関節リウマチ 漢方薬 選び方 根気よく時間をかけて治す

2025/07/21

関節リウマチ 漢方薬
関節リウマチ 漢方薬

関節リウマチ 漢方薬 の選び方を紹介します。(えっぴかじゅつとう)、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、関節リウマチの症状緩和に用いられることがある漢方薬です。

関節リウマチ 漢方薬 選び方

「リウマチ」という言葉には痛みが走るというような意味があって、関節リウマチは、関節の内側にある滑膜が炎症を起こし、腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れる病気です。放っておくと関節が壊れて変形してしまいます。

原因ははっきりわかっていませんが、遺伝的な要素や体質的な問題、そこにウイルスなどの刺激が加わって、免疫の異常により起こると考えられている、自己免疫疾患のひとつです。

患者の多くは30歳~50歳代の女性ですが、60歳を過ぎてからや、20歳未満でも発病する人もいます。

関節リウマチの初期には、全身のだるさ、貧血、体重の減少、手足のしびれなどが現れますが、こういった症状は他の病気でもみられるために、発病したばかりの時期の診断は難しい病気です。次に、関節の痛みや腫れが起こります。朝起きたときに手足の指がこわばり、関節が左右対称的に(両手、両足に出ます)腫れ、痛みます。

病気の経過としては、患者の60%くらいの人が症状の軽快と再発を繰り返しながら、次第に関節の変形が進行します。そして30%の人が1~2年すると治ったような状態になり、残りの10%くらいの人は短期間で強い炎症が起こったりして、関節の変形が進むといわれています。

関節リウマチによる関節の激しい痛みやこわばりは、患者本人にとって非常につらく、深刻な問題です。また、関節リウマチの患者は、ほかの自己免疫疾患などのさまざまな合併症を起こす可能性があります。こうしたことから、痛みなどの症状を緩和するだけでなく、関節が破壊されるのを食い止め、ほかの合併症があれば、そちらもきちんと治療することが大切です。

重要事項:
関節リウマチの治療は、近年大きく進歩しており、生物学的製剤などによって関節破壊を強力に抑えることが可能になっています。漢方薬は、これらの西洋医学的治療の代わりではなく、西洋医学と併用して症状の緩和や体質改善を目指す補助的な役割として用いられることが一般的です。必ずリウマチ専門医や漢方専門医の診察を受け、ご自身の体質や病状に合った適切な処方を受けるようにしてください。自己判断での服用は避けましょう。

関節リウマチと漢方薬

漢方医学では、関節の痛みや腫れを「痹証(ひしょう)」と呼びます。これは「風」「寒」「湿」といった外からの邪気が体に悪影響を与えることで起こると考えられています。漢方薬は、これらの邪気を排除し、体内のバランスを整えることで、症状の改善を目指します。

以下の3つの漢方薬は、それぞれ異なる特徴があり、患者さんの「証(しょう)」に合わせて使い分けられます。

1. 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

  • 特徴:患部に強い腫れや熱感があり、むくみやすい体質の方に適しています。比較的体力がある方に向いています。
  • 期待される改善方法:
    • 炎症を抑える:「麻黄」には抗炎症作用、「石膏」には体を冷やす作用があり、関節の腫れや熱感を鎮めます。
    • 水分の排出を促す:「蒼朮」は余分な水分を取り除き、関節にたまった水分の排出を助けます。
  • 適応される症状:関節の腫れ、痛み、熱感、むくみ、発汗、口の渇き、尿量減少などの症状がある方に向いています。
  • 注意点:麻黄は血圧を上げたり、動悸を引き起こしたりすることがあります。冷え性の方は体を冷やしすぎる可能性があるため、医師の判断を仰ぐことが大切です。

2. 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

  • 特徴:冷えによって痛みが悪化する方や、手足の冷えやこわばりを伴う関節痛の方に適しています。体力があまりない方にも使用できます。
  • 期待される改善方法:
    • 体を温めて痛みを和らげる:「附子」には体を温める作用と鎮痛作用があり、寒さで悪化する痛みに効果を発揮します。
    • 血行を促進し、こわばりを改善:体を温めることで血行が良くなり、関節のこわばりや動かしにくさを和らげます。
    • 水分の滞りを改善:「朮」や「茯苓」が配合されており、水分の滞りを改善し、むくみを軽減します。
  • 適応される症状:冷えを伴う関節の腫れや痛み、手足のこわばり、神経痛などの症状がある方に向いています。特に冬場や寒い時期に悪化する方に適しています。
  • 注意点:附子は副作用(動悸など)が出ることがありますので、医師の管理のもとで使用することが必要です。

3. 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

  • 特徴:色白で筋肉が柔らかく、水太りしやすく疲れやすい方、汗をかきやすい方、むくみやすい方に適しています。関節に水がたまりやすい方にも有効です。
  • 期待される改善方法:
    • 水分循環の改善とむくみの軽減:「防已」と「蒼朮」が水分代謝を改善し、余分な水分を取り除きます。これにより、関節の腫れやむくみを軽減します。
    • 疲労回復:「黄耆」には滋養強壮作用があり、疲れやすさを改善する効果が期待できます。
  • 適応される症状:関節の腫れ(熱感はあまり強くないもの)、むくみ(特に下半身)、多汗、肥満体質などの方に向いています。
  • 注意点:比較的穏やかな作用ですが、効果が現れるまでに時間がかかることがあるため、数か月間の継続服用が勧められる場合があります。

漢方薬を使った改善の基本方針

漢方薬は、症状だけでなく、患者さんの体質や生活習慣も総合的に考慮して処方されます。そのため、自己判断で選んだ漢方薬を飲み続けるのではなく、専門家と相談しながら、次のような点を意識することが大切です。

  1. 専門医の診断と相談:まずはリウマチ専門医の診断を受け、正確に病状を把握することが重要です。その上で、漢方薬を併用する際は、漢方専門医や漢方に詳しい医師に相談しましょう。
  2. 「証」に合わせた処方:
    • 炎症や熱感が強い場合:越婢加朮湯
    • 冷えやこわばりが強い場合:桂枝加朮附湯
    • むくみや水太り体質の場合:防已黄耆湯
    • 複数の症状がある場合は、漢方薬を組み合わせたり、生薬の量を調整したりすることもあります。
  3. 継続的な服用:漢方薬は即効性があるわけではありません。効果を感じるには、数週間から数か月ほど継続して服用する必要があります。
  4. 西洋医学的治療との併用:多くの場合、漢方薬は西洋薬(抗リウマチ薬、生物学的製剤、ステロイドなど)と併用されます。漢方薬は、西洋薬の副作用軽減や、さらなる症状改善に役立つこともあります。
  5. 生活習慣の見直し:漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、食事、睡眠、適度な運動、ストレス管理など、生活習慣の改善も大切です。体を冷やさないようにする、消化に良いものを食べる、十分な休息を取ることなどを心がけましょう。

治し方について:
「治す」という言葉の意味にもよりますが、関節リウマチは完治が難しい病気とされています。しかし、現代医療と漢方薬を組み合わせることで、症状をコントロールし、関節の破壊を抑えて生活の質(QOL)を向上させることは十分に可能です。漢方薬は、体質を改善し「痛みが起こりにくい体」「炎症を起こしにくい体」を目指すサポートをしてくれるでしょう。

現在のところ、原因不明な点が多いため根本的な治療の方法というのは無いのですが、適切な治療を受けることによって病状を抑えることができます。気長に治療をしていきましょう。

関節リウマチ 漢方薬 症状を改善する

関節リウマチは老人のかかる病気だと思われがちですが、若いうちに発病することもあります。原因がはっきりしないことから、治療法はおもに、できるだけ日常生活に支障なく過ごせるような対処法になります。漢方薬を用いた場合も時間がかかりますが、次のような薬が考えられます。

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