝汗

用法・用量

次の量を、1日3回、食前または食間に服用します。食間とは、食後2~3時間を指します。

大人(15歳以上)・・・1包または1.5g
15歳未満7歳以上 ・・・2/3包または1.0g
7歳未満4歳以上 ・・・1/2包または0.75g
4歳未満2歳以上 ・・・1/3包または0.5g
2歳未満 ・・・1/4包または0.37g

※ 小児に服用させる場合には、保護者の指導・監督のもとに服用させましょう。

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当帰飲子(とうきいんし)

当帰飲子(トウキインシ)は、漢方の古典である「済生方(サイセイホウ)」、疥疹門(カイシンモン)に紹介されている漢方薬です。血(けつ)を補給する「四物湯(シモツトウ)」をベースにして、気(き)を補い、かゆみを止める生薬が配合された処方で、肌に栄養と潤いを与え、乾燥肌を改善します。

漢方でいう「血(けつ)」は、私たちの全身をめぐり組織に栄養を与える血液を指します。皮膚の乾燥は血(けつ)が不足する「血虚(けっきょ)」の典型的な症状で、体の中をめぐっている「血(けつ)」が滞ると、肌に栄養が行き渡らなくなるので、さらに肌トラブルを招くことになります。

ロート製薬の和漢箋(わかんせん) 『ロート当帰飲子錠』は、地黄(ジオウ)の中でも血流改善のはたらきが高いといわれる熟ジオウを使用し、さらに、エキスの抽出法にもこだわって、より優れた効果が引き出されるように工夫されています。

血行を良くして肌の内側から栄養や水分を補い、乾燥した肌のかゆみや湿疹を効果的に抑えていきます。

当帰飲子には、当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、蒺莉子(シツリシ)、防風(ボウフウ)、地黄(ジオウ)、荊芥(ケイガイ)、黄耆(オウギ)、何首鳥(カシュウ)、甘草(カンゾウ)の10種の生薬のエキスが含まれています。

効能・効果

体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの次の諸症:湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、かゆみ

用法・用量

次の量を1日3回、食前または食間に、水またはお湯で服用します。食間とは、食事をしてから2~3時間後のことです。
成人(15歳以上)・・・4錠
7歳以上15歳未満・・・3錠
5歳以上7歳未満・・・2錠
5歳未満・・・服用してはいけません

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皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)

皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)は、皮膚に発疹などの目立った異常が見られないのに、強いかゆみがあらわれるのが特徴の皮膚の病気です。かゆみがとても強いために爪でひっかいたりすると、そこが炎症を起こして、二次的に湿疹ができることがあります。

大きく分けると、体のどこにでもあらわれる全身性の皮膚掻痒症と、外陰部や肛門部周辺、頭部など体の一部分にあらわれる限局性の皮膚掻痒症の2つがあります。

全身に起こる皮膚掻痒症では、皮脂が欠乏するために起こる肌の乾燥が最も多い原因と考えられます。特に空気が乾燥する冬の季節などは、入浴時の肌の洗い過ぎに注意しましょう。クリームなどを使用して保湿することが大切です。

高齢者の体のかゆみの多くは、年齢的な皮膚の衰えによって、皮膚が乾燥して皮脂が足りなくなるためだと考えられます(老人性乾皮症)。カサカサに肌が乾き、かくと粉が出たりして、かゆみがひどいためにかき壊してしまうことも少なくありません。

しかし、ただの乾燥肌と思い込んでしまうのは危険なこともあり、糖尿病や肝臓障害などの基礎疾患や薬剤を服用することの影響などが潜んでいる可能性がありますから、皮膚科を受診するのがいちばん良いでしょう。

ほかに、ストレスや精神的な不安などからも皮膚がかゆくなったりします。この場合、ストレスが解消されると軽減したり、治ることもあります。

限局性皮膚掻痒症では、かゆみは、女性の場合、外陰部に起きることが多く、男性の場合だと肛門周囲に起きることが多いです。女性に多い外陰部掻痒症の原因は、乾燥や、外部刺激による皮膚過敏、膣炎や感染症などが考えられます。また、男性に多い肛門掻痒症の原因は、排尿障害や便秘、下痢、痔、脱肛、前立腺肥大といった病気から引き起こされることが多いと考えられます。いずれにしても、清潔にしておくことが大切です。

漢方薬で皮膚掻痒症の症状を改善する

皮膚にかゆみが起こる原因はさまざまで、医師の診察を受けても原因がはっきりしないものもあります。漢方では、かゆみをしずめることのほか、長期に渡り飲み続けることで、皮膚が乾燥しにくいような体質への改善をめざします。

  • 当帰飲子(とうきいんし)
    血流を改善し、症状を緩和する薬です。皮膚がカサカサした状態の皮膚掻痒症に効果的です。普段から冷え性、貧血気味で、顔色が悪いような人に向いています。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
    体力が普通にあって、のぼせぎみで顔色が赤く、イライラしやすくて落ち着かない傾向のある人の皮膚掻痒症、湿疹・皮膚炎に用います。
  • 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
    のぼせや熱、発汗のある人で、食欲不振や慢性胃腸病がある人の皮膚掻痒症に向いています。