膀胱炎 漢方薬 選び方 下半身の冷えの改善も

膀胱炎 漢方薬 の選び方 です。膀胱炎の症状はつらいものですが、漢方薬は体質や症状の段階に合わせて選ぶことで、つらい症状の緩和や再発予防に役立つことがあります。
膀胱炎 ( ぼうこうえん )は、膀胱の粘膜が大腸菌などの細菌の感染によって炎症を起こす病気です。男性よりも女性に多く起こります。女性に多いのは、男性より女性のほうが尿道が短く、膀胱内に外陰部の細菌が簡単に侵入できてしまうためです。これは急性膀胱炎といいますが、何度も繰り返して慢性化することもありますから、注意が必要です。
膀胱炎 漢方薬 選び方
「猪苓湯(ちょれいとう)」「五淋散(ごりんさん)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」の3つの漢方薬を、それぞれの特徴と選び方のポイントを交えて解説します。
細菌が感染するものだけでなく、体が冷えたり風邪をひいた後など、またストレスによっても発病することがあるのですが、膀胱内に細菌が侵入したとしても、粘膜の自浄作用や排尿をすることによって自然に治まっていくこともあります。
排尿はこの意味で大切なことであり、普段の生活をしているとなかなかトイレに行きにくい状況というのもあるとは思いますが、がまんするのはとても良くありません。体力や抵抗力が落ちているときには特に注意しましょう。
急性膀胱炎の症状としては、トイレが近くなり、おしっこをしたときに痛む、尿が白っぽくにごるなどの症状があります。尿意を感じる回数が増えるのですが排尿しても残尿感があります。尿がにごるのは白血球が増えるためですが、血尿が出る場合もあります。そして、つらいのが排尿痛です。排尿の終わりに尿道口に強い痛みを感じるのですが、焼けるように痛みます。
排尿痛は、尿路感染症や尿管結石などの病気や炎症によって引き起こされる症状の一つです。漢方薬には、このような症状を改善する効果があるものがあります。
ほかには、下腹部が張った感じがしたり、まれにですが、微熱が出ることがあります。もし、38度以上の高熱が出た場合は、悪化して、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの病気を併発している可能性がありますので注意が必要です。普通は数日で治るものですが、軽いうちに専門医を受診すると良いでしょう。
膀胱炎 症状
膀胱炎は、膀胱の炎症を指す疾患で、以下のような症状代表的な症状です。
- 頻尿(しばしばおしっこに行きたくなること)や、切迫感(尿意を催す感覚が強いこと)などの排尿障害が現れることがあります。
- 尿が濁ったり、異臭があることがあります。
- 少量の尿が出ることがあります。
- 下腹部や腰部に痛みを感じることがあります。
- 発熱や寒気、全身倦怠感があることがあります。
特に女性に多く見られる病気で、性交渉などが原因で起こる場合もあります。膀胱炎の症状が現れた場合は、早めの治療が必要です。診断は、主に尿検査や膀胱の超音波検査などを行い、抗生物質などの薬物療法が用いられることがあります。漢方薬を服用する際には、自己判断でなく医師の処方で服用するようにします。
膀胱炎 ( ぼうこうえん ) 漢方薬 症状を改善する
1. 猪苓湯(ちょれいとう):排尿トラブル全般に。特に、痛みがそれほど強くなく、すっきりしない方に
- どんな時に使う?
- 頻尿、残尿感、排尿困難が主な症状で、排尿時の痛みはそれほど強くない場合に適しています。
- 尿の出が悪く、むくみがある場合にも用いられます。
- 体力に関わらず使用できる比較的穏やかな作用の漢方薬です。
- 膀胱炎の初期症状や、慢性的な排尿トラブルにも使われます。
- 尿路結石などによる排尿トラブルにも用いられることがあります。
- 作用機序
- 「猪苓」「茯苓」「沢瀉」などの生薬が利水作用(体内の余分な水分を排出する作用)を持ち、尿量を増やして膀胱内の細菌や老廃物を洗い流すことで、尿路の炎症を鎮めます。
- 「滑石(かっせき)」「阿膠(あきょう)」などが炎症を抑え、膀胱粘膜を保護する働きも期待できます。
- 尿を出すことで菌を洗い流す「デトックス」のようなイメージです。
- こんな方におすすめ
- トイレが近く、行ってもスッキリしない感じが強い。
- 排尿時に違和感はあるものの、激しい痛みではない。
- むくみが気になる。
- 胃腸が弱い方でも比較的安心して服用できます。
2. 五淋散(ごりんさん):排尿痛・炎症が比較的強い方に
- どんな時に使う?
- 排尿痛、残尿感、頻尿といった膀胱炎の主な症状に幅広く対応します。
- 特に炎症や痛みが比較的強い場合に効果を発揮しやすいとされています。
- 尿のにごりがある場合にも用いられます。
- 体力は中等度〜やや低下した方に適しています。
- 急性期の膀胱炎の症状緩和や、繰り返す慢性膀胱炎にも用いられます。
- 作用機序
- 11種類の生薬が配合されており、消炎・鎮痛・利尿作用を兼ね備えています。
- 「黄芩(おうごん)」「山梔子(サンシシ)」などが強い消炎・抗菌作用を発揮し、炎症を鎮めます。
- 「茯苓」「沢瀉」などの利水作用で尿量を増やし、原因菌を洗い流します。
- 「芍薬(しゃくやく)」「甘草(かんぞう)」「当帰(トウキ)」などが鎮痙・鎮痛効果で排尿痛を和らげます。
- こんな方におすすめ
- 排尿時の痛みが気になる。
- 炎症をしっかり抑えたい。
- 比較的体力はあるが、膀胱炎を繰り返しやすい。
- 急性の症状から、慢性的な症状まで対応できます。
3. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性・むくみのある方の慢性的な膀胱炎に
- どんな時に使う?
- 主に女性に用いられることが多く、冷え性、貧血傾向、むくみがある方の慢性的な膀胱炎に適しています。
- 体力は中等度以下で、虚弱体質の方に向いています。
- 膀胱炎の直接的な炎症を抑えるというよりは、体質改善によって膀胱炎の再発を防ぐ目的で用いられることが多いです。
- 下腹部や下肢の冷え、生理不順などを伴う場合に特に効果が期待できます。
- 作用機序
- 「当帰」「芍薬」「川芎(せんきゅう)」「地黄(じおう)」などの生薬が血行を促進し、体を温めて血の巡りを改善する「補血活血(ほけつかっけつ)」作用があります。
- 「茯苓」「沢瀉」「白朮(びゃくじゅつ)」などが利水作用を持ち、余分な水分を排出してむくみを改善します。
- 体全体の新陳代謝を高め、冷えや血行不良を改善することで、膀胱の抵抗力を高め、炎症が起こりにくい体質へと導きます。
- こんな方におすすめ
- 常に手足や下腹部が冷える。
- むくみやすく、顔色が悪い、貧血気味と言われる。
- 体力がなく、疲れやすい。
- 膀胱炎を繰り返しており、体質改善をしたい。
漢方薬を選ぶ際の注意点
- 自己判断での使用は慎重に: 漢方薬は体質や症状によって効果が異なります。市販薬として購入することも可能ですが、できれば漢方に詳しい医師や薬剤師、登録販売者に相談し、ご自身の体質や症状に合ったものを選ぶのが最も効果的です。
- 急性期の症状が強い場合: 高熱が出る、血尿がひどい、腰や背中に痛みがあるなど、膀胱炎の症状が急激に悪化したり、腎盂腎炎の可能性がある場合は、すぐに医療機関(泌尿器科など)を受診し、抗生物質などの西洋薬による治療を優先してください。漢方薬は症状の緩和や体質改善の補助として用いることを検討しましょう。
- 効果の現れ方: 漢方薬は西洋薬に比べて効果が穏やかに現れることが多いです。すぐに効果が出なくても、数日〜数週間継続して服用することで効果が実感できる場合があります。
- 継続が大切: 特に体質改善を目的とする場合は、ある程度の期間継続して服用することが重要です。
漢方薬の使い方は、膀胱炎の原因となる下半身の冷えや尿の状態の異常に対し考えます。急性膀胱炎の場合には、水分を多めにとって尿の量を増やすことが大切です。
- 猪苓湯 ( ちょれいとう ) 「猪苓湯(ちょりょうとう)」は、漢方薬の一つで、膀胱炎や尿路感染症などの尿路系の疾患の治療に用いられることがあります。のどが渇き水分をとっても尿量が少ないときに用います。排尿痛が強いとき、尿に血が混じるときにも効果的です。猪苓(ちょりょう):利尿作用があり、尿路系の症状を改善します。茯苓(ふくりょう):水分代謝を調整し、浮腫(むくみ)の改善に役立ちます。桂枝(けいし):身体を温め、血行を促進します。白朮(びゃくじゅつ):腸管運動を促進し、便秘の改善に役立ちます。甘草(かんぞう):胃腸を保護し、消化を促進します。
- 五淋散 ( ごりんさん )特に排尿痛が激しいときに用います。トイレが近い、尿が出にくい、にごる、血が混じるなども目標になります。
- 当帰芍薬散 ( とうきしゃくやくさん ) 「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、漢方薬の一つで、女性の生理不順や月経痛、更年期障害などに用いられることがあります。膀胱炎にも有効です。女性の冷えや貧血などの体質改善に使われる漢方薬です。体力があまり無い人の冷えや神経的な原因による頻尿を改善していきます。
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