肝硬変

急性肝炎にかかり、そのまま治らず進行してしまい慢性肝炎に移行するのは、肝炎の人の全体の20パーセントくらいだといわれています。また、慢性肝炎にかかった人のうち肝硬変に移行するのは、10~20パーセントくらいといわれています。

B型やC型のウイルス肝炎、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などでは肝臓に傷ができますが、それを修復するときに線維(タンパク質)ができます。慢性肝炎では、肝臓の細胞の破壊と再生が繰り返されて、肝臓の周りには線維が増加して硬くなります。こうして硬くなってしまった肝臓を肝硬変といいます。

肝硬変に移行するとき、肝臓は徐々に硬くなっていくので、働きが保たれているうちは自覚症状が無いといいます。無症状のまま、ゆっくりと進行していくのです。

全身の倦怠感や食欲不振、吐き気といった症状があらわれる頃には、かなり肝硬変が進行した状態で手遅れになることもあるといいますから、予防しておくことが非常に重要となります。

肝臓が硬くなると、肝臓への血流が悪くなり、水分が腹膜にたまります。これを腹水といいます。カエルのようにお腹が膨らみます。おへその周囲には、静脈の膨張がみられることもあります。また、食道に静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができたり、「肝性脳症」といって肝障害が原因で起こる精神神経症状など、重篤な症状が起こることも考えられます。

漢方薬で肝硬変を改善する

腹水がたまっている状態では、かなり病気が進行しているということなので、必ず専門医の診察を受けなければなりません。そうなる前に、やはり、定期的に検診を受けることが大切です。特に、お酒を飲み過ぎると肝硬変を誘発することになるので、注意が必要になります。

腹水以外の特徴的な症状には、胃のむかつきや上腹部の膨満感、食欲不振、吐き気などがあります。

漢方薬では、次のような処方が考えられます。いずれにしても重大な病気ですから、主治医の了解のもと、漢方の専門家にも相談するのが良いでしょう。

  • 柴苓湯(さいれいとう)
    これは、小柴胡湯(しょうさいことう)五苓散(ごれいさん)を合わせた漢方薬で、一般に、慢性化した症状に対して使われる薬です。肝硬変の場合、初期に用いることで、圧痛や膨満感など胃腸の症状の改善に期待できます。
  • 分消湯(ぶんしょうとう)
    体力がわりとある人の、腹水や足のむくみなどに効果的です。尿の出が悪いときにも用いられます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
    虚弱体質の女性の冷えや更年期障害、神経症状に効果的なことが知られていますが、肝硬変では、腹水に対し効果が期待されます。