夜尿症 遺尿症 虚弱体質 漢方薬 で改善 症状を軽減改善する

2023/03/29

夜尿症 遺尿症 虚弱体質 漢方薬 で改善 症状を軽減改善するにはどんな漢方薬を選ぶのがいいのでしょうか。

夜尿症 遺尿症 虚弱体質 神経質な子に多い夜尿症

5 歳前後になっても月 1 回以上おねしょをしてしまうのであれば、夜尿症です。昼間も自覚なしにもらしてしまうのを遺尿症と呼んでいます。

子どものおねしょ(夜尿症)は、「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されます。

7歳児における夜尿症の有病率(病気をもっている人の割合)は10%程度とされ、その後は年間15%ずつ自然に治るとされますが、0.5~数%は夜尿が解消しないまま成人に移行するといわれています。生活指導をはじめとする治療介入により、自然経過に比べて治癒率を2~3倍、高めることができ、治癒までの期間が短縮するといわれています。

小学校に入っても夜尿症が治らない場合は、小児科あるいは泌尿器科を受診することをお勧めします。夜尿症患児は夜尿のない対象のお子様と比較して、有意に自尊心が低いとの報告もあり、夜尿症が改善したお子様では自尊心の回復が見られたとの海外の報告もあります。

夜尿症は親の育て方や子どもの性格の問題ではありません。その原因としては睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目をさますことができないという覚醒障害を基礎としています。この覚醒障害に加えて、睡眠中の膀胱の働きが未熟である(膀胱の容量が小さい、ある程度膀胱に尿が溜まると膀胱が勝手に収縮してしまう、など)ことや夜間尿量が多い(夜間多尿)ことが重なると発生します。

遺伝や体質、精神面などのさまざまな因子が加わることでおきますが、原因ははっきりとわかっていません。

治療方法としては、まずは生活習慣の改善が行われます。例えば、就寝前の水分摂取量の減少、トイレに行く時間の確保、規則正しい睡眠時間の確保などです。また、薬物療法や行動療法も行われる場合があります。薬物療法には、抗利尿ホルモンの補充や、脳に作用して膀胱の収縮を抑制する薬などがあります。行動療法には、トイレトレーニングや、アラーム装置を用いた治療があります。

夜尿症は、子供だけでなく、大人にも起こることがあります。大人の場合は、慢性的な膀胱炎や前立腺肥大症などが原因となることが多いため、早めに医師の診察を受けることが重要です。

東洋医学的にみると、神経質な子が夜尿症や遺尿症になりやすい傾向にあります。神経が過敏で虚弱体質で胃腸の働きが弱い子には、まず 小建中湯  ( しょうけんちゅうとう )  を試します。

変化が見られない場合には、桂枝加竜骨牡蛎湯 ( けいしかりゅうこつぼれいとう ) を使用します。虚弱体質というほどではないが、緊張しやすい、物事にこだわりやすいといった子には、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が有効。

比較的元気で顔色もよく、昼間に水分をたくさん摂取する子がいますが、このような場合は、尿の量を見ながら処方します。
尿量が多くない場合は、五苓散 ( ごれいさん ) 、尿量が多い場合は、白虎加人参湯 ( びゃっこかにんじんとう ) を使います。
冬になると、体が冷えるせいもあり、もらす回数が増える子がいます。このタイプであれば、体を温める漢方薬が有効です。
手足が冷え、しもやけができやすい子は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯 ( とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう ) 。腰のあたりが冷え、尿量が多い子は苓姜朮甘湯 ( りょうきょうじゅつかんとう ) が有効です。

2~3年飲むと体質改善する

「虚弱体質」という医学的な定義はありませんが、一般には、風邪をひきやすい、扁桃腺が腫れる、元気がない、顔色が悪い、熱を出しやすいなどの症状がある子供は、検査をしても異常がみられません。
体質的な要因が大きいのです。
このように原因がはっきりしない症状の改善には漢方がよく合います。

体力はあるが、よく風邪をひき、熱を出しやすい子には、小柴胡湯 ( しょうさいことう ) 、あまり体力がない子には、補中益気湯 ( ほちゅうえつきとう ) 小建中湯 ( しょうけんちゅうとう )が有効です。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)は、胃腸が弱く、汗をかきやすい子に適しています。
アレルギー体質でリンパ腺の腫れ、発熱などを起こしやすく、比較的体力のある子には、柴胡清肝湯 ( さいこせいかんとう ) 。体力があまりない子には黄耆建中湯 ( おうぎけんちゅうとう ) がおすすめです。

胃腸が弱いと虚弱体質になりがちです。胃腸の状態をしっかり整えるようにします。漢方薬で疲れにくくなったり、風邪をひきにくくなったりするお子さんは増えています。
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