「GABA入り食品」は脳に届いていなかった

脳内の神経伝達物質のひとつがGABA

興奮を鎮める働きをする

巷にはサプリメントや健康食品があふれ返っています。すっかり定着した感のある健康志向を反映してのものでしょうが、なかなかの人気商品、ヒット商品になるものもあるようです。

そんななかで、このところ注目を集めているのが「GABA」です。ストレスを軽減するという謳い文句が、この深刻なストレス社会にピタリはまったのかもしれません。

GABAについては、脳内の神経伝達物質のひとつであり、興奮を鎮める働きをします。みなさんのなかにも、「このところ仕事がうまくいかず、気分がムシャクシャしてよく眠れなかったりするから、GABAを摂ろう」という人もいるかもしれません。GABA食品もいろいろ出回っているから、手軽に摂れるという思いもあるかもしれません。しかし、GABA食品を食べたからといって、脳内のGABAが増えるということはないのです。

もう一度、血液関門のことを思い出していただきたいのですが、脳の毛細血管には関所が設けられていて、脳内に入れる物質を選択しているのです。

「GABAは脳内にある物質なのだから、関所を通れないわけはないだろう」

ところがそうではないのです。GABAは血液脳関門でストップをかけられてしまうのです。残念ながら、脳には届かないのです。なぜなら、脳で作用する物質は、脳内でつくるというメカニズムがあるからです。

GABAに合成されるL-グルタミンは血液脳関門を通ることができても、GABAそのものは、あえなく門前払いです。GABA入り食品はそのまま脳に届くわけでなく、一度分解されて栄養素のかたちで脳に入り、再合成されるのです。だから、GABA入り商品を食べたら、即効で脳内の神経伝達物質のバランスが整うとは考えられないのです。

もし「効いた」と実感できたとしたら、それは思い込みによる「プラシーボ効果」です。

年代別うつ病の症状(子供) - うつ病
https://www.cause-reason.info/melancholy/2018/04/post-54.html

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