変形性関節症 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する

変形性関節症 漢方薬 で改善 症状を軽減改善するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。葛根湯、越婢加朮湯、桂枝加朮附湯は、それぞれ異なる病態や症状に対応する漢方薬であり、変形性関節症の症状改善に用いられることがあります。関節に痛みが起こる原因は、スポーツなどで関節に負担がかかったときや傷めたとき、病気では関節リウマチや感染性関節炎、痛風などによるものといろいろありますが、日本人に最も多く発症しているのは、変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)です。
変形性関節症は、関節の軟骨が摩耗し、骨が変形して痛みや機能障害を引き起こす疾患です。一般的に、年齢や遺伝的要因、肥満、関節の過剰な使用などが原因と考えられています。
変形性関節症の症状には、関節の痛み、腫れ、こわばり、動きの制限などがあります。また、痛みが激しくなると、日常生活に支障をきたすことがあります。
変形性関節症の治療には、適切な運動療法や食事療法、リハビリテーションなどが必要です。運動療法には、関節を強化するための筋力トレーニングや、柔軟性を高めるストレッチングなどがあります。また、食事療法では、体重を減らすことで関節にかかる負担を軽減するため、適切な栄養バランスの食事を心がけることが重要です。一部の患者さんには、手術も必要な場合があります。
変形性関節症 漢方薬 で改善
変形性関節症は、関節の軟骨がすり減ったりすることで痛みや腫れが起こり、関節が変形することもある病気です。
関節軟骨は、骨と骨との間にあってクッションの役割や滑らかな動きを可能にしている組織なのですが、変形性関節症では、軟骨がすり減るために滑らかな動きができなくなって骨と骨に摩擦が生じ、痛みが出ます。関節に炎症が起こったり水分(関節液)が溜まって、腫れてしまうこともあります。さらに、骨にも影響が及び、軟骨の下の骨が硬くなったり突起ができたりして、関節に変形が起こります。そして、そのまま放っておくと、関節の動きが悪くなることもあるのです。
変形性関節症は、首や肩、肘(ひじ)、手・足の指、脊椎、股(また)、膝(ひざ)と、全身のさまざまな関節に起こります。なかでも特に多くの人を悩ませているのが、体を支え体重の負荷がかかる膝や股に起こる関節症で、日常生活に支障をきたすこともあります。
膝に起こるものを変形性膝関節症、股に起こるものを変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)と呼びます。膝関節や股関節に炎症が起こると、座ったり立ち上がったり、階段の昇り降りなどのときに痛みが起きて、動くのが苦痛になります。
年齢を重ねるに連れて発症する人が増えてきますが、これには、年齢とともに筋力が弱くなり関節にかかる負担が大きくなることや、長年にわたり関節を使い続けて関節の軟骨がすり減ってきたことなどが関係していると考えられます。ただし、スポーツ選手など特定の関節を使い続けた場合では、若い人でも発症することがあります。また、太っていると膝関節や股関節にかかる負担が大きくなるため、変形性関節症が起こりやすくなります。肥満に気をつけましょう。
漢方薬で変形性関節症の症状を改善する
変形性関節症 に対して漢方薬が使用されることがあります。漢方薬には痛みや関節の腫れなどの症状を緩和するためのものや、関節軟骨の再生を促進するためのものがあります。ただし、漢方薬は薬剤の相互作用がある場合がありますので、漢方薬を使用する前に必ず医師に相談したほうがいいでしょう。
漢方医学では、変形性関節症のような痛みやしびれを伴う病態を「痺証(ひしょう)」と捉えることが多いです。「痺証」は、体の「気」「血」「水(津液)」の巡りが滞ったり、不足したりすることによって起こると考えられ、さらに「風(ふう)」「寒(かん)」「湿(しつ)」といった外からの影響(邪気)が加わることで悪化するとされています。
それぞれの漢方薬が、変形性関節症に対してどのように作用すると考えられるか、以下に解説します。
1. 葛根湯(かっこんとう)
- 効能・効果の主眼: 発汗作用により、体の表面に停滞した「寒邪(かんじゃ)」を追い出し、筋肉のこわばりや痛みを和らげる。
- 変形性関節症への適用:
- 急性期や初期の関節痛: 特に、関節の痛みが急に出てきた場合や、肩こり、首のこわばりを伴う場合。
- 冷えによって悪化する痛み: 寒さや冷えによって関節の痛みが強まる場合に考慮されることがあります。
- 筋肉の緊張を伴う痛み: 関節周囲の筋肉が緊張して痛みが出ている場合。
- 注意点: 発汗作用が強いため、体力が低下している人や、汗をかきやすい人には不向きな場合があります。
2. 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
- 効能・効果の主眼: 発汗・利水作用により、体の余分な「水(津液)」を排出し、関節の腫れや熱感、痛みを和らげる。
- 変形性関節症への適用:
- 関節の腫れや熱感が強い場合: 炎症が強く、関節が赤く腫れて熱を持っているような状態。
- 水が溜まっているような感覚: 関節に水が溜まっているような浮腫み感を伴う場合。
- 強い痛み: 痛みが強く、発熱を伴うような場合にも用いられることがあります。
- 体力がある人向け: 比較的体力があり、炎症性の症状が強い人に適しているとされます。
- 注意点: 体力がなく胃腸が弱い人には向かない場合があります。
3. 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
- 効能・効果の主眼: 体を温め、気血の巡りを改善し、痛みやしびれを和らげる。特に「寒(かん)」と「湿(しつ)」によって生じる慢性的な痛みやしびれに用いられる。
- 変形性関節症への適用:
- 慢性的な関節痛: 長期間続く関節の痛みやしびれ。
- 冷えによって悪化する痛み: 冷えると痛みがひどくなる、体が冷えやすい人に。
- 関節の変形を伴う痛み: 関節の変形が進み、痛みが強い場合。
- 麻痺感やしびれ: 関節周囲のしびれや麻痺感を伴う場合。
- 体力低下している人にも: 比較的体力が低下している人や、高齢者にも用いられやすい漢方薬です。
- 注意点: 副子(ブシ)という生薬が含まれており、副作用に注意が必要です。専門家の指導のもとで服用することが重要です。
漢方薬で「治す」という考え方について
漢方薬は、西洋医学における「病気を治す」というアプローチとは異なり、「体質を改善し、症状を緩和する」という考え方が基本です。変形性関節症のように構造的な変化がある場合、漢方薬だけで完全に元の状態に戻すことは難しいですが、痛みの軽減、関節機能の改善、QOL(生活の質)の向上に寄与することが期待されます。
重要な注意点
- 自己判断での服用は避ける: 漢方薬は個人の体質(証:しょう)や症状によって選択が異なります。上記3つの漢方薬は、それぞれ異なるタイプの変形性関節症に用いられるため、自己判断で服用すると効果が得られないばかりか、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
- 専門家への相談: 変形性関節症で漢方薬を服用したい場合は、必ず漢方専門医や漢方に詳しい医師、薬剤師に相談し、適切な診断と処方を受けてください。現在の症状、体力、体質、他の服用薬などを総合的に判断して、最適な漢方薬を選んでもらうことが非常に重要です。
変形性関節症の治療は、漢方薬だけでなく、西洋医学的な治療(薬物療法、理学療法、運動療法など)や生活習慣の改善と組み合わせて行うことで、より効果的な症状管理が期待できます。
- 葛根湯 ( かっこんとう ) 初期の段階に使うと良い漢方薬です。発熱や寒気があり、肩や首すじが強ばっているような時に効果的です。葛根湯は、漢方薬の一種で、風邪や喉の痛みなどに効果があるとされていますが、変形性関節症に対しては使用されることがあります。葛根湯には、痛みや腫れを緩和する作用があり、変形性関節症の症状を軽減するために使用されます。また、葛根湯には体を温める効果があり、関節の痛みを緩和する効果もあるとされています。
- 越婢加朮湯 ( えっぴかじゅつとう ) のどの渇きや尿の出、むくみなど、体内の水分を調整する漢方薬です。関節が熱をもち痛むときなどに用います。越婢加朮湯は、漢方薬の一種で、関節の痛みや腫れを緩和する作用がありますが、変形性関節症に対しては使用されることがあります。
- 桂枝加朮附湯 ( けいしかじゅつぶとう ) 胃腸が弱く冷え症で、神経痛があるような人に向いています。慢性化している場合、のみ続けると症状の改善に期待できます。桂枝加朮附湯は、漢方薬の一種で、体を温めて血行を促進する作用があるとされています。変形性関節症に対しても、痛みや関節の腫れを緩和するために使用されることがあります。桂枝加朮附湯には、痛みや腫れを緩和する作用があるだけでなく、体を温めて血行を促進する作用があるため、関節痛の改善に効果があります。