しもやけ 漢方薬 で症状を 改善 軽減

しもやけ 漢方薬 で症状を 改善 軽減するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。しもやけは、皮膚に対する寒冷刺激によって起こります。手や足などが冷えることで末端の血管の拡張・収縮がうまくできなくなり、血行が悪くなることで発症するのです。ですから、しもやけを改善するには、なにより手足の先などの血行を良くすることが重要になります。
しもやけ 漢方薬
しもやけの改善に用いられる漢方薬として、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、四物湯(しもつとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の3つを挙げ、それぞれの特徴と、どのような症状の改善に適しているかを紹介します。
医学的には「凍瘡(とうそう)」といわれ、手や足にできることが多いしもやけですが、ほかにも、耳たぶや鼻、頰などにできて、かゆみや痛みを伴ったりします。外見的には、患部が赤紫や赤黒く変色し、腫れあがります。症状が悪化すると水ぶくれができたり、それが破れて、ただれたりします。冬の寒さによる血行不良で、気温が5度前後になると発症しやすくなるとされています。
冬山登山などの人に起こることがある「凍傷(とうしょう)」とは別の病気です。
しもやけになるのは、血液循環が悪くなりやすい、子供や女性が多いです。しもやけという病気の背景には、冷えやのぼせといった血液循環障害があり、体質的なものが原因になっていることも少なくありません。寒い時期には、普段から自分でできる予防をしておくとよいでしょう。手袋、あたたかい靴下、耳あてなどを身につけ防寒する、皮膚をマッサージして血行を良くする、濡れた手はしっかりと拭きとる、などです。
冬が過ぎて暖かくなると自然に治ることも多かったりして、きちんと治療する必要がないと思われがちですが、放っておくと重症化する可能性もありますので、早めに対処したほうがよいでしょう。
しもやけ 漢方薬 で治す
しもやけは、寒さによって血行が悪くなることで生じる炎症性の症状です。手足の指、耳たぶ、鼻などが赤く腫れたり、かゆみや痛みを伴ったりするのが特徴です。漢方医学では、しもやけは「冷え」や「血の巡りの悪さ(瘀血・おけつ)」、「栄養不足(血虚・けっきょ)」などが原因と考えられています。これらの状態を改善することで、しもやけの症状を緩和します。
しもやけに使用される漢方薬
1. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
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特徴: 体を内側から温め、特に末梢の血行を促進する作用に優れています。
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適応症状:
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手足の冷えが特に強く、しもやけを繰り返しやすい体質の方。
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しもやけになった部分が紫色っぽく、痛みが強い方。
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冷えによって胃腸の調子が悪くなる傾向がある場合。
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寒がりの方で、下肢や下腹部の冷えを自覚するケース。
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この漢方薬は、血行を促進する「当帰(とうき)」や「芍薬(しゃくやく)」に加え、体を温める「呉茱萸(ごしゅゆ)」や「生姜(しょうきょう)」、血行を改善する「桂皮(けいひ)」などが配合されています。末梢の血管を拡張させ、冷えによる血行不良を改善する効果が期待できます。
2. 四物湯(しもつとう)
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特徴: 体に必要な「血(けつ)」を補い、栄養不足による血行不良を改善します。
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適応症状:
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しもやけだけでなく、貧血気味で顔色が悪い、皮膚が乾燥しやすいなど、「血虚(けっきょ)」の症状を伴う場合。
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生理不順や生理痛など、婦人科系のトラブルがある場合。
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体全体に潤いがなく、疲れやすい体質の方。
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冷えよりも、むしろ栄養不足による血行不良が原因と考えられるしもやけ。
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四物湯は、血を補う「当帰」「芍薬」「地黄(じおう)」「川芎(せんきゅう)」の4つの生薬から構成される基本的な漢方薬です。体の栄養状態を改善し、血行を円滑にすることで、しもやけの治癒を助けます。
3. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
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特徴: 「血」と「水(すい)」のバランスを整え、冷えや血行不良、むくみを改善します。
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適応症状:
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しもやけだけでなく、冷え症、貧血気味、むくみやすいなど、水分代謝の異常も伴う場合。
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体力がそれほどなく、やせ型で冷えやすい方。
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立ちくらみやめまい、肩こりなどの症状を伴う場合。
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特に女性に多く見られ、生理前や生理中にしもやけが悪化する傾向がある場合。
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当帰芍薬散は、血を補い、血行を促進する「当帰」「芍薬」「川芎」と、水分代謝を改善する「茯苓(ぶくりょう)」「朮(じゅつ)」「沢瀉(たくしゃ)」が配合されています。全身の血行と水分バランスを整えることで、しもやけの根本的な体質改善を目指します。
服用上の注意
漢方薬は、体質や症状によって適切なものが異なるため、自己判断での服用は避け、必ず専門の医師や薬剤師にご相談ください。また、しもやけの症状がひどい場合や、他の疾患が疑われる場合は、皮膚科などの医療機関を受診する必要がございます。
漢方薬では、その人の体質や症状から判断した処方がおこなわれます。何度も繰り返し起きるようなら、次のような漢方薬を試してみるとよいでしょう。
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 ( とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう ) 普段から手足の冷えがひどく、お腹がよく痛くなるような人、頭痛や腰痛が起きやすい人のしもやけに効果的です。
- 四物湯 ( しもつとう ) 女性の血の道症によく使われる漢方薬です。手足の冷えがあって、血行が悪く皮膚がカサカサしている人のしもやけに向いています。
- 当帰芍薬散 ( とうきしゃくやくさん ) 貧血気味で、足腰が冷える女性によく使われる漢方薬です。生理不順やめまい、肩こり、頭痛などがよく起こる人でしもやけになりやすい人に向いています。