四物湯 ( しもつとう ) 乾燥した皮膚をうるおす効果
四物湯 ( しもつとう ) は、血(けつ)が不足した「血虚」に対して処方される漢方薬です。「和剤局方」という漢方の古典医書で紹介されている処方です。血を補い、血液の流れを良くし、体を温め、肌に潤いを与える働きがあります。
「血虚」の人には、顔色が悪くツヤがない、皮膚がカサカサして潤いがない、眼が疲れる・渇く、爪の色が悪くもろい、ふらつく、動悸がする、筋肉がひきつる、月経周期が乱れるなどの症状がみられます。
四物湯が向いているのは、体力がなくて、皮膚が乾燥して色ツヤが悪く、胃腸障害のない人です。女性に用いられることが多く、生理不順、冷え症、貧血、しもやけ、しみ、血の道症(更年期障害)などを改善します。
四物湯には、次の生薬のエキスが配合されています。地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、 川芎(センキュウ)、 当帰(トウキ)の4種です。
体が冷えることで血液の質が衰え血液循環が悪くなります。また、強い貧血のために血液が不足し、皮膚に潤いがなくなりかさつきます。四物湯に含まれる地黄・当帰は血を補い、血液の働きを増します。芍薬・川芎はともに血液循環を良くし、うっ血を取り除きます。そして、地黄が皮膚に潤いを与えます。
一元(イチゲン)製薬の四物湯は、細粒や漢方薬独特の風味、苦味が苦手な人にも服用しやすい、錠剤の薬です。
四物湯 ( しもつとう ) 効能・効果
体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの次の諸症:
月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え性、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復
※)効能・効果に関連する注意
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。
用法・用量
大人 1回4~6錠
1日3回、食前1時間、又は空腹時に服用する。
【成分・分量】
(本品100錠中) 日局シャクヤク末・・・・・5.6g
日局トウキ末・・・・・・・5.6g
日局センキュウ末・・・・・5.6g
局外生規ジオウ末・・・・・5.6g
自社製別紙規格水性エキス:2.6g
注意
四物湯(しもつとう)は胃腸虚弱でない方の貧血による生理不順や生理痛、更年期障害、不妊症、冷え性、皮膚の乾燥などに使用される漢方薬であり、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、温清飲(うんせいいん)など多くの漢方薬にも含まれております。
当帰芍薬散は四物湯からジオウを去ってビャクジュツ、ブクリョウ、タクシャを加えたもので、貧血がありむくみなどの水毒症状を伴う場合に使用します。
十全大補湯は四物湯に四君子湯(しくんしとう)を組み合わせた漢方薬で貧血があり胃腸も弱く気力も低下している状態に使用します。
温清飲(うんせいいん)は四物湯に黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を組み合わせた漢方薬で、皮膚の乾燥があり熱症状(アトピー性皮膚炎などによって皮膚が赤く炎症をもっている)を伴う場合に使用します。
他にも四物湯が元となって作られている漢方薬は様々あります。
使用上の注意
=使用上の注意=
次の人は服用しないでください。 生後3 ヵ月未満の乳児
相談すること
1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
1)医師の治療を受けている人
2)妊婦又は妊娠していると思われる人
3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
4)胃腸の弱い人
5)下痢しやすい人
6)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
関係部位 症状
皮 膚 発疹・発赤、かゆみ
消化器 胃部不快感、食欲不振、腹痛
3.服用後、次の症状があらわれることがありますので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 下痢
4.1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。