生理痛 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する

2022/12/12

生理痛 漢方薬 で改善 症状を軽減改善するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。女性特有の症状を漢方で改善。生理痛の原因と漢方薬の使い方についてです。生理痛は、生理が始まる前日から、生理2日目、3日目に起こりやすい痛みです。女性の多くが経験したことのある痛みだと思います。

生理痛 漢方薬 で改善

痛みの程度は人それぞれですが、痛くて会社に行けない、家事ができないなど日常生活に支障を来す場合は、病気の可能性もあるので注意が必要です。

女性の半数が経験する月経前症候群には漢方薬で対処 生理痛 漢方薬 飲み方

漢方から見ると、生理痛はないのが正常な状態で、「血(けつ)」のめぐりの悪さが大きく関わっています。
漢方でいう血は、血液だけでなくホルモンなどの働きも含み、妊娠とも深い関係がある存在です。本来ならスムーズに体の中を巡り、全身に栄養と潤いを与えているのですが、流れが滞ると、痛みの症状があらわれやすくなります。生理痛もそのひとつ。血のめぐりが滞っている状態を『瘀血(おけつ)』といい、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人病の原因にもなるといわれています。

生理痛 漢方薬 飲み方
生理痛 漢方薬 飲み方

月経(生理)に伴う不快な症状の代表的なものとして

  • 下腹部腹痛
  • 腰痛
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 脱力感

などの身体症状と

  • イライラ
  • 憂鬱

などの精神症状があります。こういった症状は生理の1週間ぐらい前から起こり、生理とともにこれらの症状がなくなるのを「月経前症候群」といい、生理期間中にこれらの症状がみられるものを「月経困難症」といいます。月経前症候群については、程度の差はあれ、じつに女性の50%以上が経験しているといわれます。
身体症状としては

  • 下腹部痛
  • 便秘
  • 下痢
  • 食欲増進
  • 食欲減退

などがみられ、精神症状としては

  • 焦燥感
  • 不安感
  • 抑うつ

などがあります。

月経困難症には、子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的な病気によって起こる器質性月経困難症と、子宮に器質的病気がないのに生理痛が非常に強く、寝込んでしまったり気を失ってしまうほどの症状の機能性月経困難症というものがあります。まずは、病院で器質的な疾患がないかどうかの診断をすることが大切です。

漢方では上記のような症状には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)を基本として使用しますが、駆瘀血効果があり、さらに「気」をめぐらせる漢方薬がベストです。
漢方薬は、子宮内膜症などの器質的な疾患を持たない機能性月経困難症に対し、特に有効にはたらきます。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)で子宮の強すぎる収縮(生理痛の痛みの原因)を改善させる
なぜ生理痛が起こるのかというと、一番の原因は子宮の収縮にあります。子宮はプロスタグラディンという物質によって収縮し、それによって生理の血液を外に出して子宮をきれいにし、次の周期に備えるわけです。もし子宮が収縮しなければ、中の血液は外に出ることができずにつまってしまい、血管がふくらんだままになってしまいます。出血が止まるのも子宮の収縮が関係しています。

子宮内に筋腫のような障害物があると、収縮できないため、出血が止まらず生理がだらだらと続くことになり、いつ始まりいつ終わったのかがわからなくなってしまうのです。またギュッと収縮すること自体は子宮にとってはよいことなのですが、その収縮する力が強すぎる場合にその力が生理痛となってしまうのです。これが月経困難症の一番多い症状です。
そういった人には西洋薬では子宮の筋肉を和らげるブスコパンという薬を使ったり、痛みそのものを和らげる鎮痛剤を使ったりしますがこれは対処療法にすぎません。

そこで根治的治療を目指すのであれば、やはり「漢方薬」ということになります。
子宮の筋肉の強すぎる収縮をダイレクトに少し和らげるには「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が効きます。これは、いわゆる「こむらがえり」に使われる薬ですから、強い収縮による痛みに効果を発揮します。生理の2~3日前から飲み始め、生理痛のひどい時にだけ頓服のような形で使うとよいでしょう。生理不順で2~3日前がわかりにくい場合には生理がはじまった日から飲むとよいです。

駆瘀血(くおけつ)剤を常用することで瘀血(おけつ)を取り除く
生理痛には子宮が収縮したときの痛みもありますが、生理前は血が溜まっている状態で、それが瘀血(おけつ)なのです。普段から瘀血(おけつ)を取り除くようにしておけば、子宮の収縮が起こっても血液が周囲にたまっていないので、生理の出血も少量で済みますし、子宮の収縮が強くならなくても子宮の中がきれいになるのです。

瘀血(おけつ)をとる薬を駆瘀血(くおけつ)剤といい、中でも婦人科でよく使われるスタンダードな漢方薬は、次の3つです。

この3つには全て瘀血(おけつ)をとる成分が含まれていますから、普段から瘀血(おけつ)を取るために飲んでいると生理痛に効果があります。普段から瘀血(おけつ)をとるために服用していても生理がはじまって痛みがある場合には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を服用して筋肉の収縮をとめるようにすると痛みに大変効果があります。
こうして体質改善をしていくと寝込んでしまうほどの生理痛は快方に向かうでしょう。
痛みによって仕事や家事・育児などに支障がでてしまうような月経困難症は、古くから漢方薬治療の対象になっているのです。

生理痛 漢方薬 処方ガイド

月経前症候群 → 桃核承気湯 ( とうかくじょうきとう )
月経困難症 → 芍薬甘草湯 ( しゃくやくかんぞうとう )
予防 → 桂枝茯苓丸 ( けいしぶくりょうがん )
当帰芍薬散 ( とうきしゃくやくさん )
加味逍遥散( かみしょうようさん )

女性特有の症状

女性特有の症状

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