腰痛は自力で治す
多くの腰痛は自分で治すことができます。
仕事柄腰痛を引き起こす人がほとんど
30歳代の男性のKさんは一級建築士、ほぼ毎日コンピューターに向かって図面を措いて仕事をしています。CADがお仕事です。そのKさんは十数年来の腰痛持ちで、あちこちの整形外科や整体師にかかり、そのつど治療や投薬を受け、しばらくは軽快するようなのですが、根本的に治ることはないとのことでした。相談に見えたときもコルセットを腰にまいていましたが、消炎鎮痛剤や湿布薬もずっと常用しているという話です。
理屈好きのKさんに対して、一般的に腰痛は腰の筋力の低下や、交感神経の過緊張で起こること、したがって血流を止めてしまうように働く湿布薬や消炎鎮痛剤、そしてコルセットは、一時的には症状を軽快させるかもしれないけれども、根本的な治療にはならないという理屈を説明しました。合わせて腰の血流を改善させること、腰の筋力を高めることを意識するようにとアドバイスしました。具体的には、まずは前かがみの姿勢を意識して是正すること、同じ姿勢を長時間続けないこと、ストレッチ運動をすること、ときどき腰を反ること、できれば腹筋を鍛えることなどを提案しました。
さすが理屈好きのKさん、腰の血行を改善したり、腰部を温めたりと、自分で工夫をしながら、徐々に消炎鎮痛剤や湿布を用いないように努めていき、最終的にはみごと腰痛からの離脱に成功しました。
痛みに対するアプローチ
腰痛や膝痛は、頭痛の次に多い痛み愁訴ですが、非常に多くの方が消炎鎮痛剤を服用されています。私の経験から述べますと、ほとんどの方が、姿勢の是正、体重の是正、運動(歩行)習慣によって薬に頼ることなく痛みからの離脱が可能です。
もちろん、痛みは苦痛の中でも特につらいものです。しかも痛みのために不眠になったり、怒りつぼくなったり、抑うつになつたり、ひいては免疫力と(自己治癒力)を低下させてしまいます。したがって、疼痛を早めに解消する対症治療は非常に重要です。しかし、その対症治療だけに終始して、根本治療をなおざりにしてはいけません。