肝炎 漢方薬 で症状を 改善 軽減
肝炎 漢方薬 で症状を 改善 軽減するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。肝臓は、私たちの体の臓器の中で最も大きな臓器です。分解、代謝、解毒、エネルギーの産生と、私たちの生命を維持するのにとても重要なはたらきをしています。
肝臓の代表的な働きは次のとおりです。
- 解毒作用:肝臓は、体内に入った毒素や有害物質を分解し、無害化する働きを持ちます。例えば、アルコールや薬物などが肝臓で分解されます。
- 栄養素代謝:肝臓は、食品から摂取した栄養素を分解、代謝して、体内で利用できる形に変える働きを持ちます。特に、脂肪、糖、タンパク質の代謝に重要な役割を担います。
- 血液濾過:肝臓は、消化管からの栄養素が肝臓に入った血液を濾過することで、栄養素や薬剤、毒素、細菌などを排除する働きを持ちます。
- 免疫反応:肝臓は、体内の免疫システムにも重要な役割を果たします。肝臓は、免疫細胞を含む白血球を産生し、免疫反応を調整することができます。
- 貯蔵:肝臓は、脂肪、糖、ビタミン、ミネラルなどの貯蔵庫としての役割を持っています。例えば、肝臓はグリコーゲンという糖分を貯蔵しており、必要に応じて放出して、エネルギー源として利用することができます。
肝炎は、肝臓の細胞が炎症を起こして肝臓全体が冒されてしまう病気です。食べものを通じてウイルスが口から入ったり、ウイルスをもった人の血液を介して感染し、発病します。日本人に一番多い肝炎は、ウイルス感染によって肝臓が炎症を起こすウイルス性肝炎です。B型やC型などと呼ばれるものです。
昔は輸血や出産時の母子感染が問題とされてきましたが、新しく問題となっているのは、性行為やピアスやタトゥーの施術に使う針などの衛生上の問題です。
急性のウイルス性の肝炎では、初期の症状は風邪と似ています。熱はそれほど高くなく、消化器系に症状があらわれたり、体のだるさはありますが、軽ければそのまま治ってしまうこともあります。しかし、進行すると、体には黄疸(おうだん)が出て、意識はぼんやりしてきてやがて昏睡状態となり、死に至ります。症状が続くと慢性肝炎となって、肝硬変や肝細胞ガンへと進行するためです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、ダメージを受けてもなかなか症状が出にくいという特徴があります。こうして、自覚症状がないことや感染した時期が明確ではないことが多いため、適切な時期に治療を受けられることが少なく、なんらかの症状が出て病院に行ったときには、すでに重症化していることもあります。
アルコールの飲み過ぎが原因で肝炎が起こることもあり、肝硬変の引き金にもなるので注意が必要です。
アルコール依存症 自己診断 はこちら。
漢方薬で肝炎を改善する
東洋医学では、肝臓のことを「血を蔵し、魂(こん)を蔵す」臓器だと考えられています。大量の血液を貯蔵してその調節を行っている肝臓は、精神や感情の動きにも関わっているのです。ですから、情緒を安定させることも大切だといえます。そして、漢方薬では次のような処方があります。
体力のある人に
- 大柴胡湯 ( だいさいことう ) 大柴胡湯は、漢方薬の一種であり、古くから使用されている代表的な処方の一つです。主に肝気鬱結症状や胃腸の不調、不眠症などに効果があります。がっしりした体格の人、太っていて血圧が高い人に。みぞおちから脇腹にかけて圧痛や膨満感、便秘、食欲不振、吐き気や嘔吐などがあるときに用います。
体力の無い人に
- 小柴胡湯 ( しょうさいことう ) しょうさいことう は、肝炎や黄疸などの症状を和らげるために使われる漢方薬の一種です。漢方薬として、熱を解消し、毒素を排出し、湿気を除去するとされています。それにより、体内の陰陽のバランスを調整し、肝経の湿熱、肝火の上炎などの症状を改善することができます。そのため、肝炎の治療にも一定の効果が期待されます。体力はあまり無くて、大柴胡湯と同じような症状がある人に用います。肝炎にはよく使われる漢方薬です。
激しいむくみや黄疸があるときに
- 茵蔯五苓散 ( いんちんごれいさん ) 茵蔯五苓散は、肝臓の疾患である肝炎に対して用いられる漢方薬の一種です。この薬は五苓散に茵蔯蒿(いんちんこう)という生薬を加えたものです。茵蔯蒿とはカワラヨモギを乾燥させたもので、むくみや黄疸のほか、口の渇きや尿の減少などにも効果的です。