歯周病 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する
歯周病 漢方薬 で改善 症状を軽減改善するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。歯周病 ( ししゅうびょう ) とは、歯を支える周りの組織に起こる病気のことです。歯肉炎や歯周炎など、炎症から起こるさまざまな症状の総称として、歯周病と呼びます。そして、歯周病は大切な歯を失う大きな原因になります。
歯周病になる人の数は非常に多く、日本人は40歳以上になると約9割以上の人がかかっているといわれる、とても身近な病気です。
厚生労働省による平成20年の調査結果では、『歯および歯の支持組織の疾患』の総患者数は600万人以上、3年前に比べて6%増加しています。12年前の調査ですから現在は、もう少し数値は悪化しているはずです。
歯周病の後期には歯周病が最も進行した歯槽膿漏(しそうのうろう)の状態になります。歯槽膿漏になると、歯ぐきから血や膿(うみ)が出たり、ひどい口臭が発生したり、歯がグラグラしてきます。そのまま症状が進行してしまうと、やがては歯が抜けてしまう可能性もあるのです。
大きな原因となるのは、やはり、口腔内の汚れです。汚れた口の中をそのままにしておくことで、歯石(しせき)が歯ぐきを刺激して炎症を起こし、化膿菌が感染して起こることが多いのです。歯石というのは歯の象牙質に付着した歯垢(しこう)に唾液中の石灰塩が沈着してできたもので、歯みがきをして汚れを落とすことが大切になります。
はじめのうちは歯が浮いたような感じがしたり、歯をみがいたときに少し出血する程度で、歯そのものの痛みはありません。しかし、進行すると歯ぐきが赤く腫れていたり、膿(うみ)が出ることもあります。さらに進行すると、冷たい水がしみるようになったり、歯がグラグラと動くのを感じるようになり、口臭もひどくなります。
こうしてそれほど痛みがないうちに悪化していくのですが、そのうち食事ができないくらい痛くなって、ついには歯が抜けてしまうのが歯周病の恐ろしいところです。歯が痛くなくても、初期のうちに、歯科医の治療を受けておくのがおすすめです。
歯周病 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する
軽いうちなら、原因となる歯石をとったり、歯のかみ合わせを良くすることで改善することもあります。ひどくならないうちに歯科を受診し、良くなったとしても再発の予防に努めることが大切です。
漢方薬では次のような処方があります。
初期の症状には
- 葛根湯 ( かっこんとう ) 歯周病の初期で、歯をみがいたときに少し血が出る、歯ぐきが赤く腫れているようなときに使います。風邪の初期症状に用いる代表的な漢方薬ですが、他にもさまざまな病状に応用できる薬です。顎が痛い、頬や横の頭が重たい、口が開かないなどの症状があり、なかなか歯科医院にかかれない場合、1週間程度継続して葛根湯を内服する、というのも一手かもしれません。ただ、内服しても症状が改善しない場合や、すぐに医院にかかれる場合には、歯科医院の受診をお勧めします。
慢性化したときには
- 排膿散及湯 ( はいのうさんきゅうとう ) 化膿性の皮膚病のほか、歯肉炎や歯槽膿漏などに用います。皮膚の腫れや赤みをしずめ、治りを良くします。膿・炎症を改善する漢方薬です。歯ぐきが腫れて膿が出るような歯肉炎などにおすすめです。排膿散」は、枳実(キジツ)、芍薬(シャクヤク)、桔梗(キキョウ)という3種類の生薬でできています。3世紀頃の中国の書物『金匱要略』に記述がある処方で、化膿がある患部の炎症や腫れを鎮め、膿を排出するはたらきがあります。
体力中等度以上で、患部が化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患の初期又は軽いもの、歯肉炎、扁桃炎
歯周病の証(しょう)には、以下のようなものがあります。
一つ目は「胃熱」証です。熱邪が歯茎をおかし、歯周病になっています。炎症が強く、出血、化膿といった症状が出ます。この証の人に対しては、胃熱を冷ます漢方薬を使います。
二つ目は「胃陰虚」証です。五臓六腑の胃の陰液が不足しています。陰液が少ないので相対的に熱が余り、それが熱邪となって歯周病を引き起こします。口の中が粘つき、唾液が少ないのが特徴です。免疫力が発揮できず、歯周病を根治できません。胃の陰液を補う漢方を使って、体質から歯周病を治していきます。
三つ目は「脾気虚」証です。消化吸収機能が弱く、免疫力が低下している証です。歯周病菌の勢いがなかなか弱まらず、歯周病が根治できません。脾気を補う漢方薬が有効です。