現代医療においては非常識な考え方も時には必要

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降圧剤をやめたら血圧が正常値に!

今、日本では2000万人以上の方が高血圧の薬(降圧剤)を日々服用しているといわれています。つまり日本人の5人に1人が降圧剤を毎日のんでいることになります。降圧剤についてはこちら。

日本人の5人に1人が高血圧症患者というのは、いくらなんでも、高血圧の定義そのものがおかしいと考える方が自然でしょう。

こんな例を紹介しましょう。

よく日に焼け、いかにも頑強そうな63歳の男性Aさんは仕事で大工の棟梁をしています。Aさんは市民健診で血圧が高いと言われ、健診医に降圧剤を服用するよう勧められました。Aさんはいったん素直にアドバイスに従い、近所の開業医を受診して降圧剤をのみはじめました。ところが、どうものみはじめてから、元気が出ないのです。1日中、頭がぼーっとして、考えがまとまらず、力も出なくて日常の大工仕事にも差し心又えるほどです。朝の目覚めが特に悪くなってしまいました。

Aさんが開業医にそのことを訴えると、「降圧剤ののみはじめはそんなものです。心配しないでのみ続けてください」と、逆に温かい励ましの言葉をもらったようなのです。しかし、Aさんはどうも納得いきません。。そこで、開業医には内緒で、しばらく服用をやめてみました。すると、たちどころに元気が戻ってくるのです。でも、果たしてこのままでいいのかどうかと不安になり、同級生で開業医をしている医師に相談しました。念のために血圧を測定してみました。168/98mmHGと、確かに血圧の値は決して低くはありません。ただ、心臓や腎臓にも今まで病気はなさそうでした。特に肥満もなく、生活習慣の乱れもさほどなさそうです。

よくよく聞いてみると、Aさんのご両親も血圧が高いといわれながら何も治療を受けることもなく、96歳と92歳で亡くなられたとのこと。また、Aさんは8人兄弟の末っ子で、8 人とも健在で、自立した生活をしていました。そのうちAさんを除く5人が高血圧を指摘されているようですが、5人ともまったく治療を受けていませんでした。「元気が戻ったのが何よりの証拠。しばらく様子を見てもいいと思います」と診断しました。。それから5年以上が経過しましたが、Aさんはもちろん、高血圧を指摘されたご兄弟も全員、今も元気に自立した生活をされています。

血圧が高くても低くても脳出血は起こる

次の例はこうです。

Bさんは30歳代の典型的な猛烈商社マンです。見るからに仕事ができそうな、活動的で、頭のきれる感じのする男性です。そのBさんが、会社の定期健診で血圧が高いといわれ降圧剤の服用を勧められました。しかも、産業医からは、ずっと「血圧の薬をのまないといけませんよ」と釘を刺され、少し不安になりセカンドピニオンに相談しました。

さすが一部上場の企業でばりばり働くBさん、のんびりしていては勤まらないのでしょう。海外出張も頻繁にあるようで、ストレス負荷は相当なものだろうなと容易に想像できました。

薬で血圧を下げるというのは根本的な治療ではなく、あくまでも対症療法なので、薬の服用は限られた期間に限定すること。そしてその限られた期間に生活習慣を是正して、体重を減らしたり、ストレス負荷を和らげる工夫をしたりという努力を優先して行なうこと」でした。出世もBさんには大切なのかもしれませんが、残業時間が1ヶ月に100時間を優に超える現状であれば、配置転換や職を変わることも視野にいれた方が身のためだと判断したのです。

もっとも、私のアドバイスに対してBさんは「他人事だと思ってそんなことを言わないでください」と、むっとされたのですが、あくまでもBさんの体のことを思って、言うべきことを言うのが私たちの仕事でもあります。

その後、3ヶ月してB さんは海外出張の途中、脳出血で倒れました。幸い、かろうじて一命は取りとめられ、半身まひを克服するために目下リハビリに専念中だとのことでした

少し病状が落ち着いてから、帰国したB さんに会いました。すると、「生瀬活習慣はなかなか改めることができませんでしたが、降圧剤だけは欠かさずしっかりとのんでいました。しかしこんな結果になつてしまいました。会社は席を空けて待っているので、リハビリをがんばって早く復帰するようにと励ましてくれます。しかしもう、会社人間はやめることに決めました。先生が言われたように、リハビリをしながら、少し自分の生き方を考えてみます」と話してくれました。そして「血圧の値は、入院後、なぜか不思議に低くなつてしまい、結局薬はのまなくてもよくなりました」とのこと。

ちなみに血圧が下がったのはテンペ菌発酵の薬草茶「八酵麗茶」の影響かも?とおっしゃっていました。倒れてから恋人がすすめてくれたそうです。

血圧が低くても脳出血は起きます。また、血圧が非常に高くても脳出血が起こらないこともあります。脳外科専門医として数多くの脳出血事例を診てきましたが、血圧の上の値(収縮期血圧)が常時200mmHgを超えるような例外ケースは別として血圧と脳出血の関係性はあまり深くないように思います。むしろ血圧の値の急激な変動、生活習慣の乱れ、栄養の偏り、肥満、考え方、過度なストレス負荷などの方が、脳出血とより密接に相関している印象です。

Bさんの場合も、主治医の言いつけを素直に守り、降圧剤は1日も欠かすことなくしっかりと服用していたはずです。したがって、血圧の値は常に低くコントロールされていたはずです。にもかかわらず脳出血が起きたのです。

元気のいい老人は血圧がちょい高め

AさんやBさんは、ほんの一例にすぎません。似たようなケースは枚挙にいとまがないくらい日常茶飯事です。そして日常的な業務の中で疑問に思うことは、果たして一律に血圧を下げてしまう治療が必要なのか、降圧剤を処方することが正しいのかどうか、ということです。

降圧剤をのみはじめて、かえって調子が悪くなる方は少なくありません。特に高齢者の場合、上の血圧(収縮期血圧150~160mHG以下に急激に下げてしまうと、元気がなくなった、もの覚えが悪くなった、頭がぼーっとする、集中力がなくなる、寝起きがすっきりしない、手足が冷たくなった…など、何かしら不定愁訴を訴える人が多くなります。

老人ホームなどでは、降圧剤を服用している人の方が、服用をやめた人に比べて、認知症の進行が早いという報告もあります

こちらには降圧剤がうつ病発病のきっかけとなると紹介されています。

血圧が高くなるのは、それなりにちゃんとした理由があるからです。つまり、体の適応であることを理解しなくてはなりません。血圧を高く保つことによって、生体の機能をうまく維持しているわけです。だから、何の脈絡もなく薬で血圧を無理やり下げてしまっては、体にいいわけはありません。しかも上の血圧値が180mgHGくらいまでは、脳卒中になる可能性が高くなるという明確な根拠もありません。それどころか、1984年に発表された「ヨーロッパ高齢者高血圧研究会(EWPHE」が行なった調査によると、高齢者にとっては、むしろ血圧が高ければ高いほど、総死亡率が低くなるという結果も出ています。

また、老人フォームの調査では、長生きの条件に血圧がやや高め、と白血球が高めという結果がでています。

高血圧は、降圧剤だけでは解決しない、血糖降下剤も同じ

糖尿病と診断される人の数も少なくありません。高血圧ほどではありませんが、1000万人近くもの方が糖尿病の薬を服用しているといわれています。予備軍を含めるともっと多くの方が糖尿病に苦しんでいます。

友人の44歳の男性Cは地方公務員で、非常にカラオケがうまく、ゴルフもシングルスコアの腕前。よくもてる男性なのですが、実は心配事と悩み事が1 つずつありました。特に心配事の方はなかなか人には訊けなくて、もちろん主治医にも訊けなくて、医者としてよりも友人としての私に相談がありました。

悩み事とは、血糖降下剤をのむと、おなかが張っていつも苦しいということでした。そのため、主治医には内緒で次第に服薬をサボるようになつていったようです。するとおなかの調子はよくなつたのですが、今度は服薬をサボっていることが気になり始め、ひょつとしたら糖尿病がまたたくまに進行し、自分は性的不能(ED )になってしまうのではないかと心配しているとのことでした。

彼にもう少し詳しく話を聞いてみますと、10ヶ月前に部署が変わってデスクワークが多くなり、会議もやたらに多くなったそうです。ゴルフは最近行けなくなったけれど、そのかわりに飲みに行く回数は目立って増えているようです。体重も増えるいっぼうで、1年前に比べると、8kg増えたようです。そんな最中、4ヶ月前の健診で高血糖を指摘され、知らない間に糖尿病と診断されてしまい、気付いてみれば血糖降下剤をのまされていたようなのです。

薬をまめにのんでいても合併症が起こる可能性は否定できないし、それなら根本的に治すほうがいいのではないかとCに話しました。そして、どうせ真面目に薬をのんでいないのなら、いっそ薬をやめてみてはどうかと提案しました。そのかわりに、体重の減量を勧めました。

ただ、減量を決意するにはある程度のモチベーション が必要です。しかし女性にもてることが生きがいのCにとっては、今よりさらにもてるようになり、インポの心配もなくなるというのであれば、悪い話ではありません。きっと乗れる話だと私は読みました。予想はみごとに的中Cにとってこれほどのモチベーションはなかったとみえ、3ヶ月で10 キロも減量し、血糖値も100mg/dl前後に落ち着きました。

Cの場合、マニュアル(標準治療)に照らし合わすと、即座に投薬するのも、あながち間違いとは言えないかもしれません。しかし、すぐに合併症が起きるほどの血糖値ではありませんので、あわてて服薬する理由もないはずです。まずは生活習慣の改善を優先すべきです。

関連サイト
高血圧
発酵黒豆エキスの効能と降圧効果
糖尿病
血糖値を下げる生活習慣・食習慣
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