代謝が低下しているのは

神経伝達物質の原料であるたんばく質の不足と同時に、代謝が低下していることも問題

原料をある物質につくり変える過程が代謝

神経伝達物質の原料であるたんばく質の不足と同時に、代謝が低下していることも問題です。原料をある物質につくり変える過程が代謝ですが、そこに深くかかわっているのが酵素です。わたしたちの身体のなかの代謝は、ほとんどが酵素の働きによるものだといっていいでしょう。じっはこの酵素もたんばく質なのです。

余談になりますが、たんばく質の英語表現であるプロテインは、ギリシャ語の「第1位のもの」を意味するプロティオスが語源だとされていますが、それは「生命にとってもっとも重要である」ということをあらわすのです。まさしく、わたしたちの命にとってもっとも大切な栄養素がたんばく質だということは、言葉の成り立ちからもあきらかなのです。

酵素がある物質を別の物質に変える働きをするためには、補酵素、あるいは補因子が必要です。そして、補酵素のほとんどはビタミンであり、補因子はミネラルであるケースが多いのです。

神経伝達物質との関連でいえば、たとえば、興奮系のグルタミン酸から抑制系のGABAをつくるには、脱炭酸酵素という酵素が必要になります。さらにこの酵素を働かせるには補酵素が必要です。ここで補酵素の役割を果たしているのがビタミンB6です。

ビタミンB6の重要性はすでに紹介したとおりですが、それが不足すれば、脱炭酸酵素が働かず、結果としてGABAの生成がうまくいかないのです。代謝を高め、GABAに変換させるには、ビタミンB6を補給するしかありません。実際、GABAの不足でイライラするという人に、ビタミンB6を服用してもらうと、気分が落ち着くのです。

ストレスがかかっている人に必要なビタミン | ビタミン効果
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たんばく質が神経伝達物質に変わっていく過程では、どの段階でも必ず、酵素と補酵素が働いています。なかでもナイアシンには、ビタミンB6と並んで、補酵素としての働き場所が多いのです。L-グルタミンがL-グルタミン酸に変わるときを始め、反応の初期段階ではすべてナイアシンがかかわっています。つまり、ナイアシンが欠乏してくると、反応の初期段階からつまずき、神経伝達物質の大きなバランスの崩れにつながるのです。ナイアシンの服用で、うつ症状を始めさまざまな精神症状の改善が見られるのはこのためです。

ちなみに、ナイアシンはホッファー博士が精神疾患治療の中心に据えている栄養素ですが、以前はビタミンB3の名で知られていました。呼称が変わったのは、「体内でつくれない」というビタミンの定義に合わないことがわかったからです。

それまで体内ではつくれないと考えられていたビタミンB3が、じつはセロトニンの材料であるトリプトファンからつくられることが、あきらかになったのです。

栄養素に関しては、どこか身体のなかでつくれない物質がより大切だと考えられがちですが、実際には身体のなかでつくれる物質が大事だということですだからこそ、つくれる仕組みが体内にできているのです。

神経伝達物質に変わる反応の初期段階に登場する補因子で、鉄と葉酸も見逃せない。とくに女性は鉄が不足しがちです。それが原因で精神的なトラブルになっているケースは少なくありません。また、葉酸についても、外国では葉酸を摂ることでうつ病が改善するという論文が、かなり発表されているのです。

いずれにしても、補酵素、補因子といったビタミンやミネラルのうち、なにかひとつが極端に欠乏しているだけでも、身体には影響を及ぼします。まず、欠乏している栄養素を正確に突き止め、それらを上手に摂取していくことが、神経伝達物質の代謝のプロセスのパワーアップにつながるのです。

高齢者のうつ病 - うつ病
https://www.cause-reason.info/melancholy/2017/04/post-7.html

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