減塩をクリアーしても調味料・インスタント食品にも注意しなければ意味がない
調味料は甘味も加えられているので塩分過多になりやすいので1日3回の食事は非常に重要です。単に何を食べるかだけでなく、規則正しく3食摂ること自体が、血圧管理において大きな意味を持ちます。
醤油はひとかけで塩分0.5gになる
調味料の食塩1gっててどれぐらい? と聞かれても、ピンとこない人も多いでしょう。塩はもちろん、しょうゆやみそ、コンソメは少しの量で1gに達します。お浸しにしょうゆを2度回し入れると、だいたい食塩1g分にもなります。
さらに漬け物や魚の塩焼きなど、味のついたおかずにさらにしょうゆをかけると、食塩量がどんどんプラスされてしまいます。まず、3度の食事ごとにテーブルで加えていた食塩の量と回数をともに減らしていくようにします。
みそ汁に使うみそは、辛みそよりも甘みその方が食塩量は半分と少なめ。また、ケチャップやソースは、しようゆやみそよりも食塩量は少なめです。塩やしょうゆの代わりに、ケチャップやソースを上手に利用するとすぐに塩分を減らすことができます
インスタント食品の塩分量
- カップ麺 … 6.9g
- インスタントラーメン … 6.4g
- カレーレトルトパック … 1.3g
- 冷凍シューマイ … 1.3g
- 冷凍ミートボ-ル … 1.3g
食塩1gの調味料の量
- 醤油濃い口 … 7g
- 醤油薄口 … 6g
- 甘味噌 … 16g
- 赤色辛みそ … 6g
- トマトケチャップ … 30g
- 中濃濃厚ソース … 17g
- マヨネーズ … 44g
手軽な食べものには食塩が多い
普段、お手頃感から何気なく食べているインスタント食品は、食塩を気にする人にとっては大敵です。インスタント食品は簡単に使えて便利ですが、かなりの食塩量が含まれています。
それがおいしさの秘訣にもなっていますが、カップめんは1個で6.9gと高血圧の人の食塩摂取両を満たしてしまいます。忙しいときなどにどうしても利用するときは、カップめんやインスタントラーメンの汁は飲まないなど、できるだけ体内に取り入れる食塩を減らす工夫をしましょう。
また、市販のお弁当や惣菜なども、食塩が多く含まれがちです。
おかずにしょうゆやソースをかけない、なるべく野菜の多いものを選ぶなど、上手に利用して食塩を減らしましょう。
塩分摂取が血圧に影響するメカニズム
塩分(食塩)の主成分であるナトリウムは、体内の水分バランスを調整する重要な役割を担っています。しかし、塩分を摂りすぎると、体内で以下のような変化が起こり、血圧が上昇します。
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体内の水分量が増加する
血液中のナトリウム濃度が高くなると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を取り込みます。その結果、血管内を流れる血液の量が増えます。 -
血管への圧力が増える
血液量が増えることで、血管にかかる圧力(血圧)が高くなります。これは、ホースの水を強くすると水圧が高くなるのと同じような仕組みです。 -
腎臓への負担が増す
過剰な塩分は腎臓で処理・排出されますが、塩分過多が続くと腎臓に負担がかかり、機能が低下することがあります。腎臓の機能が低下すると、余分な塩分や水分をうまく排出できなくなり、さらに血圧が上昇するという悪循環に陥る可能性があります。 -
交感神経が刺激される
ナトリウム自体が交感神経を刺激し、血管を収縮させることで血圧を上げる作用もあるとされています。
このように、塩分の過剰摂取は直接的に血圧を上げるだけでなく、さまざまな体の仕組みを通じて高血圧を悪化させる要因となります。高血圧が続くと、血管が傷つき、動脈硬化が進行し、最終的には脳卒中や心筋梗塞といった重い病気を引き起こすリスクが高まります。
調味料やインスタント食品に注意が必要な理由
日常的に使う調味料や、手軽に食べられるインスタント食品には、私たちが想像する以上に多くの塩分が含まれています。
1. 調味料
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醤油、味噌、ソース、ドレッシングなど
これらは和食・洋食を問わず頻繁に使われる調味料ですが、少量でも多くの塩分が含まれています。たとえば、醤油大さじ1杯には約2.6g、味噌大さじ1杯には約2.2gの塩分が含まれていることがあります。意識せずに使っていると、あっという間に1日の目標塩分量を超えてしまいます。 -
「隠れた塩分」
漬物、加工肉(ハム、ソーセージなど)、パン、練り物(ちくわ、かまぼこなど)なども、製造過程で保存性や風味を高めるために多くの塩分が使われています。これらも調味料と同様に、知らないうちに塩分を摂りすぎてしまう原因となります。
2. インスタント食品・加工食品
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手軽さの裏にある高塩分
カップ麺、レトルト食品、冷凍食品、スナック菓子、コンビニのお弁当やお惣菜などは、手軽に食べられる一方で、非常に多くの塩分を含んでいることが多いです。 -
栄養成分表示の確認が必須
たとえば、市販のカップラーメン1食には、約5.5g〜6gの食塩が含まれていることがあります。これは、健康な大人の1日の塩分摂取目標量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)の大部分、もしくはそれを超える量に相当します。スープを全部飲むと、さらに多くの塩分を摂ることになります。 -
保存性と味の濃さ
加工食品は、保存性を高めるためや、消費者の好みに合わせて味が濃く作られている傾向があります。そのため、どうしても塩分が多くなりがちです。
減塩のための工夫
高血圧の予防や改善のためには、調味料やインスタント食品からの塩分摂取を意識的に減らすことが大切です。
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栄養成分表示を確認する
食品を購入するときは、「食塩相当量」の表示を必ず確認し、できるだけ塩分が少ないものを選びましょう。 -
調味料は控えめにする
かける量を減らす、だしやレモン汁、酢、香辛料、ハーブなどで風味を加える、減塩タイプの調味料を活用するなどの工夫をしましょう。 -
インスタント食品は控える
できるだけ自炊を心がけ、素材そのものの味を楽しむ薄味の食事を基本にしましょう。インスタント食品を利用する場合は、スープを残す、具材を追加するなどして塩分の摂取量を調整するのも一つの方法です。 -
カリウムを多く摂る
カリウムには、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。野菜、果物、海藻類などに豊富に含まれているため、積極的に取り入れましょう。ただし、腎臓病のある方は医師に相談するようにしてください。
このように、調味料やインスタント食品は私たちの食生活に深く関わっていますが、高血圧のリスクを管理するためには、その塩分量に十分注意することが大切です。