アトピーは原因が重要

社会人になると悪化しがち

治りにくいアトピーも改善する

20歳代の女性Lさんは、新卒のO L。子どものころから軽いアトピーがあっしっしんたようなのですが、就職してから一段と湿疹もひどくなり、化粧もできないほどになって、近くの開業医を受診しました。あまりステロイド薬は使いたくないと医者に言うと、それなら特効の新薬だと説明され、プロトピック軟、」・「ノ膏(タクロリムス軟膏)を処方されました。

帰宅後、Lさんがインターネットでプロトピックについていろいろ調べてみたところ、この薬剤が免疫抑制剤であるという記載が気にかかりました。

開業医からの説明からは、単に新しい特効薬だという理解しか得られていない様子でしたので、タクロリムスという薬は効果の期待できる薬剤であるけれども、もともと腎臓や肝臓などの臓器移植の際に拒絶反応を抑えるために用いる免疫抑制剤で、実際に臓器移植でタクロリムスなどの免疫力抑制剤を使うと、がんや悪性リンパ腫が起こりやすくなる事実が報告されていることを話しました。

合わせて、Lさんにはプロトピック軟膏は使わないで、しばらくは湿疹のひどいときだけ短期間、ステロイド軟膏を用いながら、できるだけ早く新しい環境に慣れるように、考え方を変えていくよう提案しました。環境変化にょってアトピー性皮膚炎が悪化することはよく経験することですし、生真面目なLさんにとっては就職という急激な環境変化がストレスになつて、症状畑悪化のひきがねになつていると容易に想像されます。食習慣も聞いてみると、洋食や加工食品に偏っていましたので、できるだけ和食を中心にし、発酵食品などを意識して摂取するようアドバイスしました。また場合によってはプロパイオテイクス(乳酸菌など) なども摂取してはどうかと付け加えておきました。

1年後偶然会うと!

約1年後、たまたまLさんと会う機会があり、顔の湿疹はほとんど消失していることから経過のいいことは一目でわかりました。聞いてみると、あれのっとから早速アドバイスに則って考え方や食習慣を変えるよう努めたところ、しばらくはあまり目立った改善もなく、ときどきステロイド軟膏を使うことはあったものの、半年くらいで急激に改善がみられ、薬をほとんど使わなくても湿疹が出現しなくなつたそうです。

巷にはまったくステロイド薬を使うなという医者もいて、私もその考えにおおむね賛成です。しかし、やはり症状の特に激しい期間は、しばらくステロイド剤を用いることもやむを得ないことだと思います。 同時にLさんのようにストレス負担を軽減させる工夫をして食をはじめとして生活習慣を見直すことも重要です。

アトピーに限らず、他の慢性疾患においても共通して言えることですが、慢性的なストレス負荷が、往々にして症状増悪の大きな原因になっています。したがって、単に薬剤を用いて対症的に治療するだけでは、いつまで経っても薬から離脱することができず、治癒することもありません。

関連サイト

アトピーの場合、スキンケアの方法を変えることで劇的に改善することもあります。潤いを失わないスキンケアが重要です。

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