うつ病 漢方薬 で解決するために
うつ病 漢方薬 を使って解決する際にどんな漢方薬を選ぶのが適切でしょうか。 「 うつ病 」 に用いる漢方薬を紹介します。
平成14年に厚生労働省が行った調査では、うつ病の有病率6.5%であり、15人に1人が生涯に1度はうつ病にか かる可能性があると報告されています。私は大丈夫とは言い切れない数値です。
その後もうつ病患者は増加し続け、平成20年には100万人を超えました。
「からだがだるい」、「やる気がでない」などの症状を感じる方は「うつ病」のサインかもしれません。4月は仕事環境や季節の変化に対応するため、体に強いストレスが加わります。過度なストレスは体の機能を調節している自律神経が乱れてしまい、うつ症状を引き起こします。東洋医学ではうつ症状の原因を気虚(気が虚すること)と表現されます。漢方薬は自律神経の調節や気を補う効果があることがわかっているため、多くの病院で使用されています。
私たち人間は誰でも憂鬱(ゆううつ)になることがありますが、それが病的に激しくなってしまうのが 「 うつ病 」 です。
うつの状態になると、特に原因もないのに物事に対してのやる気がなくなり、気分が落ち込み、何をしても楽しめなくて次第にいきいきとした感じがなくなってしまいます。
食欲もわかないようになり、やがては劣等感や絶望感におそわれるようになります。そこに、不安や不眠、便秘などの症状も加わって、1日中ぼんやり過ごすことも多くなったりします。さらにひどくなると、極端に虚無的な感情に支配されてしまい、真剣に自殺を考えるようになります。
脳の機能に障害が起きていることから、さまざまな事を否定的に考えるようになり、自分はダメな人間なんだと思ってしまうのです。
うつ病になりやすいのは、融通がきかないほど真面目過ぎで律儀で、少しのことも妥協できないようなタイプの人ですが、一方では、優しく温和で他人とのつき合いも良いという社交的な面があります。また、遺伝的な素質も関係しています。
厚生労働省がおこなっている調査では、日本ではうつ病を含む気分障害のある人が、近年急速に増えているといいます。特に中年の社会人にうつ病にかかる人が増えていて、自殺の大きな原因にもなっているようです。
うつには二つのタイプがあります。
一つは、うつ状態です。うつ状態は、うつ病のひとつ手前の状態です。
うつ状態になると、抑うつ気分、落ち込み、意欲減退、思考力低下、集中力低下、食欲不振または過食、不眠、ものごとの興味 や関心がなくなるといった症状が現れます。
もう一つは、うつ病です。うつ病とは、うつ状態が二週間以上続いて、日内変動(朝気分が悪く、夕方になると比較的良い)があること、今までに経験したことのないよう なひどい落ち込みが続きます。
うつの原因は、はっきりとは解明されていませんが、その人がもともと持っている「うつ病になりやすい性質」と、「環境的要因によるストレス」が関係していると考えられています。
さらに、脳の神経の情報を伝達する物質の量が減るなど、脳の機能に異常が生じていることも分かってきています。
朝の目覚めが悪くて午前中は何もやる気になれないけれど、午後になると調子が良くなって、夕方から夜になるとすごく元気になる、というような人は、うつ病の初期と考えられます。
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漢方薬 うつ病 改善する
神経症の場合、心に何か痛みとなる原因がありますが、真性のうつ病でははっきりとした原因がわかりません。漢方では症状をみるので、この2つを区別して考えません。次のような処方が考えられます。
- 半夏厚朴湯 ( はんげこうぼくとう ) 気が鬱滞しているときに用いられる代表格の方剤です。 適応部位は広く、咽喉頭部(のど)から胸部にかけての異常感から、咽中炙肉感(咽喉頭異常感症、ヒステリー球)まで症状として見られる場合となります。 気持ちが落ち込み、人と会いたくない、自宅に閉じこもり傾向になる場合にも適しています。神経質で生真面目な人で、神経症や不安感、不眠症に使用します。胸部の圧迫感、動悸、めまい、のどが詰まったような感じがして声が出にくいなどの症状を伴うときに向いています。
- 加味逍遥散 ( かみしょうようさん ) せっかちで気分の変動が多い人で、イライラや頭痛、便秘気味、不眠、肩こり、冷え症、更年期障害などのある女性に多く処方される漢方薬です。もともと女性の月経不順や生理痛など女性特有の症状のほか、冷え症や肩こりの改善効果が有名ですが、うつ病にも使われます。
- 柴胡加竜骨牡蠣湯 ( さいこかりゅうこつぼれいとう ) 体格がよくて体力のある人に向いています。神経質で精神的に不安定な人に 比較的体力はあるが、神経質で、ささいなことが気になって、抑うつ、不安、イライラ、不眠などがあるような、精神的に不安定な人に用いられる薬です。みぞおちの辺りの張りを伴う様々な精神神経症状、精神不安、不眠、高血圧、のぼせ、イライラ、動悸などがある人に使用します。
うつ病治療に漢方薬を使う時の注意点
漢方では、身体のバランスの崩れを考えて、全体的にそのバランスを整えるものとして薬を選択します。ですから漢方薬では、バランスの崩れ方が同じであれば、それが腹痛だろうが頭痛だろうが同じ漢方薬になります。さらには漢方では、体質や身体の抵抗力なども含めて漢方薬を選んでいきます。
このように、漢方では体質・身体の抵抗力、身体のバランスの崩れ方などを「証」として診断していきます。それに基づいて生薬を選んで漢方薬を配合します。
病院で使う漢方はエキス剤といわれていて、代表的な生薬の配合ごとに名前をつけられて商品となっています。それぞれの漢方薬によって、どの症状や病気に効果があるのかが知られています。またその漢方薬が、どのような体質の方に向いているのかもわかります。
軽症うつ病で使われる漢方薬